つなぎめに見るかつての渋谷
グッとくるつなぎめがいくつかあったが、紐解けばそれは、かつての渋谷の片鱗を見たということではないか。
渋谷駅周辺が整備され通行しやすくなったことに感謝する自分と、かつてのごちゃっとした渋谷を名残惜しく思う自分が共存していることに気が付いた。まるでチグハグなつなぎめだ。
長かった渋谷サクラステージを抜け、JRの線路を横断する。そのつなぎめを見ておこう。
しかし、 このとき私は衝撃を受けてしまう。工事現場を囲う柵の張り紙を見て、ハッとしたのだ。
当たり前だが、渋谷は勝手にニョキニョキと成長しているわけではなく、何十年も前から開発計画があって、用地の買収やテナントの移動などがあって、そのうえで工事が行われて、少しずつ形が変わっている。何千人何万人と開発に関わっていて、とんでもない額のお金が動いている。
私はその渦の中でのんきに渋谷を歩き、つなぎめを愛でながらワイワイ言っている。なんて小さいのだろう。もっと感謝をせねば。渋谷の南側をとっても歩きやすくしてくれてありがとう。もはや誰に感謝をしていいのかわからないけれど。
……ひょっとして東急グループ?いろいろありがとう東急!
いよいよ線路の反対側だ。道玄坂側から宮益坂側へ移動したといえば分かりやすいだろうか。そこにあるのは渋谷ストリームである。2018年竣工。この建物ができたときのことはけっこう覚えている。
いよいよ最後のエリア、渋谷スクランブルスクエアまで来た。
右には行かず左へ向かう。
まるで、こちらに見られることを意識しているかのようなつなぎめだ。洗練されている。
しかし、ここからは全く洗練されていないゾーンへと突入する。つなぎめのボーナスタイムだ。
ここを左に向かう。ラストスパートだ。
駅ビル(東急百貨店東横店)は2020年に閉館したが、その一部が通路として利用されているのではないか。まだ居たんだね……!
あと少し。
右奥にいけばゴール。一筆書き終了なのだが、その前に見てほしい。最後のつなぎめを。
床全体がつなぎめだ。
この床、すごく見覚えがある気がする。まだ東急東横線渋谷駅が地上にあったころ、そこから井の頭線に連絡する通路の床がこれだった気がする。当時のごちゃっとした渋谷が好きだった。この床はその名残りではないか。
……しかし自信がない。本当にそうなのだろうか。調べるとそれだけで記事一本書けそうなので、続きはまた今度。当時の写真など、有力な情報をお持ちの方は教えてください。(有力すぎて一発で解決しちゃったら記事の尺が足りなくなりますが……。)
そんなこんなで、戻ってきた。岡本太郎、明日の神話だ。
グッとくるつなぎめがいくつかあったが、紐解けばそれは、かつての渋谷の片鱗を見たということではないか。
渋谷駅周辺が整備され通行しやすくなったことに感謝する自分と、かつてのごちゃっとした渋谷を名残惜しく思う自分が共存していることに気が付いた。まるでチグハグなつなぎめだ。
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