デジタルリマスター 2024年4月10日

高いものの値段しらべ(デジタルリマスター)

ぼくは気がついてしまった。目に見えるほとんどすべてのものは、じつは買えるってことに。

何をいまさらそんなことを気がついているんだ、と言われるかもしれないが、先日エレベーターに乗っていてそのことに気がついたときの衝撃はなかなかのものがあったのだ。

共感を得られるかどうかは微妙かもしれないが、まずはそこから紹介したいと思います。

2011年3月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1976年茨城県生まれ。地図好き。好きな川跡は藍染川です。(動画インタビュー)

前の記事:へんな区境をめぐる(デジタルリマスター)

> 個人サイト ツイッター(@mitsuchi)

エレベーターにのっていてふと気がついた

その日ぼくは、新しく発売されたノートパソコンのことが気になっていた。

アップル社製の新しいやつ。軽くてコンパクトでいいのだが、10万円くらいするのだ。いま持ってる重くて大きいやつでもとくに不便はないんだけどなあなどと思いながら、駅の改札からホームに降りるエレベーターに乗っていた。

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JR駒込駅のエレベーター

そのときふいに、今乗ってるこのエレベーターだって同じなんだってことに気がついた。今まで考えもしなかったけど、このエレベーターだって、値段がついてて、お金をだせば買えるんだ。

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これ……、買えるんだ

現にJRは誰かからこれを買った。おそらく相当な高額で。

なのにぼくは切符さえ買えば、この高価な機械を、近くでみたり触ったり、実際に乗ったりすることさえできる。言ってみれば、100円でフェラーリに乗れるようなもんだ。

フェラーリならうれしい。でもエレベーターだって同じなんだってことに、ぼくはまったく気がついていなかった。

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でも値段が分からない

じゃあこのエレベーター、いったいいくらなんだろう。

困ったことに、まったく想像すらできない。ただ、庶民に買えるような値段じゃないだろうなということだけは分かる。洋服や、新しいノートパソコンを買うような気分で、新しいエレベーターを買うことはできない。価格比較サイトにレビューが載ってたりすることもないだろう。

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身の回りのもの、たとえばこういうイスなら、値段の見当はつく
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しかしエレベーターはいくらだか分からない
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値段の分からなさを克服するポイントは2つある

なんで値段の見当がつかないんだろう。そこには2つの理由があるように思った。

1つめは、ふだん買うようなものじゃないからだ。当たり前だ。マクドナルドの新しいハンバーガーならせいぜい数百円だろうと予想がつくけど、新しいエレベーターはいくらだか分からない。買ったことないもんな。

2つめは、その額が日常品とくらべてべらぼうに大きい(と思われる)ことだ。ぼくにとって値段の大きさが実感できるのはせいぜい10万円くらいまで。イチローの年俸が10億円とか言われても、違う世界のことのようで感覚がつかめない。

そこで、この2つをなんとか克服しようとおもった。ふだん買わないものの値段を調べて、しらないものでも相場感が分かるようになりたい。そして、大きな値段のものを調べて、その感覚が分かるようになりたい。

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まずは家のなかから

そこで、目についたものの値段をできる限りしらべるということをやってみようと思った。

そのために、まずは家のなかからとりかかることにしよう。家のなかのものなら、見ただけで値段がなんとなく分かるというところからスタートできるはずだから。

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こんな光景

我が家の玄関側をみた風景だ。殺風景で申し訳ないが、ここに見えるものはいくらくらいのものかというと、だいたいこんな感じだ。

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わが家(値段込み)

まあだいたい見たまんまだ。自転車はたしか4万円くらいで、ノートパソコンは10万円くらい。詳しい値段は忘れちゃったものも多いけど、まあ2倍は違ってないだろう。

今回は、ふだん気にしないようなものについて、あるいはすごく高そうなものについて、だいたいこれぐらいだよね、という感覚が分かるようになりたい。なので値段はだいたいこの辺、というふうに調べていきます。

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プラレール約2,000円

さて、家のなかのものを調べて分かったのは、次の2つのことだと思う。

1.家のなかのものは、せいぜい10万円まで
2.家のなかのものは、見ればだいたい値段がわかる

10万円までなのはぼくの家だからだけど、一般の家庭であってもまあほとんどは100万円くらいまでのものが多いんじゃなかろうか。とにかく、ものを見ればだいたい値段が分かる範囲だと思う。

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つぎに駅前へ

そこで外に出てみよう。JR駒込駅前から、六義園方向をみてみた。

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こんな光景

こうなるとありとあらゆるものが含まれてくる。ぱっと見てだいたい分かるものから、さっぱり分からないものまである。

だいたい値段感が分かるのは、タクシーだろうか。

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タクシー

車には詳しくないが、それでもだいたい100万~200万円くらいだろう。いま調べた国土交通省の資料によると、この手のタクシーはだいたい170万円くらいだそうだ。

しかしその他はもう分からない。

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標識っていくらだ?

まあ100万円はしないだろう、くらいしか分からない。調べてみるとだいたい10万円~20万円くらいのようだ。

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信号は?

100万円以上だろうな、くらいしか分からないが、自動車用の信号機でだいたい500万円だそうだ。ひええ、高い。

そんなふうに調べたものを書き込むと、こうなった。

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駅前の風景(値段込み)
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駅前のまとめ

・建物をのぞくと見えるものはだいたい1000万円くらいまで
・建物をいれると数億円くらいまでになる
・おおざっぱにいうと、大きいものほど高い

次に行く前に

そとに出てしまうと値段がどんどん高くなる。数億円とかになっちゃうともう感覚がおいつかないので、いっかい別の目安を入れてみよう。

たとえば、距離はどうか。1万円を1メートルにたとえてみる。1万円払うとようやく1メートル進んでくれるような暴利なタクシーがあったとしてみよう。個人的には、そんなタクシーぜったい乗りたくない。お金を捨てるようなもんだ。

それでも、1000万円あれば1km、1億円あれば10kmも進んでくれるのだ。1億円ってほんとに膨大なお金なんだなと思う。

さらにインフラ方面へ

さて、外にあるものはだいたい1千万円まで、大きいと億を超えてくるということがわかった。

じゃあもっと大きいものを探してみよう。外にあって大きいもの・・。橋とか?

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隅田川にやってきた

正面に見えている橋は、隅田川にかかる桜橋という橋だ。上空から見るとXの形をしていて、歩行者専用という面白い特徴がある。

この桜橋、いくらくらいなんだろう?

ここまでのことで、1億円よりは上だろうというのはなんとなく分かる。でも、10億円なのか、100億円なのか?となるともう分からない。とにかく高そうだ、としか思えない。

調べてみると、正解は約28億円だそうだ。さっきの暴利タクシーだと、1メートルにつき1万円ずつ払いつつ、280kmも進める。東京からなら仙台や名古屋までもいける距離だ。あ、すでにこの例えも麻痺してきた。

大ボス、東京スカイツリー

さて、桜橋の向こうに見えているもの。それは建設中のスカイツリーだ。

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もやもや

さっきから、ドラゴンボールでいうとピッコロ大魔王→ベジータ→フリーザみたいにだんだん強くなってるので、スカイツリーもそうとう強いだろうと思うかもしれないが、そのとおりだ。建設費用はなんと約400億円。桜橋の10倍以上だ。

さっきの暴利タクシーだと、約4000kmも進める。いや、この例えもよく分からないからもうやめよう。

橋や電波塔のようなインフラ的建築物は基本的にその地域の人が利益を受けるものだけど、乱暴に日本人全員に利益があると考えて、一人当たり費用というのを考えてみる。すると桜橋は日本人一人当たり約30円、スカイツリーは約400円だ。

なんか急に身近に感じてきたかも?スカイツリーに対してぼくが払ってるお金は400円だ。いや、払ってないんだけど。

最後にラスボスをひとつだけ紹介した後、全体を俯瞰して、エレベーターにもどろうと思う。

ラスボス: 六本木ヒルズ

東京スカイツリーの400億円に対して、もう一桁高い最後の壁、それが六本木ヒルズだ。

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でーんでーんでーん、でんででーん、でんででーん
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でーんでーんでーん、でーんででーんでーんででーん(ダースベイダーのテーマ)

巨大な建物をみると自然とスターウォーズ、ダースベイダーのテーマが聴こえてくる。ここの総工費はなんと約2700億円だ。

さっきのタクシーが料金改定したとしよう。なんと1万円で1ミリしか進んでくれません。もう絶望的だ。1万円払いながら1ミリずつ進むところをぜひ想像してみてください。いまいる部屋の壁までいくのすら何百万円もかかるでしょう。

そんな状況でも、東京から横浜まで約27kmを乗っていける。それが2700億円だ。すごすぎてこの例えもよくわかんないな。

首都高が1kmあたり数百億円とか、瀬戸大橋が1兆円超えとかもあるけど、もう限界でぼくが分からないからやめよう。

ここまでのまとめ

しかしなんとなく、おおざっぱな肌感覚は分かった。

・でかいものほど高い
・身の回りのものはせいぜい数十万円
・外にあるものでも数千万円
・見上げるほど大きいものは1億円を超え、稀に1兆までいく

じゃあエレベーターは?

では初心にもどって、駅構内のエレベーターはいくらぐらいなんだろう。いま学んだ感覚によれば、1千万以上1億以下といったところだろうか。

新聞等を検索すると、JR構内のエレベーター設置に関しては一基あたり3700万円~7000万円というひとまず3つの記事がみつかった。なるほどと思うが、いや、高い。思ったより高い。

最初にエレベーターをフェラーリに例えたが、いま見ると新車のフェラーリが3500万円くらいらしいから、こりゃほんとにフェラーリだ。160円でフェラーリは操作できないが、エレベーターは乗って操作もできちゃう!お得!

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これ3000万円だぜ!すごいなあ。

もうちょっというと、通勤電車の車両は1両あたり約1億円なのだそうだ。これに160円で乗れちゃうのはまあ嬉しいんだけど、操作まではできないのがちょっと難点かなあ。


まとめ

エレベーターなんて買おうとおもったこともないけど、ものすごいお金持ちなら買えちゃうんだ、ということに気がついて調べてみた。

その結果、たいていのものはでかいほど高い、ということがわかった。食事のカロリーの計算法で、800円の定食なら800カロリーと推定しちゃう、という方法があるけど、そういう感じだ。

そして、インフラ的なもの、橋とか、道路とか、なんでもいいんだけど、そういうものはとても高額だけど、でももし日本人一人当たりに直すとわりあい小額になるということがわかった。

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