この たくあんの秘密、ご存知ですか？
たくあんを食べた後の飲む水は甘いという体験、みなさんは覚えがあるでしょうか。
今回の調査にあたって、まずはその認知度を調べてみたのだが、どうやら半々というところのようだ。
「そうそう！ 知ってる知ってる！」と食いついてくる人がいる反面、「えー、うそだよー」と全く聞いたことがないという人もいる。
ネットで検索すると、多くはなかったもののその手の記述が何件かのサイトで見られた。
今回は当初「たくあんを食べた後に水を飲むと甘くなる」というこの事実を、知らない方に向けてご紹介する予定だった。
それで、「ほーら甘くなった！」という証拠写真を撮るべく久しぶりにたくあん＋水の組み合わせを試してみたら、全く甘く感じられなかったのだ。
ショックすぎて文字も太くなるというものだ。
「ね、甘くなったでしょ！」という得意顔しか用意していなかったため、どんな表情をしていいかわからない。勢いよく上げた手で頭をかく。ぽりぽり。
あの頃感じた甘さは幻だったのか……。いや、確かに甘かったはずなのだ。
なぜ甘く感じないのか考える
間違いなくたくあんを食べた後の水は甘かったはずなのだ。なんとかしてこのことを伝えたい。
なぜ甘く感じなかったのか理由を考えてみた。
甘くない仮説１）
試したたくあんがたくあんとしてイレギュラーな商品だったため甘く感じなかったのではないか
ひとくちにたくあんといっても様々だ。水を甘く感じるタイプのものとそうでないものがあるのかもしれない。
近所のスーパーで売っていたすべての種類のたくあんを買ってきた。全部で9種類。これだけあれば、水が甘くなるたくあんもあるはずだ。
編集部の橋田さんも以前たくあんを食べて水を甘く感じた経験を持つ1人。
橋田さんと私で一つずつ、食べては水を飲むを繰り返して調査した。
たくあん、水、うーん。たくあん、水、うーん。ごはん。ごはん。たくあん、水、うーん。たくあん、ごはん、あ 間違えた、たくあん、水、うーん。
繰り返して繰り返して、9種類を食べた。
が、水は、ただの一度も甘く感じることはなくかったのである。えー！
甘くない仮説１
結果）
試したたくあんがたくあんとしてイレギュラーな商品だったため甘く感じなかったのではないか
→×そうでもなかった
これはどういうことだろう。
子どもの味覚でしかとらえられない？
「もしかしたら私の勘違いだったのではないか」という思いもよぎった。でも、体験しているのは私以外にもいるのだ。
あ！ もしかして、甘く感じるのは子どもだけの味覚なのではないか。
ちょっと前に、子どもしか聞こえないモスキート音というのが話題になった。歳をとるにつれて耳がとらえる音の周波数の範囲というのは狭くなり、特に高周波数の音が聞こえなくなるらしい。
味覚にも同じようなことが起るのではないか。
甘くない仮説２）
水を甘く感じるのは、子どもの繊細な味覚だけなのではないか
ちょうど編集部の安藤さんの3歳のお子さんがたくあんが好きというので、お願いして食べてから水を飲んでみてもらうことにした。3歳の味覚の網にひっかかるだろうか。
「いやー、子どもに試させてみたんですが、やっぱり甘い味はしなかったみたいですねえ」
翌日、安藤さんから残念なお知らせが届いた。どうやら子どもの味覚説も間違いのようだ。
甘くない仮説２
結果）
水を甘く感じるのは、子どもの繊細な味覚だけなのではないか
→×そんなことはない
どうしよう。完全に袋小路である。
