チョコミント = ミントのチョコがけ
NHKでやっているBBCの番組が好きでよく見ている。その1つに、レイチェルクーという料理家が各地の生産者のもとを訪れて直接素材を手に入れては料理をする番組がある。
先日はチョコレートの料理を作っていた。「チョコミントを作ります」というので、よくある緑色のチョコを作るのかと思っていた。
こんなやつを想像していたのだ。そしたら、作っていたのはこんなのだった。
チョコレートを溶かして、ミントの葉っぱをそこにくぐらせて、冷やすのだ。これを小さい頃からよく食べていたという。
いや、初めて見た。チョコミントだけれども。これ以上ないくらいにチョコミントだけれども。
冷蔵庫で冷やして固まったチョコミントを食べて、レイチェルはおいしいおいしいと言っていた。チョコミントってこういうものだったのか。
真似して、他の葉っぱでもやってみる
「チョコミント」でどれだけ調べても、これと同じものが全然出てこない。どんな味なのか気になってしかたないので、作ってみることにした。
まず、溶かすための「ダークチョコレート」を買ってくる。レイチェルがそう言っていたのだ。
デパートに行き、「クーベルチュールチョコ」のカカオ58%というのを買ってきた。製菓用材料売り場で、お店の人に相談したのだ。
「チョコを溶かして、ミントの葉っぱをくぐらせたいんです」
お店の人は「あー、それなら」という反応だった。もしかしたらよくあるレシピなのかもしれない。お菓子界の広さを感じた。そしてこのチョコをお勧めされたので、100グラム買った。
そして葉っぱも買ってきた。ミントはスペアミントというやつ。
その他、バジルやシソなども試してみることにした。それぞれ単体で食べればおいしいことは分かっている葉っぱたちだ。チョコがけにしてもおいしいんじゃないだろうか。
テンパリングする
そしてチョコレートを溶かす。ただ溶かすだけでなく、温度を上げ下げしてツヤツヤにするのだそうだ。テンパリングというらしい。
チョコを湯煎して、ぜんぶ溶けたらお湯から下ろして冷ます。28℃まで下がったら再び31℃まで温めたら終了とのこと。
「テンパリングは簡単に言うと、チョコの分子を並べ直す作業」
とレイチェルは言う。
分子は並べ直されたのだろうか。分からないが、ツヤツヤにはなった。あとはここに葉っぱたちをくぐらせる。
色ツヤはなんかそれっぽくなった。果たしてそれぞれおいしいだろうか。冷蔵庫に入れてしばらく待つことにする。
食べてみる
2時間ほど経って十分冷えたと思うので、いよいよ食べてみる。
まずは問題のチョコミントだ。感想はこんな。
・ふだん食べてるチョコミントはミントがだいぶ弱められてることが分かる。
ふだんのやつがチョコ8ミント2だとすると、これはチョコ2ミント8という感じだ。
しかしまあ、ミントが鮮烈すぎる。レイチェルはこれを普段から食べてるから慣れてるのかもしれないが、もうちょい弱いほうが好みだ。レイチェル家の日常に想いを馳せる。
その他の葉っぱたち
ミントについては分かった。ほかの葉っぱたちも試してみる。
結論としては、おいしいと思ったのは「タイム」だけだった。
タイムがあることによってチョコが大人な香りになる。オシャレな感じで、これはアリ。
チョコとタイムを一緒に食べることでおいしくなる。その他の葉っぱは、むしろ別々のほうがおいしいと感じた。
それぞれ一言ずつ感想を紹介したい。
試してみて分かったのだが、チョコと葉っぱのバランス、そしてそれぞれの量そのものがむちゃくちゃ大事だ。
ミントの感想で「ミントがきつすぎる」と書いたが、それは番組の真似をして大きい葉っぱをまるごと食べたからで、小さい葉っぱで改めてやってみたら、アリかもと思った。
タイムにしても、少しづつかじったからおいしかったのであって、丸ごと食べたら少しきつかった。簡単な見た目をしていたので忘れていたが、これはやっぱりお菓子なのだ。であれば材料の分量が大事なのは当たり前だった。基本は大事だった。
まとめ
チョコミントってこういうものだったのか、という驚きが動機だったが、なんでもやってみると気づくことがある。
「チョコミント」以外にチョコと葉っぱとの組み合わせを聞かないのには理由があったということだ。葉っぱのなかではダントツにミントが合う。余計なことをせずに、チョコだけ、葉っぱだけのほうがおいしい。
そして、溶けてツヤツヤになったチョコがきれいだ。チョコを溶かすみたいな、見たことはあってもやったことがないことは他にもたくさんある。たまにふだんと違うことをやるのも楽しいものだなと、本題と違うけど思った。