人生いろいろ
人それぞれ、いろんな人生がある。人生ゲームっていうのは普段の自分と違う人生ができるのがいいところだ。最高の人生ゲームは、手軽にできるわりに結構楽しいし奥深い。よかったらやってみてください。今回作ったマスはPDFでダウンロードできます。でも自分でオリジナルのマスを作るのも楽しいのでおすすめです。
「人生ゲーム」というボードゲームがある。
人生をすごろくに置き換え、自分とは別の人生を送ることができるゲームだ。うまくいくと大富豪になれるし、うまくいかないと借金まみれになることもある。
でもたかがゲームだ。せめてゲームの中ぐらい、最高の人生を送らせてくれたっていいじゃないか。宝くじで10億円をあてて南の島で暮らしたい。そこで、自分の考える最高の人生ゲームを作って遊んでみた。
人生ゲームはタカラトミーから発売されているすごろく型のボードゲームである。
上記の画像のように、人生ゲームでは大したことのない内容のマスでも、現実よりはるかにインフレした金額を払ったりもらったりすることになる。これはゲームで扱われる紙幣の最小単位が$1,000、すなわち、約10万円であるため仕方のないことかもしれない。
でもどうせ100万円払うならもっと楽しいことがしたい。というか、そもそも100万円とかそういうスケールじゃなくもっと派手なこともしてみたい。
せっかくの人生、ゲームの中くらい、前澤社長のようにもっと夢のある人生を送らせてはくれないか。
通常、人生ゲームのゴール時の金額は多くても100万ドル~200万ドルぐらいで、日本円で1~2億円だ。 今回、このスケール感を完全無視し、100億円とか1000兆円とかが平気で出てくる人生ゲームをオリジナルで作成する。
編集部の石川さん、橋田さんに参加してもらい、最高の人生ゲームを作ることにした。画用紙1枚をすごろくの1マスとみなして、マスの内容を自由に考えてもらう。マス作成の上でのルールはこんな感じ。
うーん、職業はどうしよう。通常の人生ゲームでは序盤の職業選択マスで職業を決め、給料日マスで給料がもらえる。でも今回は「最高の人生ゲーム」だ。できれば不労所得だけで生きたい!というわけで、職業選択マスは廃止とした。意思決定の余地はなく、すべては運任せ。もはやただのすごろくに近い。
いよいよ、最高の人生ゲームであそぶ。人生ゲームにはルーレットが必要だ。ルーレットはWebサイトを利用しパソコン上で回せるようにした。
スタートに駒を並べる。駒は大きければ大きいほうがテンションが上がるので、100均で買ったおもちゃの乗り物を使うことにした。
まずは私、ほりから。
マスの内容は、年末ジャンボ宝くじが当たる。(前後賞あわせて) 10億円。やった~!いきなり宝くじが当たった!10億円。最高の人生だ!通常の人生ゲームで10億円がもらえることはまずないので、早くも限界突破だ。すごい。なお現実の年末ジャンボは外れた。
続いて、石川さん。
出た目は4。
串カツ田中。3000円払う。これは私が書いたマスだ。私は串カツ田中が好きで現実の人生では週1で通っている。こういう小さな幸せも最高の人生では大事なので、これはこれでよい。
3番目は橋田さん。
出た目は1。
家の庭に軍用機がおちるが無事。賠償金3億もらう。これを考えたのは石川さん。「無事」というのが重要だ。最高の人生を送るには何よりも人命が大切である。
途中経過 (第1ターン終了時)
串カツ田中に行きいきなり残高0円となった石川さん(それはそれで幸せだ)、賠償金の3億円が振り込まれた橋田さん、当選金額10億円が振り込まれた私。みんな最高ですね。
ほりの番。
タピオカ。900円払う。これは自分で考えたマスだ。10億3000円が10億2100円になった。無視できるほど小さい額だ。まずい。お金をたくさん持っているとこういう小さい幸せを感じられなくなる。気を付けよう。
石川さん。
すごい特許。2億円もらう。串カツ田中で小さな幸せを感じていた石川さんだが、ここで発明が大当たり。2億円もらえる。人生何が起きるかわからない。
橋田さん。
家の庭にレアメタルの隕石がおちる。100億円もらう。
ここからはダイジェストで。
ほり:自家用ジェットをほしいので予備入れて2機買う。500億円はらう。
石川:ベンチャーがうまく行く。30億円。
橋田:月に行く。700億円払う。
自家用ジェット、いくら何でも高すぎる。書いたのは石川さん。このせいで私は500億円はらうことに。でもこれでレバノンにいける。
石川さんは特許で2億もらったあとベンチャーがうまく行き30億円。順調に人生をステップアップしている。お手本のような人生だ。
橋田さんはいよいよ月に行く。庭に落ちた軍用機とレアメタルで稼いだ103億円では全然足りないが、借金をしてでも月に行く。すごくロックな人生だと思う。
途中経過 (第3ターン終了時)
ほり:南の島に永住する。10億円はらう。
石川:ビットコインで300万円儲ける。
橋田:自家用ジェットをほしいので予備入れて2機買う。500億円はらう。
私は自分で書いた南の島に永住するに止まり、夢をかなえることができた。やった~。毎日プールで泳いだりぼーっと海岸を見つめていたりしたい。最高の人生だ。借金まみれだけど。
「僕だけ堅調ですね」と言う石川さんは相変わらず事業をすすめている。今度は仮想通貨に手を出して成功。ただし300万円というのはもはや少額だ。
月から帰ってきた橋田さんは、筆者に続き自家用ジェットを2機購入。金遣いが荒い。家の庭に隕石が落ちると金遣いが荒くなる。
最高の人生ゲームである。たくさんお金がもらえたら最高だし、たくさんお金を払うことになってもその内容が楽しい理由ならそれはそれで最高だ。一度きりの人生、自家用ジェットを買えるなんて最高じゃないか。でも、やっぱり多額の借金は精神衛生上よろしくない。借金、なくならないかな~。
第5ターン
ほり:知人の子がゴルフツアーで優勝してタダでハワイへつれていってもらう。
石川:リニアのせいで立ちのき。10億もらう。
橋田:急成長したベンチャーが自分のTwitterアカウントと同じ名前。2億円で売る。
南の島に永住しながらハワイへ行くほり。ありがたみが少ない。金額的には増減なし。リニア建設に伴う立ちのきでまたしても着実に資産を増やす石川さん。巨額の借金を持つ橋田さんはTwitterアカウントを2億円で売り付け、返済の足しにする。アカウントが2億円はぼったくりだ。笑
第6ターン
ほり:昔やった仕事でノーベル物理学賞。20億円もらう。
石川:温泉を掘り当て売却。2億円もらう。
橋田:自宅が交通の要所に。売却して10億円もらう。
このあたりはラッキーゾーンだ。何だかんだで億単位のお金がもらえる。でももうそんな額じゃ満足できない自分がいる。人間とは欲深い生き物だ。
第7ターン
ほり:ビールをのむ。290円払う。
石川:世界10周する。100万円×10払う。
橋田:世界10周する。100万円×10払う。
どんどん感覚がおかしくなっていく。でも確かに10周もしなくてよい。2周半ぐらいで飽きると思う。
※通常の人生ゲームは同じマスに止まると追突事故になりますが、今回そういうのはありません。最高の人生なので。
途中経過 (第7ターン終了時)
いよいよゴールが近くなってきた。現在最もゴールに近いマスにいるのは私。現在の「ビールをのむ」のマスからゴールまでの残りはこんな感じ。
残り、実は億単位でもらえるマスはなく、こう言っちゃなんだが地味なラインナップだ…。と、見せかけて、とんでもないマスがある。ゴールの手前、政府の政策が気に入らないので日本ごと買う。1000兆円払う。これを作ったのは石川さんだ。
石川さん、なんてことをしてくれるんですか…。このマスに止まったら日本を買収することになる。そんなことがあっていいのか。とにかく、壮大な人生だ。
と思ったら私は1つ手前のマス、東京オリンピックでプチバブル。100万円もらう。 に止まった。あぶねー。漠然としたプチバブルで100万円をもらえた。
石川さんは LCCのセールでパリに行く。1000円払う。安い。パリに1000円で行けるのは安すぎて最高!という気持ちになる。石川さん、さっきまで世界を10周したのにすぐにパリに行ってしまった。世界を10周したときにパリが気に入ったんだと思う。
橋田さんのマスは、徳川埋蔵金が掘りあたったが、何ももらえない。でも有名人になれた。
橋田さん「あ、埋蔵金。私が書いたやつだ。」
ほり「お、埋蔵金…。え、何ももらえないんですか?」
橋田さん「そうなのよ。いろいろ手続きがあってまだもらえないのよ。」
石川さん「手続き大変ですからね~」
いよいよ私。2以上がでればゴール。1だと日本を買収してしまう。
ゴール!「幸せって何だろう」
ほり「幸せって何でしょう」
橋田さん「なんかもやっとしますね…」
借金まみれでゴールしたが、南の島に永住出来て良い人生だった。人生の良し悪しは通帳の残高じゃない。幸せだと言ってもいいんじゃないでしょうか?でも借金はだれが払うんでしょうか?子供がいたとして、残された子供たちは幸せな人生を送れるんでしょうか?むむむ。
ゴールに「幸せって何だろう?」と書いておいたのは私だが、ゴール後に自分がもやっとする結末になった。幸せって何だろう。奥が深いな…。
続いて石川さんもゴール。
石川さん「ゴール。これ、死ぬってことですか?」
ほり「どうなんでしょうね。人生のゴールってなんでしょうね。」
残すは橋田さんだけだ。
石油が出る。2000億円。
橋田さん「やった~!ようやく黒字!!」
その後、橋田さんは 東京オリンピックでプチバブル。100万円もらう。を経由してゴール。マイナス1000兆円のマスに止まったら面白かったのに…。健全に黒字を死守。
というわけで最終金額はこんな感じ。
合計金額の一位は約906億円の橋田さん。二位は約44億円の石川さん。最下位はおよそマイナス480億円のほり。
でもここからが大事。人生の良し悪しは金額じゃない。何をしたかだと思う。各自、人生を振り返る。
石川さん:串カツ田中から始まり、安定して事業を拡大し、晩年は世界旅行をしまくった。
橋田さん:序盤にお金を使いまくるも最後に埋蔵金と石油を掘り当てた。
ほり:宝くじがあたり、自家用ジェットで南の島に永住したが借金まみれ
石川さん「最初の串カツ田中のことは忘れないと思う。中盤仕事を頑張った分、最後旅行たくさんできて良かった。」
橋田さん「私はジェットコースターみたいな人生だったね。石油あたってよかった~」
ほり「南の島に住めて良かったですけど、やっぱり借金まみれは嫌ですね…」
うーん、人それぞれの人生に良し悪しなんて付けられない。でもできれば石川さんみたいな生き方がいいなぁ。
人それぞれ、いろんな人生がある。人生ゲームっていうのは普段の自分と違う人生ができるのがいいところだ。最高の人生ゲームは、手軽にできるわりに結構楽しいし奥深い。よかったらやってみてください。今回作ったマスはPDFでダウンロードできます。でも自分でオリジナルのマスを作るのも楽しいのでおすすめです。
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