たぶん最も関係ない築地見学者
マグロ解体ショーに「なんとなく」憧れる―と、冒頭で“なんとなく”と書いたのは、実は実際には解体ショーを見たことがないからなのだった。恋に恋する、ってやつですな。
なので当サイトのお魚ハカセ・玉置さんにお願いして、早朝の築地に案内してもらった。玉置さんお知り合いの「寿司清」さんに、マグロ卸しさんへと取り次いでいただいたのだ。ありがたいことです。
もちろん、卸しさんで毎朝毎朝「解体ショー」をいちいちやってるワケはない。日々商品を回していく中で、必然的に起こる「解体」だ。ショー、ではないのだ。しかしとにかくマグロ解体の様子を見たことがないので、まずはこの目で見てみたかったのである。
しかし取材に際して「ぬいぐるみでマグロ解体ショーやりたいんです!」との本意は言えなかった記憶がある。面目ない。
卸しの「大閣」さんにお願いして、お店奥の解体場へと入らせてもらう。お忙しいところ、ありがとうございました。そこにいきなりいたのが上のマグロさんだ。すでに尾を切られて、識別用の札をつけられて、台の上に横たわっている。大きさは、頭から尾のつけねまで、両手をいっぱいに広げたくらいでしょうか。
さて解体人の登場である。慣れた手つきで、水でザザッとマグロを洗ったのち、首元に刃を入れる。
やはり、単純に、大きいものは解体大変なんだなあとわかる。と同時に大き過ぎて、この目の前にある銀色のモノが魚なのかどうか、よくわからなくなってくる。でも食べたら非常においしい、あのマグロなのだ、もっとわからなくなる。理解の範疇を超えている。
卸しさんはこの肉塊を商うわけで、解体はここまで。寿司屋さん店頭やイベントなどで行われる解体ショーはもっと細分化していくのだろうが、ひとまず豪快にこのあたりまでをぬいぐるみ化して、私も早く解体ショーしたい。さっそく準備に取り掛かろう。