特集 2019年11月27日

一日で台湾一周8000円の旅

台湾を一日で一周できるのか

一周したい。

とくに環状の交通機関をみると、人間の三大欲求のひとつ、一周欲がムラムラとしてこないだろうか。

私はします。

鳥取県出身。東京都中央区在住。フリーライター(自称)。境界や境目がとてもきになる。尊敬する人はバッハ。(動画インタビュー)

前の記事:台湾おにぎり「飯團」は日本のおにぎりとまったく違う

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一日で台湾を一周したい

台湾の鉄道は、島内の鉄道路線が環状になっている。
しかし、台湾島といっても、かなりでかい。九州とほぼ同じぐらいの面積がある。そんな島を、いくら鉄道が環状になっているからといって、山手線みたいに、一日乗っているだけで一周できるのか……とおもうが、実は、わりとたやすくできてしまう。

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台湾の鉄道路線は環状になっている(『台湾時刻表2017/5』日本鉄道研究団体連合会)

在来線だけでなく、台湾の高鉄(新幹線)を使えば、台北を早朝にスタートして、台湾島をぐるっと一周し、夕方頃には台北に戻ってくることができてしまう。

時刻表とネットを調べながら、台湾一周のスケジュールをたててみた。

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時計回りに台湾を一周します。(出発駅名と出発時刻と到着駅名と到着時刻、列車の名称、列車番号、運賃)

朝、8時に台北駅を出発、花蓮(ファーリエン)に向かう。花蓮では、1時間ほど時間があるので、途中下車し、郵便局で日本にハガキを送り、名物の花蓮弁当をかう。
台東駅では、乗り換え時間が10分ちょっとしかないので、急いで乗り換え、高雄に向かい、高雄では晩ごはんを駅の外で食べる。その後、地下鉄で新左営に移動し、高鉄で台北に帰還、というぐあいだ。

一周する方向は、時計回りでも、反時計回りでもどちらでも良かったのだけれど、昼間の明るい時間に、海沿いの路線を南下する時計回りで行くことにした。

ここで運賃に注目していただきたい。
莒光(きょこう)号、自強号(2回)、地下鉄、高鉄、かかった運賃全て合わせても2227台湾元(※おとなひとり分)だ。日本円に換算すると7600円ほど。
例えば、九州のJR、小倉から出発して、時計回りで大分、宮崎、鹿児島中央まですべて特急で移動して、鹿児島中央から博多、小倉まで新幹線でぐるっと一周したら、3万近くするのではないか。
それをおもうと、7600円はちょっと信じられないほど安い。

事前に切符をかっておく

台湾の自強号、莒光号といった特急列車は、当日でも切符は買える。しかしながら、一日で台湾一周をしている諸先輩方のブログなどを拝見すると、やはり事前に買っておいたほうがよいらしい。
指定席が満席でも、席に座らずに乗る「無座」という切符も買える。無座でも、空いている席があれば勝手に座っていいらしいが、さすがに立ちっぱなしはつらいので、事前に指定席の切符を買って安心安全を期したい。

前日に台北駅に出向き、自動券売機で切符を購入。券売機は中国語だが、漢字が読めればなんとなくわかるので難しくない。

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日本の切符と似ているな

ひたすら列車に乗る

台湾一周の日の朝は早い。

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朝7時半です

台北駅の列車はすべて地下に停車するので、地上部分にめちゃめちゃ広いコンコースと吹き抜けがある。

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朝早いので人がすくない
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日本とそんなにかわらないホームの雰囲気

地下ホームでぼんやり(朝早いので)列車をまっていると、ほぼ時刻通りに列車がやってきた。

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突然きたのでブレました
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ちょっとレトロな雰囲気の車内

この莒光号、ちょっと車体が古いせいか、昔の国鉄の列車の雰囲気が車内にただよう。あの消毒っぽいにおいがしてきそうな気がする。

ここから花蓮到着まで2時間半ほどである。

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外はあいにくの雨だ
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山にどんどん入っていく

列車は、台北から東に向かって進む。

『千と千尋の神隠し』みたいな町並みがあるということで有名な観光地の九份に、列車で行く際は、ここと同じ場所を走ることになる。
今回は東海岸へでなければいけないので、そのまま山に突っ込むように列車は進み、長いトンネルに入る。

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トンネルが長い
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はい、トンネル抜けた〜
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突然海が開ける。海の向こうに見える島は亀山島

長いトンネルを抜けると、突然海が開ける。が、大変残念なことに、今日はあいにくの雨なので、景色がどんよりしている。

花蓮に近づくと水田がひろがっている。どうかすると、埼玉あたりの水田かと思うぐらいよく似ている。

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見沼田んぼかな

台湾を訪れたのは10月の終わり頃だったけれど、田んぼに水が引いてあるのは二期目の田植えをするのかもしれない。

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花蓮で急いでミッションをこなす

10時50分ごろ、5分遅れほどで花蓮に到着。

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タイル模様がかっこいい花蓮駅

花蓮では、ミッションがふたつある。このふたつを、乗り換え時間の1時間以内に行わなければいけない。

まず最初は、郵便局に行って日本宛のハガキを書く。というミッションだ。駅から歩いてすぐの郵便局をスマホで探して向かう。

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郵便局でハガキと切手を買う
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事前に絵葉書かうの忘れた……

うっかり絵葉書を買っておくのを忘れてしまったので、官製はがきを買って、日本に向けてハガキを書く。

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日本に届いた絵葉書こちら。花蓮から出したものは左の二枚。右のハガキは台北から出したもの。スマホプリンタでプリントアウトした写真を貼り付けています

すでに時刻は11時30分を過ぎていた。列車の発車時刻が12時17分なので、あと30分以内に「花蓮弁当」を買って、駅に向かわなければいけない。12時までには駅に着いておきたいのだ。シンデレラか。

さいわい「花蓮弁当」は駅のまん前に店舗があるので、タクシーで移動すればバッチリだとう。というわけで、タクシーを拾って移動することに。

「駅に行ってくれ」とお願いすると、タクシーのおっちゃんは「オーケー、任せとけ!」と、心強い返事。よかったこれで間に合うと、安堵したのものの、グーグルマップで現在地を確認すると、タクシーは駅からどんどん離れていく。

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駅からどんどん遠ざかるタクシー

あー、でた、こういうやつ。行き先を伝え間違ったか、おっちゃんが勘違いしてるかどっちかだ。早く言わないと、変な場所に連れて行かれるうえに列車に間に合わないぞ。股間がキューッとなるやつだ。

「すんません、花蓮駅と逆走ってますよ」というものの、おっちゃんは「駅コッチだろ?」と、意に介さない。

取材に同行してくれたKさんが、とにかくUターンしてくれと、英語と片言の中国語を交えてお願いすると、向きを変えて駅に向かい始めてくれた。

なんだったんだ。この時間。

あとでよく調べてみたところ、旧花蓮駅が、1980年代まで、今の花蓮駅より海に近いところにあったらしく、現在、鉄道公園として整備されているという。おそらく、おっちゃんは、そこに向かっていたようだ。

時刻はすでに12時01分。

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花蓮弁当、あった
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フライドポークを注文

弁当の調製に時間がかかるらしく、いちばん早いもので3分とあったので、85台湾元のフライドポーク弁当を注文。

弁当を受け取ると、小走りで花蓮駅に向かう。

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タイル模様の駅舎と逆の駅舎です。この差
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自強号です

タクシーで時間をロスするアクシデントがあったものの、なんとか時間にまにあった。

さっそく、お弁当をあけてみる。

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花蓮弁当です

ぼくは、移動しながら物を食べるのが大好きなので、はっきりいって、うまくてもまずくてもどうでもいいのだが、花蓮弁当はしっかりうまい。八角の風味もそんなにキツくないのがいい。

ちなみにタイトルで台湾一周8000円と謳っているのは、運賃プラスこの弁当代でだいたい8000円になるためだ。

さて、ここからは、台東、高雄まで4時間ほど、ほぼ列車の中だ。

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台東から高雄、台北へ

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池上の水田。鳥取の水田にそっくりだ……

池上(チーシャン)は、台湾でも有名なブランド米の産地で、きれいな水田が続く。

水田の風景が、ほんとうに日本そっくりだなーと感心していると、まったく日本っぽくないお墓が見えたり、南国の植物が生えていたりと、パラレルなワールド感がすごい。

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まったく日本じゃないお墓
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南国っぽい植物

15時、台東に到着、すぐに待ち合わせの自強号に乗り換えして高雄に向かう。

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台東では時間がまったくない

台湾の鉄道はとても優秀で、列車が時間に遅れるようなことはなかった。

高雄にもほぼ時刻どおりに到着。

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高雄につきました。

時刻はすでに17時半、もうすでに暗い。

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旧高雄駅舎

高雄(ガオシュン)はもともと、打狗(ターカウ)という地名であった。しかし、狗を打つという文字を嫌った日本人が、日本統治時代に「ターカウ」に音が近い「高雄」に改称。しかし、その高雄が戦後そのまま残って、「高雄(ガオシュン)」となった。以上、豆知識でした。

ところで、高雄では、なにか食べなければいけない……。

駅前を適当に歩いていたら、牛肉麺があったので、ひとまずそれをたべることに。

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台湾の牛肉麵

適当な店の適当な牛肉麺でもちゃんとうまいのがすごい。と、舌鼓を打つうちに新幹線の時刻が刻一刻とせまってきている。

地下鉄で新左営に移動し、高鉄に乗車する。

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新左営から台北まで1時間半ほどであっというまだ

高鉄は、日本の新幹線の技術を導入して作られたものなので、列車の車内の雰囲気は完全に新幹線である。台湾に行くと、逆に日本のおもかげを強く感じてしまうのが面白いところである。

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台北に帰ってきました!

21時30分、台北駅に無事帰還。台湾一周を達成。

高鉄の速さよ。

ここで、グーグルタイムラインのログを振り返ってみたい。

見事な環状。ほれぼれするようなGPSログだ。ここ数年で、いちばんかっこいいGPSログになった。

なお、花蓮のあたりを拡大していただくと、タクシーで変なところまで連れて行かれた様子がGPSの軌跡となって確認することができる。興味があるかたはぜひごらん頂きたい。股間がキューッとなった記憶が、地図にのこる時代だ。


もっと工夫できそうな台湾一周

台湾一周、わりとらくに達成できることがわかった。

スケジュールのたて方しだいで、東海岸での途中下車の時間をもっととったり、反時計回りでチャレンジしたり、在来線のみで移動するなど、いろんなしばりプレイを考えることはできるかもしれない。

今度は海南島の環状新幹線を一周したい。

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