特集 2024年3月15日

立ち入り禁止のところに入りたい

木に結ぶ

場所を移動し、今度は河原の木に結ぶことにした。

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一気に不穏な空気に

自然の一部を立ち入り禁止にすると、不穏さがすごい。

遊具に巻いたときは、それ自体が危険なものになるだけだったが、自然物はその周辺一帯が不穏な空気をまとっている。結構こわい。

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一瞬で心霊スポットの貫禄。早くここから出たい

背徳感というより、圧倒的に怖さが勝った。落ちている枯れ木とかも怖い。

中に入っている私だけが怖いのかと思ったが、「外から見てても異様な雰囲気を醸している」と撮影している友人が言っていた。

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「赤い服なのが急に怖く感じた」と言われる

小学生の頃、テレビの心霊写真投稿のコーナーに応募したくて、暗闇に人を立たせて撮影し、心霊写真を捏造していた。夜に立ち入り禁止のところで撮ったら、なかなかいい写真が撮れるのではないか。

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ベンチに巻く

自然物に巻くのは怖いのでやめよう。やはり立ち入り禁止は人工物に巻くにかぎる。

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ベンチを使用禁止にして、そこで休憩しよう

巻いていると、またもや子どもが近づいてきて、

「イス、壊れてるんですか?」と聞かれた。

「壊れてないよ!テープ巻いてるだけ。ここで遊ぶならどこうか?」

と言ったら、

「いや、そこは遊びに使っていない場所なので大丈夫です。どうぞごゆっくり〜」と言って去っていった。

黄色いテープを巻いただけで幼い子どもも「座ってはいけないもの」として認識している。黄色いテープはパッと見るだけで分かる共通言語なのだ……!!

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子どもたちに許可も取れたので堂々と休憩
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家で活用

入っちゃいけない雰囲気を利用して、家で活用できるのではないか。

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洗濯物を畳まないことを正当化

室内を立ち入り禁止にすると事件性が増す。より入ってはいけない雰囲気に!証拠を確保するまでは洗濯物を畳まなくてもよい。

昼寝を邪魔されない方法も考案した。

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事件性の高そうな昼寝。絶対に起こされないだろう

中に入ると背徳感を味わえると思って始めたことだったが、立ち入り禁止テープに色々な可能性を秘めていることが分かった。

テープ一つで、一瞬にして空間がまとう雰囲気を変えてしまうのはすごい。空間のイメチェンアイテムである。

ルールに縛られた毎日に嫌気がさしたら、気分転換にどこかを立ち入り禁止にしてまた入ろうと思う。


テープで区切る世界

テープで区切っただけで、内と外の温度感が変わるのは面白い。別の世界に足を踏み入れるような、ワクワク感が生まれるのだ。

ただ、この背徳感は、「多くの人がルールを守り、立ち入り禁止のところに入らない」ということが前提である。立ち入り禁止のところに皆自由に立ち入るようになったら、この背徳感は無くなるだろう。皆がルールを守ることで付加価値が生まれているのだ。

危ないので、皆さんは絶対に立ち入り禁止のところには入らないようにしてください。

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天気が良すぎて悪の黒幕のようなかっこいい写真が撮れた
ささやかなおまけ
記事に使わなかった写真

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