自動車学校では教えてくれない、お礼の合図
車の運転中、道を譲ってもらう機会が多々ある。
駐車場を出る時、対向車がある道路で右折できずに困っている時、すれ違えない細い道を通る時…道を譲ってもらった際は、相手のドライバーに感謝の意を示したい。
しかし最近、その示し方にモヤモヤしている。
運転中のお礼の合図でまず思い浮かぶのは、サンキューハザード。
本来は車の故障や緊急停車時に後続車に注意を促す目的で使われるものだが、日本では「ありがとう」の気持ちを伝えるコミュニケーション方法としても認知されている。
サンキューハザードの次に思い浮かぶのは、片手を上げるジェスチャー。サンキューハンドサインというらしい。
ハンドルを握りながらサッと感謝の意を伝えられる、ポピュラーな合図だ。
サンキューハンドサインは相手ドライバーからも見えやすく多くの人が使っているのでわかりやすいが、モヤモヤしているのはわたしがやると“なんか偉そうに見える”点だ。
軽すぎるというか上から目線というか…言葉に変換すると「ありがとうございます!」ではなく「ありがとよ~」って感じで、せっかく道を譲ってくれたのに感謝の気持ちを思うように伝えきれていないような気がしてならないのだ。
そんな理由から、最近はサンキューハンドサインではなく会釈に切り替えている。 が、会釈は会釈で一瞬前方が見えなくなったり相手の表情がよく見えなかったりどデメリットもある。
自分からも相手のドライバーからも見えやすく、かつお礼の気持ちがきちんと伝わる合図の最適解を考えたい。
5つの案とシチュエーション
従来のお礼の合図に代わるものとして、5つの案を用意した。
② 心から感謝ポーズ
③ てへ
④ ほっぺハート
⑤ サンキューボード
これらの案を実際に運転席で行い、自分はもちろんお礼を受け取る相手から見てどれが一番ふさわしい合図かを評価したい。
今回は、毎日車を運転していてお礼の合図をすることも受け取ることも多い夫に相手ドライバー役兼撮影係をお願いした。
想定するシチュエーションは、コンビニの駐車場から公道へ左折して出る際、スペースを空けて入れてくれた相手へのお礼である。
それでは早速用意した案を試してみよう。
① 手を合わせてお礼
まずは、絵文字でも普段の会話でも使うこのポーズから。
誰が見ても一目でわかるお礼ポーズ。お礼ポーズというより、ごめんポーズというほうがしっくりくる。
いずれにしても、あきらかに相手よりへりくだれている。その点では従来のサンキューハンドサインで感じていた“なんか偉そうに見える”というモヤモヤは一切感じない。
ただデメリットは、両手を使わないとこのポーズが取れないところ。片手だとサンキューハンドサインとあまり変わらないし、実験では車を停めてやっているので問題ないが、残念だが走行中に実用するのはやめた方がよさそうだ。
気持ちの伝わり度 ★★★★★
安全性 ☆☆☆☆☆
わかりやすさ ★★★★☆
② 心から感謝ポーズ
この企画を考えていた時テレビでフィギュアスケートの大会が放送されており、すべり終えた選手が胸に手を当てて観客に感謝している姿を見てこの案を思いついた。
フィギュアスケーターのように感謝の気持ちは届いているだろうか。
このポーズのおかげで、2案目の時点で早くもあるポイントに気づいた。お礼の気持ちを最大限に伝えるには、顔が重要だ。表情込みでのサインである。もちろん相手から一番見えやすいのは手の動きだが、表情が伴っているとさらに伝わりやすい。
数年前観に行ったとあるライブで、キーボーディストの向谷実さんがいい演奏には顔が大事だと言っていた。無表情での演奏と、表情ありでの演奏では音がまるで違うように聞こえるのだ。お礼の合図もまったく同じである。
このあとの案にも生かせそうなポイントが見つけられてうれしかった。ただこのポーズはうっかり目をつむってしまわないよう、注意する必要がある。
気持ちの伝わり度 ★★★★★
安全性 ★★☆☆☆
フィギュアスケーター度 ★★★★★
③ てへ
次はごめんポーズと同じようなニュアンスで、よりライトに「すみません」を伝えられそうだと考えたこのポーズ。
「すみませんm(_ _)m」ではなく「すみません~(´ω`)ノ」くらいの気持ちで相手にお礼がしたいと思いこのポーズをとったのだが、相手側から見てみると「なんだこいつは」と思われかねないちょっとふざけたポーズだった。
しかも先ほど発見した顔が重要というポイントが、逆に仇となっている。
偉そうではないが、感謝の気持ちは伝わってこない。相手ドライバー役の夫も撮影しながら「あぁ…」と言うに留まった。その一言がすべてだと受け取った。
しかし、やってみないとわからなかったことも事実。最適解を見つけるために必要なステップだったに違いない。
気持ちの伝わり度 ☆☆☆☆☆
安全性 ★☆☆☆☆
ナイストライ度 ★★★★☆

