これからも楽しみにしています!
楽しそうに趣味を続けている人に会うといつも感化されてしまうのだけれど、今回もまんまと自分でもやってみたくなって帰ってきた。小村さんにはこれからも思いもよらないものをガラスで作ってもらいたい。たまにブログをのぞくので「そこきたか!」と笑わせてください。
工房での流れるようなガラスさばきを見て、小村作品の源流を見たように思う。あの作品たちはセンスだけではなく、確かな技術が元になっていたのだ。
そんな小村さんに、信頼をこめて新作を作ってもらえないかとリクエストしてみた。「だいたいなんでも作れると思いますよ」と言っていたのを逆手にとったのだ。
変な形と変な色でおなじみ、海の宝石ウミウシである。われわれのサイトでも餃子にしたことがある。
少し困っているように見えた小村さんだが、作り方が頭のなかでまとまると同時にパパパッと動き始めた。
あとは迷いなく作業が始まる。
まずはメンダコの時と同じように透明のガラスに色を付けていく。
匠の技をご覧ください(少し早回ししています)。
メンダコの場合は一つ作るのに15分くらいだったものが、ウミウシではその倍くらいの時間をかけて作っていたように思う。お疲れさまでした!
その日に作った作品たちはいったん徐冷炉で冷ましておいて、完成したものを次の工房作業の時に受け取れる仕組みである。
あっという間に一週間がたって、待ちに待った完成品とのご対面である。
小村さんがていねいに新聞紙を開けると、中からピカピカのメンダコが現れた。か、かわいい。
僕が作った左のメンダコと右の二つとを比べてみてほしい。耳にしろ目にしろ、一番わかりやすいのは足の形だろうか、小村さんの作ったメンダコとはすべてにおいて差がある。
突起の部分は形を作ったあとに炉に入れると、また丸まってしまう。なのでもたもたした分、僕のメンダコは丸っこく、手早く作った小村さんのメンダコはシャープなのだ。
自分で作るまでは「ゆるい!」と思っていた小村作品だが、実際に自分で作ってみるとその難しさがわかり、あのゆるさが綿密に作られたものだったことがわかった。僕のようにただゆるいだけだと「かわいい」の質も下がるのだ。
それでも小村さんが言うように、顔があるものはその微妙なずれ具合で表情が変わって面白いと思う。
リクエストして作ってもらったウミウシもできていた。
思った以上にウミウシである。
金属みたいな光沢の色付けをしたことで、ウミウシの毒々しさがうまく出ている。ちゃんと吹いて作ってあるので中が空洞で、使おうと思えばコップとしても使えなくもない。言い訳としての実用性を残しておいた上で好きな物を作る、小村流のやり方だ。
ウミウシは顔がないので表情はわからないはずなのに、なんだろうこのいとおしさは。これはぜひこれからの小村さんのレギュラーに入れてほしい。
小村さんの作ったガラスのマンボウはマニアフェスタでマンボウマニアに、パイロンはパイロンマニアに、方手袋は石井さんに、どれも好評だったという。マニアのみなさんの守備範囲の広さに、趣味の世界はまだまだあるぞ、と思った次第です。
※マニアフェスタに出ていたマニア30名がgoo blogに大集合した『マニアブログフェスタ』で他のマニアさんのブログも読めますよ!
楽しそうに趣味を続けている人に会うといつも感化されてしまうのだけれど、今回もまんまと自分でもやってみたくなって帰ってきた。小村さんにはこれからも思いもよらないものをガラスで作ってもらいたい。たまにブログをのぞくので「そこきたか!」と笑わせてください。
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