あこがれた高校時代
私の実家は北大阪。毎日の高校通学に阪急電車を使っていました。
ただ、私が乗るのは朝夕の通勤ラッシュ時。
そんな戦いの電車通学、乗客の頭ごしにふと見えるのは、
40人ほどの女生徒がそろいの制服で、ほがらかな笑顔とゴリゴリに美しい姿勢でズラリと並ぶのです。
インターネットで、なんか魅力ある人物や動物の写真に対して「はやくこれになりたい」と言うことがあります。
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人であふれた阪急電車の中、私は本気で「はやくこのポスターになりたい」と思ったのです。
これになる
10年の歳月が過ぎ、やっとこれになる機が熟しました。(特に特別なことは何も起こってないし、何の蓄積もないですが、熟したと言わせてください。)
仲良しの四谷くんに池袋のレンタルスペースでの撮影を手伝ってもらうことに。
あまりにも四谷くんの事態の飲み込みが早すぎて怖かったです。
「こんな安請け合いして大丈夫かいな…知らんうちに危ない仕事に関わってしまわないか心配...」と、引き受けてもらったのに不遜な感想が湧きました。
格言であざやかに乗り切れたところで、撮影、スタートです
ためしに数枚撮ってみます。
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すごくうさんくさい写真が撮れました。
組織に忠実な下っ端みたいです。日本テレビが好きそうな女性芸人の香りもただよいます。
宝塚音楽学校の生徒たちのような美しさもなけりゃ、フレッシュさもありません。
でもこれでいいのです。
ここ、重要なのですが、私は「タカラジェンヌになりたい」のではありません。またこれも微妙な違いなのですが、「宝塚音楽学校の生徒になりたい」のでもありません。
「宝塚音楽学校生徒募集のポスターになりたい」のです。
グレー子供服の下っ端顔でも、40人くらい集まればあのポスターみたいに見える、そう信じて撮影を続行することに。

