特集 2023年4月24日

台湾の不動産ポスターは仲介業者の自信がみなぎる

台湾には、選挙ポスターと見間違えるくらい仲介業者の写真がでかい不動産ポスターがいたるところにあります。

物件の紹介なんかより業者の写真と名前が目立っています。「とにかく私に連絡してください!」と言わんばかりです。

自信みなぎるキメポーズがなかなかカッコいいし、よく考えたら宣伝効果もばっちりなんじゃないかという結論になり、私はどうやら台湾の不動産ポスターに惚れこんでしまったようです。

大阪生まれの大学院生。工作や漢字が好きです。ほら貝も吹けます。先日、教授から「あなたは何を目指しているのか分からん」と言われました。

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> 個人サイト 唐沢ジャンボリー

選挙ポスターじゃないの?

私は2月に台湾一周旅行にでかけました。

都市から都市への移動は鉄道を使いましたが、貧乏旅行&一人旅なもんで、台湾の街なかではほとんど徒歩。(台湾の人は自転車感覚でバイクに乗るので、歩道に歩行者がほぼいないなんてことはよくありました。)

台湾の街並みを歩いていると、

さわやかな人の写真がのったこんなテイストのポスターに出くわすことが。(撮影地:嘉義)
おそらくこの写真の方の名前と電話番号が載っている。(撮影:台中)

台湾の巨大な選挙ポスターかな?と思って見過ごしていたのですが、よく見てみると、

特大の「售(売ります)」に、「永慶不動産」の文字が。

どうやら不動産屋の広告のようです。

こちらは「售 本棟(この物件売ります)」とあります。そして「找我就對了(私に連絡して下されば間違いありません)」と物件よりも自我をアピール

台湾では、買い手や借り手を募集している空き物件にこういうポスターが貼られていることが多いことに気が付きました。

これも大きな「售」の字が。「敬請指名(どうか指名してください)侯秀貞」と名前がばっちり載ってる(撮影地:嘉義)

ちなみに、この不動産屋は「有巣氏房屋」という名前です。「有巣氏」とは古代中国の伝説の聖人の名前で、彼はなんと家屋を発明したと言われています。

家を作った最初の人だなんてすごすぎますよね。この人がいなかったら、いまだに洞窟住まいだったかも。

有巣氏に感謝・・・
いったん広告です

仲介業者の写真って重要?

日本の不動産屋のチラシでも、仲介業者の写真や似顔絵がのっていることはよくあります。

三頭身くらいのこういう画風のやつ

でも、売り物件の看板は不動産屋の連絡先と自社キャラクターくらいしかのってない、ごくごくあっさりしたものです。

しかし台湾では

でかい広告看板にでかい写真。この人は腕組みまでしちゃってます。めちゃくちゃ不動産売りそう。(撮影地:桃園)
おなじく腕組み全身像。左右に「售」2つを従えた水戸黄門スタイル。(撮影地:高雄)

もう業者の自信のみなぎり方が段違いなのです。

日本の簡素な不動産ポスターを見慣れた私からすると、

やや疑問です。

でもよく考えたら、空き物件を目立つように宣伝しようとした場合、コンクリート打ちっぱなしの内装の写真を使うのもアレだし、間取り図を見せるのも何か地味ですよね。

それだったらパリっとした仲介業者の写真をのせたほうがアイキャッチになるし、この物件が売り出されているってのもわかりやすいです。

文字だけの空き物件広告もありました。やっぱ仲介業者さんいた方がポスターに華があるかも。

あと、できるなら有能な仲介業者さんに担当してもらいたいってのは万人の願いです。

台湾の人は「でっかくポスターに顔と名前のせてるくらいだから、この仲介業者は実績も責任感もあるのだろう」と思うのでしょうか・・・?

あれこれ妄想が広がってきたので、台湾の友達に聞いたところ、

・本人の写真がのっていた方が信頼感を持ちやすいのかも?

・物件を売却したい人を募集するチラシにもこういう写真がある

・この手の巨大な広告は田舎に多い

との回答が。なんで写真があんなにでかいのかは友達もハッキリした理由がわからないっぽいです。「田舎に多い」ってのは、「まあそうやろうな」という感じですね。

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