デジタルリマスター 2023年12月29日

寝台列車を「見送る」だけの旅(デジタルリマスター)

多少の経験者としての余裕

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21時45分、東京駅。

ここから出るのは、岡山を経て出雲へとゆく「サンライズ出雲」、そして高松へとゆく「サンライズ瀬戸」である。それらが連結されて、22時ちょうどに出発するのである。これには2回ほど乗ったので、心の余裕を持って見送りできそうだ。

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上野とはかなり違った雰囲気。
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これが“走るシティホテル”サンライズ。
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写真を撮る人は確かにいますが…
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これまた上野とはかなり違う印象。

上野では、自分の他にも「撮りに来ただけの人」「見に来ただけの人」もいて、それがあの賑わいを見せていたのだが。

ここでは上野よりもぐっと控えめな印象。撮る人も乗る人も少ない。こちらとしてはこれ幸い、思いっきりウロウロして眺めまわそう。

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この白熱灯がいい。まさにホテルだ。あの2階席がいいんだよね…
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ああ、入ってしまいたい。

「心の余裕」なんて書いたが、まったく逆で、乗ったときの快適さが思い出され、ええい、乗る人がほんとにうらやましいわ。

まあいい、せめて行き先表示と記念写真を撮ろうと、何度も何度も自分撮り。客が少ないのをいいことに、Vサインや作り笑顔も混ぜてやっていたところ、通りかかった人に「撮りましょうか?」と親切に声をかけられてしまった。ああ。

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こんな感じで失敗し続けていたら…
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親切な旅のお方が助けてくださいました。
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そして撮ってもらいました。バツが悪いとはこのこと。

ここまで4種の寝台列車をお見送りしてきたが、自分の他にも純粋な「列車見送り人」がいるようだった。写真を撮りに、という明確な目的がある人はおいといて、そうではない、浮遊層のような感じ。

いつもの会社帰りにちょっと寄り道してみるかという風の人や、毎日趣味として来てるっぽい人など。そういう人々が、言葉は交わさないが何となく同士のような感じで、控えめに列車鑑賞をしている。普段の寝台列車の周辺って、こういう感じなのかー。

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ベンチで靴を脱ぎ、家でくつろぐかのごとく列車を見ていた男性。単に次の列車待ちかもしれないが。
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そうこうしているうちに、ドアは閉まり…
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ツレテッテー。

ただひたすら、寝台列車を見送ってみた。旅情を昇華するというより、鬱積させてしまったような気もするが、想像力で補えばかなり楽しい遊びなのではないか。

寝台列車自体が、効率化とは違う次元で動いているようなものだから、それを取り巻く空気も何となくのんびりしているというか。周囲でウロウロして車体を眺めたりするのを許してくれる空気がある。

会社帰りに、これら寝台列車の見送りをハシゴしてみるのもいいかもしれない。そのまま乗って行ってしまえるように、キップを買っておくのもいいかもしれない。

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