近いうち乗りたい列車の予習を兼ねて
帰宅する人々の波に逆らうことから始まる旅。ちょっとした優越感。なぜかこのときもその感覚を覚えながら、18時45分、13番ホームに戻ってみると、すでにいくばくかの人だかりができていた。19時03分「北斗星」の入線を待つ人々だ。
ところで、自分は北斗星にも乗ったことがない。でも次こそは!と憧れてやまない列車だ。乗りたくて、あと食堂車に行きたくて、Nゲージまで買ってしまった(食堂車付きのもの)。その模型の車内をぐりぐり覗いたりしていたのだが、それがどうだというんだ。
今日はその憧れの列車を、ただ見送るだけなのだ。おおなんてことだ。
でも列車が入線してきたとき、なぜか「おお、これに乗るのか!」といたく感動して目頭が熱くなってしまった。本番では自分、どうなるかわからんな。
列車のヘッドマークを背にして記念写真を撮る人々。自分も撮ってもらおうと思って、どうしようかちょっと躊躇したが2人組のおじさんに声をかけた。彼らも楽しそうに写真を撮り合っていたし。
「すみません、シャッター押していただけますか?」
長い時間列車は止まっていて、発車前の業務アナウンスが数分、いや数十秒置きくらいに頻繁に流れる。普通列車とは違う扱いなのがいっそう非日常を感じさせる。銀河鉄道999くらい、特別な感じだ。これを逃したらもう何年も列車来ないよ、というような。
そしてついに発車。999に置いていかれる異星人みたいな気持ちになった。