広告企画 2020年4月20日

軍手もケバブもパイロンも!吹きガラスの世界はなんでもアリ

小村さんのメンダコづくりは続く。

小村さんはどんなきっかけでガラス細工にはまっていったんですか。

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ガラス細工ってやってみるまでどうやって作っているのかとか考えたこともなくて、初めてやらせてもらった時に衝撃だったんですよね。

 そうですよね、コップ一つとっても僕らには作り方が予想できないですからね。

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いまからやるんですが、ガラスは切り離すときにヤスリで筋を入れておいて割るんですよ。最初は「え!割るの!」って驚きましたから。
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頭にもう一本の竿を付けたら
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もともとの竿を切り離す。この時にヤスリで筋を付けたところを軽く叩いて割る。
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そうやって一つ一つ作れるバリエーションが増えてくると面白くなってくるんですよね。

 今ではこんなに流れるように作業をしている小村さんにも、やっぱり初心者の頃があったのだ。それを聞くとちょっと安心する。

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作業するたび何度も炉で熱する。ガラスのかたまりは熱すると柔らかくなるので、竿は常に回しておかないと重力で落ちます。
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さっき割って切り離した時にできた穴を回転させながら広げていって
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つまんで足を作ったら
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頭の部分を切り離します。ここでもまた筋を付けてからちょんっと叩いて割る。
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メンダコは目を乗せたあとに足の部分を広げるので、そこで表情が変わっちゃうんですよね。なので出来上がるまでどんな表情になるのかわからないのも面白いところです。
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割った部分は最後にバーナーであぶってきれいにします。これで完成。
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ガラスは急激に冷ますと割れてしまうので、徐冷炉と呼ばれる炉でゆっくり時間をかけて冷まします。

ここまで15分か20分くらいだろうか。何度も炉にいれて加工してを繰り返すので手数的にはものすごく多いんだけど、小村さんがやると作業がすべて流れでつながって見えるから不思議だ。これはさすがに修行を積まないと無理だろう。

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やってみますか?

まじっすか!

そりゃあやってみたいですけど、簡単に「やってみます」と言えるような作業量じゃなかったような気がするんですが。

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やったけど。
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二人とも似たような恰好しているのは偶然です。
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あたふたしてるとすぐに冷えて硬くなってしまう。

一つ一つの動作が実におぼつかない。だって立ったり座ったり、歩き回ったりする間もずっと竿の先についた高温のふにゃふにゃのガラスが落っこちないように回していないといけないのだ。これ見てるよりもずっと難しいぞ。

前に聞いたときに3ヵ月くらい習ってあとは自分でって言ってましたが、小村さんは今何年くらいガラス細工をやっているんですか。

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2000年代のはじめくらいからやってるから、そう考えるともう20年くらいやってるんですかね。

 楽しそうに趣味に打ち込んでる人を見ると自分もやってみたくなるんだけど、この人に肩を並べられるようになるまでに何年かかるだろうって考えるとぜったい追いつけない気がして手が出せないのだ。

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作りたいものが先にあるとそれに向けて練習するので、必要な技術が早く身につくと思いますよ。最初から全部の技術を身につけようとせずに、これを作りたい!って思ってそればっかり作っていれば上手くなると思います。これ、あくまでも趣味ですから、好きな物だけ作れたらいいですよね。
 
なるほど、趣味だから好きに始めて好きに進化していけばいいのだ。いいこと聞いた。
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小村さんの手伝ってもらいながら自分で作ったメンダコ。次のページで冷えたあとのものが見られます。

ガラス細工は個々の技を練習するというよりも、全体の流れを身につけるものなのかもしれない。一通りの流れが身についたら、ようやく自分の好きな物が作れるようになってくるのだ。

「好きなものはだいたい作れるようになった」という小村さんに、ちょっとリクエストしてみた。

 

1点ものばかり集めました

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