食べてみよう
さて、そんな素三牲を食べてみましょう。あまりお供え物を買い食いしたことがないので新鮮です。
この豚バラ、豚バラの中でもかなりでかい方です。焼肉屋ならハサミで切って食べるやつです。
これ、パイナップルケーキや!
小麦粉の部分はすこしずっしりとしていて、これはまぎれもなく台湾名物パイナップルケーキです。ほどよい甘さで口当たりしっとり。おいしい。
海援隊も、武田鉄矢がいないと他のメンバーだけ見たら誰かわかりません。きっとそれと同じですよね。
つぎはお魚
豚肉を完食したことで、パイナップルケーキ8個くらいを一気に平らげた状態になりました。豚肉を食べたはずなのに。素三牲のパラドックス。
豚肉とは違った味わいかもしれません。もしかしたら、魚の旨みがきいた一品なのかも!?
素三牲では、たい焼きと全く同じ悩みが生じるんやなあと思いました。素三牲のシンパシー。
魚のダシが・・・とかそういうのはなく、純・パイナップルケーキでした。せめて、いちごとかオレンジとか、違う味のジャムなら・・・という望みは雲散霧消しました。
形の違いから「味の変化がある」と思い込むしかありません。視覚からの味変を試みました(失敗しました)。
最後は鶏肉
豚肉と魚を食べた(ことになっている)のに「甘い物じゃなくてしょっぱい物が食べたい」という心持ちに。
スパイシーさのおかげでにわかに「甘いのが食べたい!」と湧き上がる欲求。鶏肉の素三牲に手を伸ばしました。
鳩サブレをもりもり食べてきた身にも、すこしためらいが生まれるリアリティさ。今思うと、鳩サブレって、なんの罪悪感もなく食べられる抽象度の高い形でした・・・
お供えの気持ちを表すための高精度の再現が、「鳥を丸ごとかじっている人」の演出に貢献しています。
ベジタリアンの人はどう食べるのでしょうか?部位ごとに切り分けるんですかね?それはそれで肉を食べてる気持ちにつながりそうですが・・・
お腹いっぱい
食べる前は完璧な空腹だったのですが、素三牲を食べきることはできず、鶏肉の一部は明日の朝ごはんに。きっと腹持ちは抜群なことでしょう。
そういえば、台湾でパイナップルケーキでない素三牲も見ました。
あざやかさにドギマギしてしまいますし、何よりパイナップルケーキ素三牲で満腹状態なのですが、「さすがにゼリーなら豚・鶏・魚で味が違うのかな?」と気になっている自分がいます。私はこれからも素三牲から離れられないでいるのでしょう。
この記事を書く直前の私
前回、私は台湾の黄金の即身仏の記事を書きました。
私は、「即身仏はみんなに大人気のテーマ。猫級、ラーメン級よな~」と思っていた節があり、記事が公開されたあと、想像の100分の1くらいの量の反応しかなく、愕然としました。
即身仏はそんなに大人気というわけではない、なんなら知らない人も多いということが発覚したのです。
私は、この台湾のお供え物の記事を「おなじみの即身仏で耳目をあつめたあと、満を持して公開するぞ~」と計画していたのですが、その前提がすっかり崩壊してしまいました。
どんなテンションでお供え物を紹介すべきなのか路頭に迷いました・・・(ライターの佐伯さんにもアフタートークで相談したりしました。)
それでも、台湾のお供え物の記事が書きたいんや―。その一心で書きました。ほんとうに、最後まで読んでくださりありがとうございました。
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