猫は環境の変化に敏感らしい。いつも通りが好きなのだ。いつも通りって書いてあるいつも通りじゃない空間を作ってごめん。朝作って夕方には片付けた。
セールのポップの特徴をまとめる
セールっぽいデザインで、セールじゃないことが書いてある、という販促ポップを作りたい。
セールのポップを画像検索でたくさん観察した。特徴だなと思ったのはこの辺りである。
- 背景は赤
- 勢いのある書体で大きく「閉店セール」とか「売り尽くし」とか書いてある
- 黄色も入っているといい
- 同じポスターを何枚も並べる
閉店セールのポスターという設定。こういうのが壁にずらっと貼られていた。ちゃんと閉店セールっぽい。
文字には白いフチをつけて、更に影もつけて浮いて見えるようにした。こういうクドさもポイントかもしれない。
閉店セールっぽいな。安くなっていそうだ。早く買わないとなくなってしまいそう。
まだ安そうだ。中央のワゴンに何かが山積みになっていて、人だかりができていそう。店員さんはハッピを着ていてメガホンで叫んでいそう。
まだまだ安そうだ。筆文字のせいか、ラーメン屋さんにも見えてきた。どちらにしても勢いがあっていい。お店の人がエネルギッシュに働いていそう。替え玉が無料そう。
ポスター、完成
ここからもう少し情報を足して、ポスターっぽくしてみた。
数字が書いてあるとお店のポスターっぽさが出る。いつも通りなので0%OFFだ。すごく安そう。
左上、意味なく「超」と言っているのもいい。本当はいつも通りに程度なんてない。いつも通りには「いつも通り」か「いつも通りじゃない」かしかない。でも「超」と付ける。安そうだから。
お店を再現
ポスターの他に販促ポップをいくつか作った。部屋の一角をお店とみなして、安そうになるか試してみよう。
棚を空にしてTシャツを置いた。全然安そうじゃない。
「安そうさ」が爆発した。客も店員も入り乱れて店中を駆け回る足音が聞こえる。要らないものまで買ってしまいそう。
ここが一番の安そうになるポイントだと思った。伝えたい、気づいて欲しいというパッションが何よりも優先されるのが「安そう」の世界なのだ。それさえ守れば「いつも通り」も安そうになる。
これも繰り返しである。しかも小さい方は向きを変えてきているのが恐ろしい。少しでも「安い」と言えるのなら向きなんかどっちでもいいのだ。このパッションだ。
一回でも多く「普段」と言いたい。この姿勢が「安そうさ」に貢献している。
この中では落ち着きのあるデザインだが、ちゃんと馴染んでいる。下に小さく書かれた「やっている」がいい味を出したと思う。
「いつもと同じ」なんて、ビヨンビヨンしながら言うことではない。でもこのグイグイ来る感じこそ「安そうさ」だ
こんなにいつも通りと書いてあるのに「何かやっているな」と思う。そこに言葉は要らない。大事なのは熱量である。
断言しよう。「安そう」は、作れる。