ドライアイスという光
となると、別の手段を考えたい。
あのエジソンだって「失敗したことはない。うまくいかない方法を1万とおり見つけただけ」と言っている。他にもやり方はあるはずだ。
では、次の一手はどうするか。
えーと、あれ、なんだ、分かんないな…
ガス・お湯・電子レンジなど、温めるための手段はいろいろあるが、冷やす手段となると意外と少ない。
早くも手づまりになってしまった。
そんなとき思い出したのが、以前こちらの記事で取材をさせていただいたチョコレート屋さん「2U chocolate」をやっている友人だ。
アイスと同じく温度管理が大事そうな、甘いお菓子の専門家ということで、なにか知ってるかもしれないと思い連絡してみると、
最初から聞けばよかったと思うぐらい、詳しくアドバイスをしてくれた。
それによると、まずアイスを新幹線のものぐらい硬くするには、マイナス30度以下まで冷やす必要があるそうだ。
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それに対して、何を使うとどのぐらいの温度で冷やすことができるのかは上の図の通り。
つまり、シンカンセンスゴイカタイアイスを作るには、業務用冷凍庫かドライアイスを使わないと難しかったのだ。
実際、新幹線の車内販売では直前まで業務用の冷凍庫で保管して、車内ではドライアイスで保冷していたのだろうとのことだった。
業務用冷凍庫のメーカーのサイトを興味本位で見たら、121万円と書いてあったのですぐに閉じた。
ここは、ドライアイスを使って再チャレンジしてみよう。
スゴイカタイアイス復活!
さっそくドライアイスを通販で、1キロの板を3枚という形で注文した。
※ドライアイスは必ず部屋の換気をよくして扱ってください。また、触るときは必ず手袋をしましょう。
そして2枚目のドライアイスをハンマーで細かくくだき、
(※密閉するとドライアイスの煙が膨張して破裂する恐れがあるので、フタをしめる時は必ずすき間をあけましょう)
ドライアイスはすぐにとけてしまうイメージがあったので、とにかく急いで作業をせねばと緊張していた。
なのでこの日は朝8時には準備を整えて午前中指定の配達を待ち、届いてからはとにかくテキパキ、ハンマーを振り写真を撮りとしていたら、軽くジョギングしたぐらいの汗をかいた。
それがようやくひと段落し、待つこと1時間。
この汗よ報われてくれと、高校球児みたいなことを思いながらクーラーボックスのフタを開けると、
スプーンでつつくと、プラスチックをたたいているかのように軽いカチカチッという音。歯が立たなすぎて、思わず笑ってしまう。
プラスチックと金属、どちらのスプーンでもビクともしないところを動画でもぜひ
そしてこの硬さ、すこし待ったところで食べやすくなる気配はまったくない。
シンカンセンスゴイカタイアイスの完全復活だ。
ドライアイスから取り出し、とけるのを待ち食べ終えるまで40分。考えてみれば、1つのアイスをこんなにゆっくり楽しむことってなかなかない。
そんな、新幹線ならではのゆったりした過ごし方も再現することができた。


