これが俺たちのマトン丸焼きだ!
マトンを焼き始めて二時間弱、みんなが満腹で眠くなってきた頃、そういえばそろそろいいんじゃないかと羊の発掘作業が始まった。
丸焼きは途中経過を誰も確認できない完全な一発勝負。さて我々のマトンはどうなっているだろうか。
アルミホイルで包まれた10キロ以上の塊を、四人がかりで慎重に掘り起こす。
破れた腹からこぼれ落ちる炭化したバスマティライスに悲鳴が上がる。
黒こげマトンの予感が全体を支配する。果たして可食部分は残っているのだろうか。
新しいバナナの葉を敷いたテーブルで慎重に外装をはがすと、表面はかなり焦げてはいるものの、その内側には参加者全員が食べられる量の肉と米が残っていた。
当たり前だが大きな肉を焼くという行為はすごく難しい。どうしても表面が真っ黒、中が生という状態になりがちである。
それをアウトドアで、手探り状態の一発勝負で、どうにか食べられる状態に仕上げたのだから大成功だ。めでたし、めでたし。

