特集 2026年2月20日

晴海・月島界隈でよく見かける「かわいい配送ロボ」の司令塔、楽天に話を聞いた

法律上の呼び方「遠隔操作型小型車」 

西村:これ、サービスを始めるにあたって、いろいろ苦労されたことがあると思うんですが、どんなところが一番苦労されました?

柳瀬:そうですね、そもそもこのサービス自体が全国的にも新しいサービスということで、なかなか法整備が進んでなかったりして、サービス導入にあたっての国とのやり取りが非常に多く必要で苦労しました。

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事業を始める前は法整備もまだだったので、国との交渉事が多かったという。想像するだけでも大変そうだ

西村:この配送ロボって、法律上どういう位置づけなのかが気になっています。軽車両(?)っぽいけど自走しますし、何になるんだろう?

柳瀬:今運行してるロボットは「遠隔操作型小型車」という位置づけのものになっていて、2023年の4月に施行された改正道路交通法で新しくできたカテゴリのものですね。まさにこういうロボット等を想定して作られた分類です。これは定義があるんですが、例えば大きさが「幅70㌢、長さが120㌢、高さ120㌢以内」とか、スピードも「時速6㌔以下」といった規制があります。あと、角は丸みを持たせて尖ってない形にするとかのルールもありますね。

西村:あの全体的に丸みを帯びたデザインは道路交通法のためなのか。なるほど。

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全体的に丸っこいのは遵法精神の現れ。コンプライアンス!

西村:遠隔操作ということは、どこかでリモートでコントロールをしているんですか?

柳瀬:いや、基本的には自動なんです。景色や障害物だとか、人や自転車の往来だとかを自動で判断して動く仕組みがあって、それで動いています。配送ロボにはカメラが前後左右についていて、さらに頭についている黒い筒みたいなところ。あそこからレーダーが出ていて、障害物を判定しています。

西村:これ、こないだ配送ロボの後つけて行っているときに思ったんですが、たぶんこれ、カメラでモニタリングされててどこかで「あ、こいつ大人なのにロボットに付いてきてるな」みたいに、見てる人がいるんだろうなって思ったんですが……いるんですよね?

柳瀬:そうですね(笑)カメラの映像は遠隔でオペレーターが見ていて、把握はしています。

西村:子供が「わー、ロボットだー」とかいって、ついてきてるのも把握はしている。

柳瀬:してますね。

西村:してるかー、いや、別にいいんですけど(笑)これ、ちゃんと見てないと、例えば酔っ払いみたいなのが揺らしたりとかしてきたら止まらなきゃいけないですもんね。

柳瀬:そういう場合はオペレーターが止めるまでもなく、ちゃんと停止するようになっていますね。配送ロボは基本的に歩道を走行するんですが、歩行者の方が優先という風にルールで決まっているので。

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自分で注文した配送ロボのあとをつけるおれ。遠隔操作してるオペレーターは把握済みです

西村:頭上に伸びて赤く光っているのはこれ、アンテナですか?

柳瀬:これは、旗なんですよ。ロボットが走ってますよというのをアピールするための。高さ制限が120㌢までなのでそれに合わせた高さになってます。

西村:あぁ、背が低いから、人が前を見てても気づくように目印というか、配慮ですね。

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子供に人気の配送ロボ

西村:前、晴海の幼稚園の向かいの歩道橋の下で佇んでるロボットを見かけて、あ、なんかいるなって思って。たまたまかな? と思ってたんですけど、別の日の夜にそこ通りかかったらまた佇んでて。なんだこいつ、サボってんのかなって。

柳瀬:(笑)

西村:いや、サボってないのはわかってんですけど、サボってるようにみえたら、なんか逆に親しみが湧いて、めっちゃかわいいやつだなーって思うようになって……。あれは待機してるんですよね。

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サボる配送ロボくん(サボってない)
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別の日も同じ場所でサボる配送ロボくん(サボってるわけではない)

柳瀬:そうですね、荷物を待っている状態だと思います。

西村:あの、地域の人がみんなで可愛がるような、野良猫みたいな存在って昔はあったじゃないですか。でも、ネコなんかは最近もう本当にいなくなって、まあ、それはしょうがないなと思いますけど、最近この配送ロボが歩道をトコトコ歩いてたり横断歩道渡ってたりするのを見ると「おー、頑張っとるなー」って、そういう目線で見ちゃうんですよね。
ただ、地域の人からそういう見られ方をするなんてのはあまり想定はされてなかったですよね。

柳瀬:そうですね、そこはあまり視野に入ってなかったんですよね。でも、小学校で啓蒙活動なんかはするんですよ。

西村:小学校にこれ連れて行ったりなんかしたらもう、めちゃくちゃ喜ぶんじゃないですか。おじさんの俺でさえこんなだから。

柳瀬:みなさん興味津々で、目を輝かせて話聞いてくれて。話し甲斐ありました。

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学校の授業で配った資料こちらです

西村:どういう話をされたんですか?

柳瀬:サービス内容や、どんなお店の商品を販売しているのかというところと、あとロボット自体についてですね。それこそ、運行してるロボットに近づいて背中の赤い緊急停止ボタンを押しちゃう子がいて……。

西村:あー、あれは押したくなる……押し心地よさそうですもんね。

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これは押したくなる……けど、緊急時以外は押さないでください

柳瀬:そんなこともあったので、ロボットの背中のボタンは、本当に危ない時以外は押さないでね。というのをクイズ形式で紹介しました。

西村:周りで見て手を振ったりとか、ちょっとついていくぐらいならまあ、いいんでしょうけど、背中のボタン押したり立ちふさがったりはしないでねっていう話なんですね。

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個性が出るとよりいっそう好きになってしまいそう 

西村:目の部分がハートになったり、こないだはハロウィン仕様になったりとか、こういうところが動物っぽさというか『攻殻機動隊』のタチコマ(人工知能を備えた蜘蛛型のロボット)みたいな感じなんですけど……なんだろう。町でこういう風に可愛いロボットが走ってるのを見かけた時に、ポケモンといっしょに暮らしてるような、そんな感じの楽しさをちょっと感じたんですよね、住民としては。こういうサービスがここ(月島)にあってくれてありがとうございます。

柳瀬:いえいえ(笑)

西村:なんか、フィギュアととかあったら、ちょっと欲しいですもん。

柳瀬:あ、そうですか?

西村:トミカとかで出るかな。

柳瀬:フィギュアは無いんですが、シールはあるんですよ。前使用していた別の配送ロボのものが多いですけど。

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フィギアは無いけれど、シールはあるそうです! 今の配送ロボになる前に使われていた初代の配送ロボのものもあるそう(このシール、特別にわけていただきました!)

西村:あー、いいですね。セリフがついてる。これ、本物の配送ロボも喋ったらいいですね。例えば子供が近づいてきたら「今、お仕事中だよー」みたいなこと言ったりして。

柳瀬:なるほど(笑)

西村:個性というか、ロボットにキャラクターが出てくると、やっぱり愛着わきますよね。ファミレスの配膳ロボも、あれモニタに目を出して、ちょっと喋るだけであんなに愛着出ちゃうから……。


いろんなロボットが町を歩く未来・2026年

楽天のロボット配送サービス「楽天無人配送」は今のところ晴海地区とその周辺だけ⋯⋯だが、指定の時間に、晴海、月島周辺の商品の受け取り場所まで行けば、別に住民でなくても使うことは問題無いので、月島や晴海の公園で遊んでいる時に、なにか飲み物や食べ物を持ってきてもらう……といったような使い方もできる。

気になる人はぜひ使ってみて欲しい。思いの外かわいいということがわかってもらえると思うので……。

編集部からのみどころを読む

編集部からのみどころ
この記事、前回の記事がウケたから続編なのかな?と思う人も多いと思うんです。ところが、違うんですよ。西村さんがこのロボットを好きすぎて、最初から「取材記事やりましょう」「でもそれまで我慢できないから取材する前に一回書きましょう」みたいな感じで決まったのがこの2本の記事だったんです。
前半、西村さんがロボットに商品を詰め込むところをやたら見たがるな…と思ったかもしれませんが、並々ならぬ愛がそこにあっての欲求であるということを知ってください。(石川)

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