なぜお礼品が形状記憶合金なのか
もう一つ、前回の記事で気になったお礼品があった。僕の地元である愛知県大府市に寄付することでもらえる「形状記憶合金の干支」だ。
なぜ僕の地元の大府市は寄付のお礼に形状記憶合金を送ろうと思ったのか。僕が住んでいたころにはまったく予想もつかなかった現象である。これは行くしかない。
僕の家は父が認知症になってからというもの、それはもう明日のこともわからないような状況だった。
しかし去年の冬にいい施設が見つかり、嵐のような毎日にも平穏が訪れたように思えた。しかしその後、ご存じパンデミックがさく裂する。父は高齢のため、あと認知症で手を洗ったりうがいしたりを僕らほど熱心にやらないため、面会することもままならなくなったのだ。
あれから1年。久しぶりに帰ってきた大府市はいつにも増して普通だった。そんな地元がなぜ形状記憶合金の干支を送るのか。
そんな健康都市大府市にふるさと納税で寄付をすると、形状記憶合金でできた干支が送られてくるのだ。どうだわけがわからんだろう。あまりにもわからなかったので、商品を作っている会社に連絡を取って話を聞いてきた。
形状記憶合金と健康都市とのつながりとは
吉見製作所は全国でも数少ない形状記憶合金を専門に扱うメーカーである。会社を訪れるとさっそく形状記憶合金の干支を見せてくれた。
ふるさと納税のお礼品はこの中からランダムに2種類が送られてくる。
そもそも形状記憶合金とはなんなのか。吉見製作所の坂さんにお話を聞いた。
形状記憶合金には主に二つの特徴があって、一つ目はある温度に達すると元の形に戻ろうとする性質。もう一つは超弾性なのだとか。
形状記憶合金が形状を記憶する温度は任意に設定できるのだという。
形状記憶合金のもう一つの特徴は弾性がものすごく強いこと。つまり反発力がすごいのだ。その特徴を利用した商品がこちらの医療器具、コルセットである。
つまり大府市は健康に力をいれている、なので健康器具を作っている会社を応援したい。だからふるさと納税で寄付をくれた人に地元の企業を知ってもらうため、形状記憶合金の干支を送っていたのだ。気持ちいいくらいスカッと謎が解けた。
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