ずっと見ちゃう
最高密度のPASMO・Suica路線図を部屋に飾ることができてめちゃめちゃ満足した。ずっと見ていても飽きない。仕事にならない。
あとリビングの片隅でずっとパズルをしていたら、通りがかった娘に「夢中でやっていたかわいい」と言われた。かわいいは作れる。ジグソーパズルで。
あの「PASMO・Suica路線図」がジグソーパズルになったと聞いた。
なんだそれは。絶対買わないとダメだ。
ある日SNSを見ていたら、JR東日本商事から「PASMO・Suica路線図パズル1000ピース」が発売開始されるという情報が流れてきた。
なんということだ! あのPASMO・Suica路線図が……!?
この胸の高鳴りを伝えるべく改めて説明しよう。「PASMO・Suica路線図」とは、首都圏でPASMOとSuicaが使える鉄道路線をすべて網羅した路線図。PASMO、Suicaの両公式サイトで配布されている。
PASMOとSuicaが使える路線ということは、JRも私鉄も地下鉄も路線図に載る対象になるということだ。つまり、こういうことになる。
ネットで「東京の路線図が複雑すぎる」みたいな話題が出るとき、この路線図がよく引き合いに出されている。
それはそう。なぜならこの路線図、鉄道関連会社の公式路線図としては最も広範囲かつ高密度なものなのである。わざわざ複雑さMAXなものを取り出して「複雑すぎる」と言われているのだ。かわいそう。
※手帳やポスターの路線図まで広げると「ほぼ日の路線図」などもっと広範囲・高密度なものはあります。
そんなことよりこれがジグソーパズルになるなんて、路線図好きとしては買わないといけないだろう。これまでコツコツ貯めてきたJREポイントが火を噴くときがやってきた。発売日の1月23日にJRE MALLで即注文する。
製造元は、ディズニー作品などのジグソーパズルを手がける株式会社テンヨー。老舗メーカーによる本気のジグソーパズルである。
完成サイズは縦51×横73.5cmだという。どこで作ろう。リビングのテーブルを占拠するわけにはいかないし、床に直接置くとピースをなくしそう。そうだ、アレを使おう。
ちょうどいいものがあった。路線図の上で路線図を組み立てよう。ピースに駅が書いてあったら、レジャーシートの該当する駅の辺りに置いておけば、だいたいの当たりがつけられる。
ちなみにこのレジャーシートは2018年の「路線ネットワーク」なので、それ以降にできた高輪ゲートウェイ駅や幕張豊砂駅などはない。そもそも2020年3月にデザインもリニューアルしているしね。
うっかりすると路線図の話をしてしまう。ジグソーパズルをするんだった。
ジグソーパズルの定石として「外枠を先に作る」というのがある。
外枠のピースは一辺が水平なので、ピースの山の中から探しやすい。外枠を作ることで「このピースはこの辺だな」と位置の当たりがつけやすい、という利点もある。
しかし、今回の「PASMO・Suica路線図パズル」は外枠が真っ白。むしろ駅名や路線名から位置関係はつかめるので、中心部から外に広がるように作ったほうがいいだろう。
というわけで、白いピース(枠)と青いピース(海)は見つけ次第よけておき、最後に取り組むことにする。
まずは山手線周辺から。カラフルな路線が密集しているので、ピースの山から見つけやすい。「おっあそこだ」という楽しさもある。
ピースの山をガラガラとかき回していると、駅名クイズみたいになっているものが見つかる。偶然なのだけど、区切り方が絶妙なのだ。
しかし、この絶妙な区切りが時として「ひっかけクイズ」として機能することもある。
たとえばこれ。
これ、左が上越・北陸新幹線の「本庄早稲田駅」で、右が東京さくらトラム(都電荒川線)の「早稲田駅」。よく見ると、右のピースは東京メトロ東西線の「早稲田」も見切れている。
本庄早稲田を「本庄」と「早稲田」のところで区切るなんて偶然にしてはできすぎじゃないのか。あと、これもしばらく気づかなかった。
そんなこんなで、あっという間に3時間が経過。
楽しい。楽しいけど腰が痛い。
ジグソーパズルは中学生のときハマっていた時期があって、1000ピースのマンハッタンの夜景(ほぼ闇)とか、2000ピースの森林(ほぼ葉っぱ)を作ったりしていた。ネットがない時代。ありあまる時間を使って完成させていた。
あれから30年以上経つ。1ピース1ピースとハマっていく楽しさは変わらないのだけど、長時間同じ姿勢でいるのがツラくなった。こんなところに支障が出るとは。
夢中になっているうちに、すっかり日も暮れてしまった。スタートから4時間が経過。気づくとトイレや水分補給、腰のストレッチ以外、ずっとパズルと向き合っていた。
夕飯と風呂を済ませて腰を伸ばす。無理は禁物だ。もう明日にしようかな。でもちょっとだけやろうかな……と手を出したらそのまま2時間くらいやってしまった。いつの間にか23時を回っていてビックリする。パズル怖い。
初日はトータル6時間ほどでフィニッシュ。2日目に突入する。
全体の8割くらいはできたかなという感じ。この辺まで来ると、ラインカラーがカラフルな私鉄はだいたいコンプリートし、残りはほぼJR。
JRは路線がゼブラ模様なので、残されたピースもほぼ白黒である。
私鉄は色で見分けがつくし、走っているエリアもある程度わかる。でもJRは首都圏全域に走っているので、知らない駅名は見本と見比べないと、どの辺にあるのかまったくわからない(「検索はしない」というルールにしていた)
僕は路線図が好きだけど、好きなのはあくまで路線図のデザインで、駅名までは詳しくない。駅名に「甲斐」「上総」とか付いていれば「山梨だな」「千葉か」とわかる程度。どこなんだこの駅たちは。ここからぐっと進みが遅くなった。
開始から7時間。ようやくすべての路線のピースがはまる。
さあ、いよいよ残り1割、よけておいた白や青のピースを埋めるときがきた。武道館から「負けないで」が聞こえる。
絵柄が全く無いピースたち。形に特徴があるピースは見当がつくが、あとはほぼ総当たりである。気力と体力と運を駆使して、30分ほどで残りを埋めた。
約1000ピースを7時間半でフィニッシュ。腰の痛みに耐えながら、よく頑張ったのではないか。
「PASMO・Suica路線図」という名前だけど、この路線図にはICOCAのエリアであるJR東海の御殿場線や身延線、ICカード非対応の小湊鐵道やわたらせ渓谷鐵道などもグレーの点線で描かれている。
いいな。見れば見るほど旅情が高まる。
さて、いつまでもリビングの片隅を占拠するわけにはいかないので、完成品を額装しよう。
最高密度のPASMO・Suica路線図を部屋に飾ることができてめちゃめちゃ満足した。ずっと見ていても飽きない。仕事にならない。
あとリビングの片隅でずっとパズルをしていたら、通りがかった娘に「夢中でやっていたかわいい」と言われた。かわいいは作れる。ジグソーパズルで。
| ▽デイリーポータルZトップへ | ||
| ▲デイリーポータルZトップへ |