特集 2025年9月18日

手癖で書く名前は味わいしかない

人生で最も多く書いている文字、それは自分の名前である。

各々が人生で何万回と書いてきた自分の名前。じっくり見ると味わいしかない。

社会人。体育が嫌い。大人になった今でも大抵の物事を「体育よりマシか、否か」で判断している。(ライターWiki

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 手癖の字の旨み

殴り書きしてある他人の名前を見るのが好きだ。
目から鱗の略字や、驚きの書き順、『自分の名前だから』という遠慮のなさから生まれる大胆な筆遣い。たった数文字に、あまりにも魅力が詰まりすぎている。

特に、手癖で早書きする時、その味わいが顕著に現れると思う。
みなさん今一度思い出してみてほしい。例えば、自分が宅配便を受け取るときのサインのこととか。どうだろう。かなり独自性の強い字を書いているはずだ。わたしはそういうのがもっと見たい。

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腕の見せ所

そんなことを考えていたある日、ちょうどDPZライターたちが集う機会があった。本名で活動しているみなさんに協力してもらうことにした。

まずはDPZライターの窪田さんに書いてもらう。

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みなさんには、「宅配便を受け取るときのサインみたいに、手癖で自分の名前を書いてください」とお願いしています。

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この企画のトップバッターにふさわしい見事な走り書き。一連の様子を見ていたギャラリーも思わず破顔。「読めない」「そういう絵みたい」「『江田』ですか?」などの声が飛び交った。

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比較として、きれいに書いてもらった。

比較すると、『窪』の崩し方が特徴的。窪田さんいわく、「『窪』の穴冠は書いてません」とのこと。そんなのありなんだ。さすが窪田歴三十余年。非・窪田からは想像できない、大胆な省略である。

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次は編集部の石川さん。
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『石川大樹』と書いてあります。

「『川』の字の1画目と2画目が短いのは、幼少期に母がこう書いていたのを見てマネしたんです」と石川さん。たしかに苗字の略し方って親の影響が出やすいかも。

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 そして、注目すべきは『樹』の書き方である。勢いがすごい。特に『樹』の『寸』の部分が反転したBになってるのがいい。


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次は文園うどんさん。『文園』はご本名とのこと!


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珍しい苗字だし、『園』の略し方もパワフルだが、不思議とちゃんと『文園』と読める。文園さんが言うには、くにがまえを書くと中身は適当でも大体『園』だと通じるらしい。そうか、部首から全体像を推測させるという手があるのか。

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くにがまえの中のウネウネした部分も、一見無秩序に書いているように見えて、毎回安定してこの形とのこと。

やはり、窪田さんの『窪』や、石川(大樹)さんの『樹』同様、画数の多い字に技が出る。

⏩ 各々の独自性

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