一般人が生み出せる国境
立ち入り禁止の場所を見かけるたび、「入ってみたいな……」と思っていた。

特に何の変哲もない場所でも、立ち入り禁止にされるとちょっとミステリアスな雰囲気をまとう。あそこに入ったら背徳感があるだろうな。見つかったら怒られるので、もちろん入らないけど。
確実に入れるのに、紐と張り紙だけでこれだけ人の侵入を防げるのはすごいことだ。もはや独立した国のようにも思える。立ち入り禁止の紐は、一般人が生み出せる国境ではないか。
でも必要なのは立ち入り禁止の紐だけ。私にも作れるはずだ。自分で作って自分で入れば、誰にも怒られないのではないか。
立ち入り禁止の場所をつくる
まずAmazonで「KEEP OUT」と書かれたテープを買った。

このテープを使って立ち入り禁止にしていこう!!
まずは一切立ち入り禁止ではない公園のブランコにつけてみよう。


乗ったら壊れそうな雰囲気を醸しているが、全く壊れる心配がないので早速乗ってみよう。

思ったより背徳感があってうれしかった。道を踏み外さず不良の気分も味わえる。

立ち入り禁止のすべり台
すべり台にも巻いてみよう !

公園でお祭りをやるときに、よく見る景色である。ここで遊んだら町内会の誰かに絶対怒られるだろう。

めちゃくちゃ上りにくいが、背徳感がすごい! 町内会で有名なワル!!


四角く囲われていると、ちょっと閉じ込められたような気持ちになった。ただのテープなのに閉塞感がすごい。
公園利用者の迷惑にならないよう、公園に誰もいないうちにサッと撮影してすぐ撤収するつもりだったが、油断している隙に子どもが1人公園にやってきて、「何やってるのーー?」と言われた。まずい!見られた!!
しかもこっちに近づいてくる。立ち入り禁止のところに入るのは、子どもにはまだ早い!
「別に、写真撮ってるだけだよ〜!でももう終わったから帰るよ」
と言ってそそくさとテープを片付け退散した。
自分で立ち入り禁止にしても、入っているのを見られたらまずいという気持ちはなくならないということが分かった。