荷物を入れるシーンを見せてもらう
私の住んでいる月島とその周辺の勝どき、佃、そしてお隣の晴海地区では、楽天のロボット配送サービス「楽天無人配送」が展開されており、そこで働いている配送ロボットがかわいいということを記事にした。
自分で配送を頼んで、それのあとをつけて行くというかたちでついて行ったわけだけど、これで「配送ロボットがかわいい」ということは皆様におわかりいただけたものとしたい。
とはいえ、実際どうやってんのか? は謎のままだ。本当の飼い主⋯⋯じゃなくて、運営をしている楽天の「中の人」に話を聞いてみることになった。
が、その前に⋯⋯楽天の方の好意で、前回の見ようとしても見られなかった「商品をロボットに詰め込む作業」を、実際の店舗の前で見せてもらえることになった。
今回協力してくださったのは、晴海にあるベーカリー・カフェ「プロムナード」の吉見さん。
実はここ、店の前が配送ロボットの巣……じゃなくて、待機場所になっており、普段からこんな感じで出動を待っているロボットたちがずらっと並んでいる。
しかも、ここで待機している配送ロボットのうち、一つは「プロムナード」さんの広告を背負っている。
吉見さんは、さすがに愛着が湧いてこの配送ロボットを「うちの子」と呼んでいるらしい。もちろん、こちらの店舗の商品を配送してもらうことも可能で、なかでもクロワッサンが人気があるという。
さっそく、前回見ることができなかった「配送ロボットに商品を詰め込むところ」を見せてもらう。
興奮している私に対して「取り出す時の映像を逆再生すれば、同じようなのが見られたんじゃないの?」というご意見が出るかもしれません。先回りして言っておきますが「そういうことじゃないんです」
とにかく「荷物をしまう、配送ロボくん」という普段見られないものを見た興奮が伝われば幸いです。
なぜ晴海、月島周辺でサービスを?
そんなわけで、配送ロボについて、色々と疑問に思っていることを聞き出すべく「楽天無人配送」を担当する柳瀬さんにお話を伺ってみたい。
西村:勝手に追っかけるだけの記事を書いてしまって……ホントにすみません。
柳瀬さん(以下敬称略):いえいえ(笑)社内で大変話題になってました!
西村:恐縮です……。いろいろお伺いしたいことあるんですが、まずロボットでの配送サービスをしているのは、楽天さんだけなんですか?
柳瀬:実証実験は増えてきていると思いますが、定常的なサービスとして行っているケースは稀だと思います。
楽天は多数の実証実験に加えて、日本で初めて自動配送ロボットによる定常的サービスを1年以上つくば駅周辺で提供した後、今こちら(晴海、月島周辺)でサービスを行っています。
西村:そうなんですね……たまたま月島に住んでて良かった。つくばでのサービスが終わって、次にどこでサービスやるかって話になった時に晴海、月島周辺が選ばれたのはなぜですか?
柳瀬:晴海、月島周辺は、歩道が整備されていて広いところ、あと段差も少なくて、ロボットが比較的走行しやすいというところ……。
西村:あー、なるほど。晴海の方なんかはホント歩道広いですもんね。
柳瀬:あとは、これは東京ならどこでも言えることではあるんですが、しっかり人口密度が高くて、多くの人にサービスを利用していただけそう……というところですね。
西村:基本、お店で商品を受け取ったロボットが歩道を走行して配送するわけですけど、ロボットが通れる道というかルートは決まってるんですよね。
柳瀬:そうですね。月島でも、もんじゃストリートとかは少し道が狭いところが多いので、迂回して受け取りスポットに行くようになりますね。
チェーン店だけじゃない品揃え
西村:注文ページみて思ったんですが、吉野家とかのチェーン店だけじゃなくて、ナナ文具(※月島に昔からある文房具屋さん)とかもあって、スゲー! って思ったんですよ。消しゴムやノートとかも注文できる。
柳瀬:そうですね、フードとか、スーパーとかそういう特定のカテゴリにとらわれず、日用品、雑貨も含めていろんなものをロボットを使って運ぶということをしたいと思っていました。いろんなお店とお話をさせていただいた上で、一緒にやりませんか? というところでご協力いただいています。これからもその方針は変わらないです。
西村:あと本当にびっくりしたのが、配送料の100円ってのが……、いくらロボットが持ってきてくれるとかいってもちょっと破格なんじゃないかと。……大丈夫なんですかね?
柳瀬:まだ、事業も始まったばかりなので、まずは皆様が使いやすいようにこの価格にしました。
西村:オペレーションの手順というか、仕組みが全然わかってないんですが、こないだ僕が注文した時に、料理の受け渡しが見たくて牛丼屋さんの前で張り込みしてたんですよ。
柳瀬:はい(笑)
西村:もちろん、店の前までロボットが取りに来るとは思ってませんでしたが、店の人がどこかに牛丼を持っていったようにも見えなくて。あれは店で受け取ってロボットに持たせる人がいるんですよね?
柳瀬:いますね。ピッカーと呼んでいるんですけど、そういう方が複数名待機しています。
西村:注文が入ったらピッカーの人は店まで品物を取りに行く?
柳瀬:そうですね、基本的に歩いて行って、品物をロボットに渡すというオペレーションになっています。
西村:これ、今は晴海全域と、月島・勝どき・佃の一部だけのサービスですけど、例えば門前仲町とか豊洲の方までサービスは広がらないですか?
柳瀬:今はまったく何も決まってないですね。まずは晴海、月島周辺地区で皆さんにたくさん使っていただけるのが先ですね。
西村:豊洲までエリアが広がってくれるとね、嬉しいんですよ。ビバホーム(※豊洲にあるホームセンター)から、ネジ一個買ってきてとか。
柳瀬:そうですね、今後も我々のサービスで少しでも地域住民の方の生活が良くなるよう、引き続き行政とのコミュニケーションを丁寧に行いながら、エリア拡大も検討していければと思います。
西村:おそらく、配送ロボの性能的には大丈夫そうですけど、それよりも人間社会のルールをクリアするのが大変そうですね……。
石川:楽天さんのロボット配送サービスと聞いて僕がぱっと想像したのは、アメリカでAmazonがドローンで届けてくれるみたいに、楽天市場で買ったものがロボットで届くのかな? と思ったんです。
そうじゃなくてあえて地域の飲食店や商店の品物を届けるというサービスを展開しているのはどんなねらいがあるんですか?
柳瀬:よく聞かれるんですけど、世の中でECの需要は伸びてる一方で、物流の人手不足がかなり問題になっていて、そこをロボット技術で何とかできないかと考えてまして。
会社としても、日本全体の課題に新しい技術を活用した取り組みで挑もうという考えが強くて、そういう流れでこの事業が始まった感じですね。
ラストワンマイル(物流の一番最後、倉庫や店から家までの区間)をロボットでやろうという構想もあるんですが、まずはフードデリバリーやスーパーの品物の配送で、ロボットのインフラづくりをめざしています。
西村:まずはロボットに物を運ばせるという仕組みややり方を確立させたいということですね。

