買って行って知る。先みやげ旅の醍醐味を堪能することができた。
この後立ち寄った近所のラーメン店でなんかよくわからないが店主にTシャツをほめられたのもよい思い出となった。Tシャツ大事だな。
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みやげを買って、そこに行く旅 第1回・岡山県 湯原温泉
達成感に浮かれていろいろなところで写真を撮っていたが、ちょっとひっかかる。あの沼のほとりの建物が、なんか違うのだ。
じろじろと見比べていたら、
「こんにちは、弁財天様お参りしてってくださいよ」と寺務所に勤めている女性の方に話しかけられた。きっとあやしかったのだと思う。
お参りをして中吉だったおみくじを結びつけた後に、バッジを見せながら違和感についてたずねてみた。
「あの魚見堂(小屋)は震災で水没しちゃったんですよ。それで建て直してますから、それ(バッジの)は古い建物ですね」
-- ああ、震災ですか。
2011年に東日本を襲った東日本大震災、宮城、福島などの沿岸地域は津波により甚大な被害を受けた。いわきの海側に来るにあたりそのことは頭の片隅にあったが、この小高い山にある沼が被害を受けているとは思わなかった。
「津波は来なかったけど、液状化で沼の岸ごと崩れ落ちちゃったんですよ。それで護岸工事してるから柵も変わってますね」
このバッジがなければおそらくここに来ていなかったし、来たとしても、魚見堂を建て替えるほどの被害があったことには全く気づかなかっただろう。
--僕は神奈川のリサイクルショップでこれを買ったんですけど、おそらくこのあたりで売られていたんじゃないかと思うんですが。
「私は長いことにいるけど、これは見たことないですね。
でも昔、沼にウナギがたくさんいた頃はバスで観光客もたくさん来てて、途中の坂にお店も出ていたからそういうところで売ってたのかもしれないですね」
--そんなにウナギがたくさんいたんですか。
「いましたよ、鯉なんかよりたくさん見られましたからね、大人の腕ぐらいの大きいのがたくさん」
-- へぇー!
この賢沼(かしこぬま)は古くから大ウナギの生息地として知られ、昭和14年には国の天然記念物の指定を受けている。
しかし、1980年代以降、沼や俎上してくる河川「弁天川」の水質悪化や沼と川をつなぐ水路のコンクリート化などにより大きく個体数を減らしているという。
「小さめのだったら見られるかもしれないですね」
少し申し訳なさそうに、でも希望はあるんじゃないかしらという感じで一言もらった後、しばらく歩き回りながら沼をのぞいたが残念ながらウナギを見ることはできなかった。
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