1個138円で買えるプレミアム
見た目も食感も味わいもこれまでのちんすこうの概念をひょいと超えてきた「プレミアムくがにちんすこう」は、バラマキ土産とは呼ばせない風格を携えたその名のとおりプレミアムなちんすこうだった。
もちろん従来の素朴なちんすこうもそれはそれで良いものだが、贈る相手やシチュエーションによってはプレミアムな選択肢があるのも良いものである。
沖縄が琉球だった時代から作られている銘菓、ちんすこう。沖縄に行けばどこでも売っており、持ち運びしやすく、日持ちし、さらに安価とあっていわゆる「バラマキ土産」としても定番だ。それだけに「ああ、またちんすこうね」となりがちなのは否めない。
しかし、琉球在来豚アグーのラードや国産小麦粉など厳選された最高品質の原材料を使って作られたというプレミアムなちんすこうならどうだろう。じっくり味わってみた。
沖縄では犬も歩けばちんすこうにあたりそうなほどよく見かけるちんすこう。
空港や国際通りなどの土産物屋はもちろんのことスーパーやコンビニなどどこでも売られており、バラ売りならば1個あたり20円程度のものから見かける。
ちんすこうは漢字で「金楚糕」と表記し、元々は王族や貴族のお祝い事の際にのみ提供されていたとても貴重で高価なお菓子だったそうだが、現代ではぐぐっと庶民的にな存在になっている。
クッキーのようなサクサクとした食感と素朴な味わいでたまに食べると美味しいのだが、沖縄在住の筆者にとってはそれほど心躍る存在ではないのが正直なところだ。
そんななか、定番のちんすこうとは一線を画す原材料にとことんこだわったプレミアムなちんすこうがあると聞きつけ、味わってみたくなった。
そのプレミアムなちんすこうが買えるのが、こちら那覇市の国際通り近くにある「琉球銘菓くがにやあ」さん。ちんすこうを中心に数種類の焼き菓子や紅型デザインの雑貨などが販売されている。
ちんすこうの原材料といえば、基本的には小麦粉・砂糖・ラード(豚脂)の3点のみ。ごくごくシンプルな原材料で作られるからこそ、その良し悪しが味わいに大きく影響する。
店頭にずらりと並べられた商品の中でひときわ高級感を漂わせるこちらの商品が、その名も「プレミアムくがにちんすこう」。
原材料の品質にとことんこだわって作られたという高級ちんすこうで、ANA海外ビジネスクラスの機内食にも採用されたという逸品だ。
お値段は36個入り4,968円、18個入り2,484円。、9個入り1,242円。計算すると1個あたり138円になる。それでもお土産としては安いほうだが、国際通りなどで見かけるちんすこうが20〜30円だったことを考えるとだいぶ高級なちんすこうといえるだろう。
18個入りを購入。お土産用途だけではなく、このまま夏の元気なご挨拶にだって使えそうな佇まいだ。
ちなみに包装紙に描かれている三つ巴は、琉球王国の王家、尚(しょう)家の家紋である左三つ巴(ヒジャイグムン)。ちんすこうが琉球王朝の宮廷菓子であったことを表している。
原材料を見てみよう。
【いにしえ(プレーン)】【沖縄の塩】【金胡麻】の3つの味が入っており、基本の小麦粉・砂糖・ラードの3点にはちみつや胡麻を加えたとてもシンプルな構成だ。
同封のリーフレットによると、香川県の高級小麦粉「さぬきの夢2000」、琉球在来高級豚アグーのラード、沖縄県産のきび糖、製塩が盛んな沖縄県粟国島(あぐにじま)産の「粟国の塩」、里山の百花蜂蜜、沖縄県うるま市産の山芋など、厳選した最高級の素材を使用。保存料や着色料などの添加物も加えずに作られている。
私たちがよく知る細長くてふちがギザギザしたちんすこうとは形も異なり、こちらの「プレミアムくがにちんすこう」は丸形。これは琉球王朝時代に食べられていたちんすこうの原型が丸形だったことに由来する伝統的な形なのだそうだ。
ついいつものように袋から直接食べようとしてしまったが思いとどまり、やちむん(沖縄の伝統的な焼き物)のお皿に取り出して並べてみた。なんたってプレミアムだからな。手前から【いにしえ(プレーン)】、【金胡麻】、【沖縄の塩】。金胡麻だけ少し色が濃く表面に胡麻の粒が見えている。
まずは【いにしえ(プレーン)】からいただいてみよう。
定番の細長いタイプのちんすこうは中に空洞があるためザクッ!ボロッ!という食感なのに対し(それはそれで良いものだが)、こちらはさくさくかつしっとりきめ細やか。よく知るちんすこうとは異なる見た目と食感のため、事前情報が無ければこれがちんすこうだと気が付かないかもしれない。
そして後口に広がるふんわりと上品な甘さ。黒糖を使ったお菓子といえばわりとがっつり黒糖の風味がするものが多いが、これははちみつも使っているからかとても繊細。きっと配合の妙なのだろう。
ちなみにラードが入っているからといってべつに豚臭かったりはしない。
そして驚いたことにチーチーカーカーしないのだ。沖縄の人は水分の少ないパサパサした食べ物を食べた時によく「チーチーカーカーする」と言うのだが、これは喉に詰まって引っかかる感じがするという意。ちんすこうやサーターアンダギーはチーチーカーカーの代表選手なのだが、このちんすこうは水分がなくても食べられる。これはちょっとすごいことだ。
【沖縄の塩】は、【いにしえ】にほんのりと塩を効かせた甘い×しょっぱいの危険で幸せな無限ループ。
【金胡麻】は袋を開けた瞬間から胡麻の香りがぶわっと広がり、胡麻好きにはたまらない香ばしさ。これ好き。
見た目も食感も味わいもこれまでのちんすこうの概念をひょいと超えてきた「プレミアムくがにちんすこう」は、バラマキ土産とは呼ばせない風格を携えたその名のとおりプレミアムなちんすこうだった。
もちろん従来の素朴なちんすこうもそれはそれで良いものだが、贈る相手やシチュエーションによってはプレミアムな選択肢があるのも良いものである。
リンク先に9個入り~45個入りまであります。
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