ことの発端はこれである。
スパイ映画などでナイフや盗聴器が仕込まれたステッキは見たことがあるが、バイオリンを仕込むのは粋すぎる。
大興奮で調べてみたところ、19世紀のイギリスで一斉を風靡した楽器だという。
当時のステッキはいまでいうスマホやスマートウォッチみたいな存在で、「こんな最先端の機能がついたステッキ買ったぜ!」と友達に自慢したりしていたそうなのだ。
欲しすぎて海外通販からオークションサイトまで調べまくったが、手頃な値段のものがまったくない。
「欲しい...」「高い...」「欲しい...」を繰り返し、ステッキバイオリン開封動画みたいなものまで漁り始めたあたりで「もしかして作ればいいのでは?」ということに気がついた。
よく考えたらステッキもバイオリンもほとんど木だ。作れないこともないはずである。
というわけで、自分で憧れのステッキバイオリンを作ることにした。
そもそもバイオリンが弾けなかった
思い立ったが吉日で、その日のうちにホームセンターにやってきた。
本当は木のステッキがよかったが、ちょうどいいものがなかったのでパイプを組み合わせてステッキを作ることにする。
困ったのが「バイオリンの弦」だ。買えるものなのか、どうやって張るのかがなにもわからない。
そこで気づいたのだが、私はそもそもバイオリンが弾けない。
バイオリンに未練はあるが、弾けないものを作ってもしかたがない
というわけで、路線変更して「ステッキギター」にすることにした。
私はバイオリンにこだわっているのではない。こだわっているのはステッキなのだ。
心機一転、かっこいいステッキギターを作ってみよう!
弦を6本張るにはステッキは細すぎる
ステッキギターを作るため、まずは買ってきた棒に金具を付ける。
ギターには本来弦が6本あり、広い音域といろんな和音が出せるようになっている。
のだが、普通に棒が細すぎて6本も張ることができず、あっさり2本を諦めた。
自分でいうのもなんだがすごくいい。思ってるよりステッキだし、思っているよりギターである。
クリスティーズでは600万円のステッキバイオリンが、自作でなんと5000円!
しかも何回見ても「欲しい」と思わせる出来で最高である。

