特集 2020年7月6日

流行には乗る!「しょっパフェ」すりきりスタイル

担当編集の古賀さんから、こんな話を聞きました。

「最近、『すりきり系』のパフェが流行ってません?」

スイーツ業界には疎く、もちろんぜ~んぜん知らなかったので調べてみると、京都の大人気店「吉祥菓寮」を筆頭に、確かにパフェの表面をすりきったようなスタイルパフェを出している店がたくさん見つかる! 土台に向かって直径が縮まっていくタイプのシンプルな円形のグラスに、層を見せるように食材を重ね、最後にきなこでフタをしてある、という感じ。従来のパフェの特徴ともいえるゴテゴテ感とは対極にあるワビサビの世界が、なるほど上品で魅力的です。

流行りにはとにかく恥ずかしがらずに乗ったほうが人生楽しい!(本家のすりきりパフェをたべたこともないくせに) というわけで、今回は久しぶりのしょっパフェ新作、すりきりシリーズを何品か作ってみました~。

1978年東京生まれ。酒場ライター。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。ライター・スズキナオとのユニット「酒の穴」としても活動中。

前の記事:30秒で考えた「悪魔の無限レシピ」集


編集部より「しょっパフェ」とは
ライターのパリッコさん考案、パフェグラス(普通のグラスでも!)に自由におつまみを重ねパフェのように形成したもののこと。自分の好きな酒にあう好きなつまみを自在にくみ上げることができる人類が到達したおつまみの最終形態。

冷やしたぬきそばのパフェ

まず思いついたのが、グラスにたぬきそばを盛りつけ、最後に揚げ玉でフタをするというパフェ。ところが、実際にあげだまをあらためて見てみると、流行中のすりきりパフェのきなこと比べ、さすがに質感が荒すぎます。これは何かもうひと工夫必要だな……。

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グラスにワカメ、そば
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冷たいつゆを注いで揚げ玉でフタをし

思いついたのが、すりごま! 名前からしてすりきるために生まれてきたようなこの食材を、たっぷりと乗せてナイフの背ですりきってやれば……

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すりきる快感に目覚めた瞬間

なかなかいい感じに完成しましたよ!

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「冷やしたぬきそばのパフェ」

ちょっと色味が少ないのが寂しいですが、これがわびさびの世界だと言い切ってしまえば問題はないでしょう。

ところで、実際にやってみないとわからない気づきって、世の中に本当にたくさんありますね。パフェならば、慎重にスプーンで掘削してやれば特に問題ないんでしょうが、たぬきそばをすりきりパフェにすると、シンプルにめちゃくちゃ食べづらい!

まぁでも、すりごまをたっぷり乗せたたぬきそば、時間が経つほどに全体が渾然一体となり、こってりと食べごたえがあって美味しかったです。

刺し盛りパフェ

思ってしまったんですよね。ワサビでフタをしたら、辛すぎるかもしれないのはともかく、見た目は美しいんじゃないかと。

ただ、僕は悪ふざけがしたいわけじゃない。きちんと美味しいものを、普段とはちょっと気分を変えて食べちゃおうというのがしょっパフェのテーマ。罰ゲームみたいなパフェは作りたくない。そこであれこれ考えてみた結果、いい解決策を思いつきましたよ。

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まずはグラスにツマと刺身を盛ってゆき

ワサビとの間にネギトロの層を作ってやるのはどうでしょう!?

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どうでもいいけどこの写真好き

それでもワサビは笑える量になってますが、ネギトロって脂が多いですからね。ワサビの刺激をかなり和らげてくれることが期待できます。

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今回もすりきる
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「刺し盛りパフェ」

上から醤油をちょろちょろたらしながら食べてみると、もくろみどおりネギトロがいい仕事をし、大丈夫。辛すぎません。

崩れて醤油を吸ったワサビネギトロが、マグロ、サーモン、ブリなどに絡み、ちらし寿司や海鮮丼にも近いような、混ざりあった美味しさが新鮮。これはいいな!

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幕の内弁当パフェ

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スーパーで買ってきた幕内弁当

そもそもがかなりつまみ力高めのお弁当。初めて買ってみたけど、ライフの幕の内弁当、覚えておこう。

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おかずをグラスにポイポイポイと放りこみ

最後に上からギュギュっと押しつけたら、なるべく粉っぽいという点を重視して選んだ「うに昆布」なるふりかけでフタをします。

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すりきり、何度やっても気持ちいもんだ
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「幕の内弁当パフェ」

花の形のかまぼこが効いて、なかなかかわいらしいパフェになりましたね。最初にふりかけご飯をちみちみとつまみにし、それからあれこれおかずが出てくるっていう構造も、酒のつまみとしては新しく、楽しいです。

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作る時に見ていた面にばかり気を取られ、裏がまっ茶色

おでんパフェ

さっき、刺し盛りのパフェにワサビでフタをしましたよね。となるとどうしても、カラシでもやらざるを得ないだろうな、という気になってきます。

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「おでんパフェ」

ユニークな飲料缶型のグラスに、おでんを盛りつけてみました。最上部にフタをするように大根を乗せ、そこにカラシを塗る感覚ですりきってみたのですが、どんどんつゆに溶けていってしまうし、いちばん苦労したすりきり作業だったな。

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10分くらいはすりきってたかも

そしてこのおでんパフェ、いざ味見しようとするとフタの役目の大根が堅牢すぎて、どうにも食べようがありません。そこでいったんてきとうな器にあけようとしたところ(本末転倒)、カラシがパテの役割をし、

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逆さにしても出てこないのには笑った

豆腐と明太子のパフェ

最後は豆腐、明太子、揚げ玉などを使ったパフェ。これらを層にすることによって、いちごケーキ風の見た目に仕上がらないかな~という狙いです。

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フタは明太マヨネーズ

完成したパフェがこちら!

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「豆腐と明太子のパフェ」

どうです? これはなかなかかわいいんじゃないでしょうか? 材料はこんななのに、居酒屋よりもカフェで出てくるほうが違和感ないファンシーな仕上がりですよね!

そしてまた、今回のラインナップのなかでもいちばん、本家すりきりパフェと同じく、スプーンでの掘削食べに向いているというのもポイント。

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で、実際間違いない美味しさ!

おすすめです。


ずいぶん前にデイリーポータルZの企画として思いつき、僕自身、久しぶりに作ってみたしょっパフェだったんですが、やっぱり楽しいな~。

手間はかかるので、毎晩やろうとは思わないものの、外食するのも100%安心とはいえない昨今、家飲み、家ご飯のマンネリ防止に、流行りのすりきりスタイルを取り入れたしょっパフェ。意外と楽しいですよ~。

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