特集 2020年10月12日

実際どうなの?「大豆ミートバーガー」

最近、各種ハンバーガーチェーンやコンビニが示し合わせたように導入してません? ソイミート、つまり大豆で作った代替肉を使った商品を。

もちろんそういうものがあるということは知っていましたが、いくらなんでも示し合わせすぎ。となると気になるのが、「実際どうなの? その肉っぽさ」ということ。

それらの商品が比較的手に入りやすいハンバーガーチェーンを中心にめぐり、食べ比べてみました。

1978年東京生まれ。酒場ライター。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。ライター・スズキナオとのユニット「酒の穴」としても活動中。

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「モスバーガー」

まずはモスバーガーへ。メニューを見て、いきなりその健康志向の高さに驚かされましたね。

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「ソイパティシリーズ」の充実っぷり

手ごろな価格でバリエーション豊富。かなり力を入れていることがわかります。

そして大豆ミートとは関係ないんですが、その下の「菜摘シリーズ」もすごい。バンズとレタスを入れ替えてしまったら、それはもうハンバーガーじゃなくて「肉サラダ」なのではないか? それでも「バンズの代わりにレタスを使用しています」と言い張るスタンス、嫌いじゃないです。

それはそうと大豆ミートバーガー、先ほどのメニューとは別に、ひときわ気合の入っていそうな、こんなのもありました。

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「グリーンバーガー」

主要原材料に動物性食材を使わず、バンズまで緑色。これを食べてみることにしましょう。

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こちら!

すいません、テイクアウトにして持ち歩いてしまったので若干形が崩れてしっまてますが、バンズにおさまりきらないレタスの緑々しさがすごいインパクト。

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パティ

厚みもあり、見た目はどう見ても肉。

まずはこのパティだけかじってみると、さすがに肉特有のじゅわっと感や力強い味わいはないんですが、ぷりぷりとした弾力とスパイシーな味付けで、きちんと肉っぽさはあります。

次はバンズやソース、野菜と一緒にがぶっといってみる。主要原材料に動物性食材を使っていないというだけあって、ジャンクな感じがなく、やはりどこか精進料理を食べているような印象になってしまいますね。体によさそう〜っていう。

ただ、今回はグリーンバーガーを選んでみましたが、オーソドックスな「ソイモスバーガー」あたりを選ぶとまた印象が変わるのかも。

いわゆるハンバーガーを食べている感覚とは違うけど、ダイエット中で野菜類しかとらないことに決めているけどどうしてもハンバーガーが食べたいとか、特定の肉類にアレルギーがある方なんかには素晴らしいものだと思います。まぁそれを言ったら、これから出てくるハンバーガー全部がそうだけど。

「ドトール」

お次はカフェチェーンのドトール。実は昨今の大豆ミート推しブーム。そもそもドトールで気がついたんですよね。

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ものすごい推してる
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あのミラノサンドをさしおいて!
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「全粒粉サンド 大豆ミート」
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根菜のキンピラが味の決め手らしい和風バーガー。

厚みのあるパティを、これまたまずは単体で味見してみます。モスのぷりぷり食感とはまた違い、表面はカリッと、なかはふわっとしていて、これ、何かに似ているなぁ……と思ったら、あれだ! ファミリーマートのホットスナックコーナーで売ってる、つくね串。すごくつくねっぽい。

全粒粉が練りこまれたバンズはちょっと硬めで食べごたえがあり、甘辛のてりやきっぽい味と根菜のシャキシャキ感もあいまって、一食の満足感がきちんとあります。

どちらかというと惣菜パンって感じではあるものの、そもそも商品名でもハンバーガーとは言ってないし。うん、美味しかったです。

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「ロッテリア」

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「まめプラス」マークが目印

続いてロッテリア。パティが肉じゃないって以外は普通のハンバーガーとあまり違いがなさそうなのが潔く、逆に好感が持てます。

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「ソイ野菜チーズバーガー」

慣れ親しんだチェーンのハンバーガーって感じの安心する見た目。

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ちょっと失礼してパティを拝見

パティ自体の見た目は、ここまででいちばん「合成肉」って感じがするかな。ところがこれを単体で食べてみると、ぷりんっとちぎれて若干荒さもあるひき肉的食感は、もはや肉そのもの。

もちろんどうしても、肉特有の旨味はないんだけど、バンズや野菜と一緒に大口でほおばると、シャキシャキとしたレタス、ジューシーなトマト、それからチーズやマヨソースのジャンクさもあいまって、これまででいちばんハンバーガーを食べてる感があるかも。

これ、何も知らないで食べたら「あっさりしてて美味しいハンバーガーだね〜」って感じで、大豆ミートと気づかないな、きっと。

「フレッシュネスバーガー」

8月から試験的に一部店舗で大豆ミートバーガーを販売開始したフレッシュネスバーガー。好評につき、この10月からは全国販売が開始されたとのこと。

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ここでも大きく展開されていました

あんま大豆ミート感のないシンプルなネーミングがいいですね。

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「ザ・グッドバーガー」

あ、これはなんていうか、持ち歩き時間がちょっと長かったせいもあるかもしれないですが、メニューの写真とけっこう差があるな。サイズも小ぶりで、480円という値段を考えるとちょっと割高感があるけど、実際どうなんだろう。

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見た目の肉っぽさは完璧

パティ単体の食感はこちらももはや、肉でしかないですね。やっぱり肉特有の旨味がないのは物足りないんですが、これはもうそういうものだからしかたない。

で、全部を一緒に食べると、開発者の方、相当研究されたんだろうな〜。こってりとしたてりやきソースとマヨネーズに、レタスのシャキシャキ感やほんのりの苦味が加わることで、純粋にハンバーガーとしてすごく美味しい。大豆ミートと気づかない度はこれがいちばんかもしれないな。

「自家製大豆ミートバーガー」

ここからはおまけで、スーパーでこんな商品を見つけたので。

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伊藤ハム「まるでお肉! 大豆ミートのハンバーグ デミグラスソース」

値段は300円くらいだったかな。大豆ミート商品、過渡期であるためか全体的にちょっとお高めになってしまうのはしかたないですね。

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袋から出してみる。どう見てもハンバーグ

これをレンチンし、熱々のうちにチーズを乗せてパンに挟んでいきます。

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こんなもんかな

下から、レタスがなかったので白菜、ピクルス、大豆ミートハンバーグ、チーズ、スライスしたミニトマト、マヨネーズ、みじん切りハラペーニョ。

別に健康志向からではなく、大豆ミートがどの程度肉っぽいかを確かめたいから食べ比べてるだけなので、具材に関しては好き放題入れてみました。

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厚みすご!

まずはハンバーグ自体。各ハンバーガーチェーンが試行錯誤しているような粗挽きの本物っぽさを追求するというよりは、昔ながらの柔らかいハンバーグって感じ。デミグラスソースの濃い味と頼もしい厚みで、きちんと満足感があります。

で、ハンバーガーとして食べると、これがもう自分が好きな味つけで作っただけあって、めっちゃくちゃうまい! もはや肉が本物かどうかとかは気にならなず、単に美味しいハンバーガーとして最後までいただけました。

代替品としてもぜんぜんありなんじゃないかな!


今回初めてじっくりと味わってみた大豆ミートバーガーの食べ比べ。各社いろいろと特色があっておもしろかったです。

大きな結論としては、ハンバーグ単体で食べるとどうしても動物性の旨味が足りない。けれども、いろいろ具を足してハンバーガーにしてしまうと、満足感はちゃんと出る。言われなければ肉じゃないと気づかない人、きっと多いと思います。

健康志向ならモスバーガーだし、腹持ち重視ならドトールだし、普段使いなら間違いなくロッテリア。あ、でも、今回は頼まなかったモスの「ソイハンバーガー」が204円と特に安いんだよな。あっちも今度食べてみないと。そして、肉だということを内緒にして人に食べさせ、反応を見たいのは断然フレッシュネス!

といった感じで、ご参考になれば幸いです〜。

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