濃さが選べて、長持ちする→えらい
筆者は牛乳が好きだ。それなのによく消費期限を守れずにダメにしてしまう。粉ミルクだったら濃さも自由に変えられるし、足も早くない。かなりえらい。怠惰な筆者のニーズを満たすために、日本でも広まってくれないかな。
「台湾では大人も粉ミルクを飲むんです。」台湾人の友人に言われてたまげた。
赤ちゃん用だけでなく、大人向けの粉ミルクが売っているらしい。どういうことだ。
お土産に買ってきたので安藤さんと江ノ島さんに飲んでもらった。
最初「大人も粉ミルクを飲む」と聞いたとき、ぎょっとした。哺乳瓶でミルクを飲む大人たちを思い浮かべたから。そんなわけはない。
液体をそのまま飲めばいいじゃない、と貴族仕草をしてしまいそうになるが、新鮮な牛乳が手に入りにくい事情がある。高温多湿な台湾では乳牛が育たないのだ。たしかに、酪農は北海道が盛んだもんなあ。
乳製品は輸入が主で、その分高価になる。液体よりも粉に加工した方が安く輸入できるというわけだ。
ドリンクスタンドでミルクティーなんかを買うときは「鮮奶茶」とあれば牛乳を使っている、「奶茶」であれば粉ミルク(奶精)を使っていることになるらしい。友人は「鮮奶」かどうか気にするポイントと言っていたが、濃厚だからと「奶茶」を好む人もいるそう。
筆者の粉ミルクの味の記憶といったら、スキムミルク(脱脂粉乳)だ。残念ながら乳児時代まで遡ることはできなかった。
なんかのお菓子を作るときにスキムミルクが必要で、余ったのを水に溶かして飲んでみたところ、そのまずさに驚いたものである。戦後に脱脂粉乳が給食でてきてまずかったというご年配あるあるに自分、ついていけるっす。
人に飲んでもらう前にまずは自分で味を確かめたい。と思っていたら友人が少し分けてくれた。ありがとうね。
舐めてみると、ほんのり甘い。コーヒーに入れるクリープみたいだ。
これをお湯で溶かすらしい。自分で自由に濃さを変えられるのも魅力のひとつと言っていた。適量は250mlとのことだが、旅先で測れるものがないため、勘でいきました。
おいしい。普通に牛乳として出されたら気が付かないと思う。普通に牛乳である。お湯がちょっと少なかったのか、凝縮されている分、牛乳の甘みと脂肪分が強く感じられる。
脂肪のある粉ミルクってこんなコクがあるんだ。よく考えたらそうか。脂肪なんておいしいにきまってますからね。
人間は何かを知ると、誰かにひけらかしたい。安藤さんと江ノ島さんに味わってもらおう。
筆者を含むこの3人でよくチャーハンを食べる活動をしている。この日は崎陽軒でたらふく食べた帰りだった。みんなの胃袋が心配だ。とはいえこのうまさを伝えたい思いが強い。
本当だ。パック寿司の仕切りことバランっぽさがある。
それはそれとして、いったん飲んでみてください。
なんと、意見が違った。筆者は結構牛乳だと思ったのだ。
脂肪分と甘みを強く感じでいるのは同じようだ。「生クリームみたい。泡立てたらそのままホイップクリームになるんじゃない?」とも言っていた。日頃飲んでいる牛乳によっても感じ方が違うというのもありそう。気に入っていただけたようなので、一袋おすそ分けした。
やっぱり牛乳とは別物との意見だった。とはいえ甘くておいしいとのことだったのでなによりである。
筆者は牛乳が好きだ。それなのによく消費期限を守れずにダメにしてしまう。粉ミルクだったら濃さも自由に変えられるし、足も早くない。かなりえらい。怠惰な筆者のニーズを満たすために、日本でも広まってくれないかな。
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