特集 2024年2月29日

最もパンにしやすいブラックレターの文字は「L」

DEATH NOTEでよく見た文字

深海魚のぬいぐるみ、プロレスラーがコントをするCM、サンリオの歌舞伎… いかついものとかわいいものの組み合わせには不思議な魅力がある。

ブラックレターという威厳のある書体があるのだが、これはパンにしたらいいんじゃなかろうか。

1987年東京出身。会社員。ハンバーグやカレーやチキンライスなどが好物なので、舌が子供すぎやしないかと心配になるときがある。だがコーヒーはブラックでも飲める。動画インタビュー

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ブラックレターとは

ブラックレター、こういうやつである。

オールドイングリッシュとかゴシックなどとも呼ばれる書体で、新聞やワインのラベルで使われている。ニューヨーク・タイムズのロゴとか。

この書体で書かれると黒い部分が多くなるのでブラックレターというらしい。

起源が12世紀にまで遡る歴史のある書体で、何も知らなくてもこれを見ると雰囲気がピリッとする。世界の秘密が書いてありそうだ。

個人的にはマンガ『DEATH NOTE』で、ブラックレターの「L」っていう文字をよく見ていた。スリリングな雰囲気を引き立てていたと思う。 

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それの、パン

これのパンを作りたい。書体のシリアスな雰囲気とふかふかのパンが混ざり合って化学反応を起こすはずだからだ。

イースト菌がパン生地を膨らまし、できたパンがブラックレターを膨らますのだ。膨らんだブラックレターには夢や希望を膨らませて欲しい。

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簡単に作れるパンミックスがあった

でもパンって作ったことがない。発酵させたりして時間がかかって大変そうだ。そう思っていたらこれを見つけた。

「発酵いらず!」「30分でおいしく作れる!」

これで作ろう。少なくともパンにはなりそうだ。これをブラックレターにする部分が僕の頑張りどころだ。 

卵と牛乳とサラダ油を混ぜて、
もちもちパンミックスを入れて、
混ぜてこねる

この時点ですごく良い匂いがした。少なくともおいしいパンにはなる。嬉しい。 

ブラックレターの形にして生地を並べる
こういうつもり

この時点で結果を察せてしまうが、当時の自分なりに一生懸命やっていた。生地がすごくもちもちで、細かい形が作りづらいのだ。

ブラックレターのピシッとした雰囲気が出ない。狙い通りではあるのだけど、ブラックレターと分かるレベルの威厳は残って欲しかった。 

この立体感、おもしろい
とにかく焼こう。前に進もう。180度のオーブンで15分
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ダメなものがこんがり焼けた

焼けました

声を出して笑ってしまった。

ダメな生地がこんがりふかふか、おいしそうに焼けている。生地の時より更に良い匂いがした。 

これのつもりだ

こんなにダメなのに自分でこねて焼いたパンは愛おしかった。 

食べよう

ちぎりパンだ。ブラックレターってちぎりパンになるんだな。

そして焼きたてのパンがすごくおいしい。食べたのいつぶりだろう。焼きたてってこんなにおいしいんだ。ホテルの朝食の気分になった。そのまま食べたり、マーガリンを塗って食べたりした。

細い部分はサクサク、太い部分はモチモチで、色んな食感を楽しめる最高のちぎりパンだった。ブラックレターはとても良いちぎりパンになる。

そう、ブラックレターはとても良いちぎりパンになるのだ。やってみて分かった。こういう世界の真理もある。

ブラックレターはとても良いちぎりパンになる

⏩ もういちど焼きます

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