泡盛工場見学
交通安全の申し子である宮古島まもる君の渾身に泡盛をみっちり入れるという、背徳的な「宮古島まもる君ボトル」は一体どんなところで作られているのだろうか。
調べると、まもる君の泡盛は、宮古島南部にある多良川という酒造メーカーが作っているという。
泡盛は、焼酎と同じ仲間の酒ではあるものの、原料や製法に違いがあり、原料で言えば、米(タイ米とよばれるインディカ米)と黒麹菌を原料に使うものが泡盛である。
多良川は、1948(昭和23)年から宮古島で泡盛の製造を始め、創立70年をこえる酒造メーカーだ。
泡盛は、蒸留酒なので、ウィスキーやブランデーなどと同じように、寝かせれば寝かせるほど美味しくなり、値段も1万円単位ぐらいでどんどん上がるという。多良川では、購入した1年ものの泡盛を5年間、気温と湿度が一定に保たれた洞窟の酒蔵で保管してくれるというサービスを行っている。
この洞窟の酒蔵は、現地に行けば見学させてくれる。
洞窟の酒蔵は、工場から徒歩数分の森の中に洞窟の入り口があり、その洞窟に泡盛が貯蔵されている。
そんなに大きな洞窟ではないものの、ずらりと並んだ泡盛の瓶はそれなりに豪快なものがある。
洞窟を案内してくださったお姉さんが、突然「お兄さん、アオダイショウ見たことありますか?」と、素っ頓狂なことを言い出した。
「え、アオダイショウって蛇のですか?」
質問の意図が全くわからず、フワフワした返答しかできない。
「そうです、蛇のアオダイショウです」
「蛇は……シマヘビぐらいしかみたことないかな……」
「実はこの蔵には守り神がいるんですよ、ここに……」
お姉さんがライトを当てるさきに、蛇がいると言い出した。
よくわからない。
一緒に見学していたおばさんは、すぐに「あ、いたいた」と見つけだした。
酒蔵に潜む蛇。状況がよく飲み込めず、お姉さんの指し示す方にあらためて目を凝らす。しばらくみていると、たしかに壺のすき間からこちらを見つめる蛇の目がみえた。
あ、うれしい。と感じてしまった。いや、うれしいのかこれ?
このアオダイショウは、この洞窟が気に入っているらしく、なんども外に逃がしても戻ってくるので、今はほったらかしているのだという。
泡盛の酒蔵を見学しに来たはずだが、いま蛇をみている。いったい何なのだろう。明け方に見る夢のような出来事だった。
美濃焼のまもる君
ところで、宮古島まもる君のことをすっかり忘れていた。
もちろん、宮古島まもる君ボトルも売っている。
まもる君ボトルは、社長のアイデアで作ることになり、美濃焼で作ったまもる君のボトルには1年ものの泡盛が入っている。
ひとつずつ絵付けをしているため、表情が微妙に違っている。
さて、味の方はどうなのか。
バイクでやってきたため、現地で飲むわけにいかなかったので、購入したまもる君ボトルを東京の自宅に配送し、飲んでみた。
ストレートで飲んでみると、爽やかなお酒の風味の中に、どくとくの旨みがじわっと出てくる。うまい酒だ。
さとうきび畑を駆け抜ける、風のような……。
さとうきび畑を駆け抜ける爽やかな風が、東京の自宅に吹いた気がした。
どうせ払わなければならない税金。もし支援したい地方があれば、その地方に寄付しちゃうのも、ひとつの考え方だろう。とくにこの、まもる君ボトルは、宮古島に行った気になれる泡盛がもらえると思うと、かなりお得な気がする。
ふるさと納税、お礼品のレポートは明日も続きます。