ちょっと聞いてよ 2023年8月8日

多摩川のいかだレースを観に行った

今年で31回目を迎える、狛江古代カップ多摩川いかだレース。観に行ったところ凄まじい熱狂だった。

1992年三重生まれ、会社員。ゆるくまじめに過ごしています。ものすごく暇なときにへんな曲とへんなゲームを作ります。

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> 個人サイト ほりげー

狛江で行われるいかだレース

狛江でいかだレースが行われるらしい。多摩川大好き人間としてこれは観に行かねばなるまい。

事前にWebサイトで調べたが午前10時開始という情報しか載っていない。あまりにも情報が無さすぎる。

午前9時50分に会場を訪れると、狛江名物「五本松」が、横断幕をくくりつけるスタンドとして機能していた。
出番を控えたたくさんのいかだが並ぶ。どれも趣向を凝らしたオリジナルのいかだだ。作るのも運んでくるのも大変だっただろう。
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配られた資料。どうやら事前にいくつかイベントがあったようだ。そういうのを知りたかった(時すでに遅し)

わりと楽しみにしていた開会式を見逃していたことが判明。10時に開会式だと思っていた…。でもお祭りって自分の参加できる範囲で楽しめれば良いので、ここから全力で楽しみたい。

いよいよスタート

配布資料によると、レースに参加の86チームがいっせいにスタートするのではなく、第1レース7チーム、第2レース7チーム、…という風に10分おきに7チームずつスタートするようだ。そして、タイムで総合順位を決める。

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第1レースのいかだたちが次々と川に浮かぶ。

準備の間、各チームの意気込みがアナウンスされる。2号艇の警視庁 調布警察署チームは無事安全にゴールすることが目標だという。さすが警察。

撮影していると、後ろの観客 (おそらくレース参加者だろう) の会話が聞こえてくる。それによると、船を川に浮かべる瞬間がもっとも転覆しやすいらしい。せっかく作ったいかだがスタート前から転覆するのは悲しすぎる。どうかみんな無事にスタートしてほしい。

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準備完了。無事スタートを迎えられそうでよかった。

手前の7号艇には、開会式にも参加したらしい谷本歩実さん(2004年アテネオリンピック・2008年北京オリンピック柔道63kg金メダリスト)とダニエル・カールさん(タレント・美しい多摩川フォーラム副会長)が乗り込む。会場は大いに盛り上がる。

そしてスタート。 

特に前触れもなく、いきなりスタートの合図が鳴った。競馬みたいに枠入り完了とともに急に始まるタイプ。

後ろの観客の会話によれば、インコースは不利らしい。正直どっち側がインコースなのか確信が持てないが、川の蛇行からして奥側だと思う。

1号艇から6号艇(こういうと競艇みたい)がくっついて混戦の中、手前の7号艇だけはグングン進みリードを広げる。

~1分後~

「警察署チーム、いったいどこへ行くのでしょうか」と会場のアナウンス係に煽られる。となりで観戦していたおじいさんは「警察署のいかだは毎年右に傾くんだよな~」とつぶやいていた。ベテランの視点。

なんかいいな~、この感じ。地元に愛されるイベントだ。

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ギャラリーもたくさん。
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応援するのも大変

スタート後の混戦がひと段落したところで、いかだと並走するように地上を移動してゴール地点へ向かう。

同じたくらみの人々が多くいた。猛暑の中てくてく歩く。応援するのも大変だ。

土手や川岸には狛江の消防団が何人も配置され、頻繁に無線で連絡し合い、万が一の事故に備えている。 安心だ。

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環境に配慮した素材でいかだを組んだTAMAGAWA Boys from BLUEは立って漕ぐスタイルだ。

 参加者の家族が地上から声援を送るのが聞こえる。がんばれ~!

各艇ほどよいバラツキでいい勝負…。と思いきや、ゲストの乗る7号艇が見つからない。

このあたりは水深がかなり浅く、「漕ぐ」より「押す」のほうが速いと考えたチームもいたようだった。 

全員いかだから降り、歩いてゴールを目指すチーム「ありがとう慶岸寺幼稚園」。これも作戦の一つか。

ゴール地点で待ち伏せる

それにしても、あんなにスタートの良かった7号艇「美しい多摩川フォーラム号」 が見当たらない。どうしちゃったのだろうと思いながら一足先にゴール地点にたどり着いたところ、

とっくにゴールして引き上げられてた。第1レースの中ではぶっちぎりのタイム、17分51秒。

正直、「大人げないな」と思ってしまった。まだはるか上流で6つのいかだがワイワイ楽しく混戦模様なのだ。

しかし、後にこれこそが多摩川いかだレースなのだと気づかされる。エンジョイ勢もいれば、レースガチ勢もいるのだ。

結果的に「美しい多摩川フォーラム号」は全レース含めた総合順位では18位だった。上には上がいる。全然大人げなくないし、むしろ本気で戦う姿がすばらしい。レースガチ勢同士のタイム争いも見ものだ。

さて、「美しい多摩川フォーラム号」のゴールから10分が経ったところで、続々と第1レースのいかだがゴール地点にやってきた。

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チーム「警視庁 調布警察署」の皆さん、おつかれ~。

ゴール地点で観ていたおじさんが「昔はもっとボロボロのいかだが多くてたくさん沈んでたけど、最近のいかだはみんな立派だな」と話していた。 いかだも進化しているのか。

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狛江消防署いかだチームTAMAGAWA Boys from BLUEはほぼ同時にゴールイン。画像の右端に浮かぶブイがゴールラインを示している。

ゴール地点で待っていた家族が参加者にねぎらいの言葉をかける。無事にゴールできて何よりだ。 

ゴール地点には日よけのテントが並んでおり、レース参加者がすずんだり、バーベキューを楽しんだりしていた。
いいな~。いかだ漕いだあとのバーベキューは格別にちがいない。

楽しそうだ

ゴール地点で待っていると、第2レース以降のいかだも次々とゴールしてくる。みんな楽しそうだ。

ゴールまであと少し。がんばれ~。
ゴールしてうれしそうな人たち。達成感が伝わってくる。
ゴール目前、「やばい!」となっている瞬間
その直後、転覆。すぐに近くのスタッフとコミュニケーションを取り、救助不要の合図を送っていた。結局転覆したままプカプカとゴールも、大幅なタイムロス。
いや~楽しそうだなぁ。おつかれさま~。
グローバルなチーム。万国旗がにぎやかだ。

猛暑の中いかだを漕ぐのは大変だっただろうし、もっと言えば、いかだの準備期間も含めて相当な手間がかかっていることだろう。ゴール地点は各チームの今年のいかだプロジェクトが完遂する瞬間である。みんな達成感に満ち溢れていた。このあと飲むビール、絶対うまいだろうなぁ。

いいイベントを観た、と思った。

出場したい

観るだけでも相当楽しかったが、出場したらもっと楽しいと思う。しかしそんなに簡単な話じゃないこともわかっている。でもいつか出たいな……。

参加資格を見ると、まずは泳げるようになる必要がある。先は長い。
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