特集 2021年4月5日

ポップコーンは揚げ物の代わりになれるか?

ポップコーンのタネを買い、家で作っていた時に思いました。想像以上にたっぷりと油を使って作るポップコーン、これってもはや、揚げ物じゃね? と。

そこで、揚げ物を使った料理の素材をポップコーンに入れ替え、実際のところ代わりになるのかどうかを検証します。

1978年東京生まれ。酒場ライター、他。酒カルチャー雑誌「酒場人」監修をはじめ、いろいろとやらせてもらってます。(インタビュー動画)

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ポップコーン、家で作るとうまいし安い

デイリーポータルZのライターでもあり飲み友達のスズキナオさんは、「映画館にはむしろポップコーンを食べに行っている」というほどにポップコーンが好きなんだそうです。そんな好きが高じて専用の機械、ポップコーンメーカーを買い、ポップコーンのタネも買って、いつでも思いたったときにできたてのポップコーンを楽しんでいるんだとか。

そこまで言われると気になるなぁとは思いつつ、ポップコーンにはあまり縁のない人生を送ってきてしまった僕。ところが先日、とある大きめのスーパーで、こんな商品を見つけました。

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ポップコーンのタネ1kg

へーこういうのって普通に売ってるんだ、と思いながら手にとってみる。するとなんだ、別に専用のポップコーンメーカーがなくても、鍋やフライパンで作れると書いてあるじゃないですか。

もちろん買って帰り、すぐに家で作ってみると、ほんのひとにぎりのタネから、市販品の数倍はあろうかと思えるポップコーンが簡単にできてしまった!

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全体が浸るほどの油を注ぎ、バターも加えて火にかけると
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あっという間に鍋からあふれんばかりのポップコーンが

これは楽しい! しかも美味しい!

すっかりハマってしばらく頻繁にポップコーンを作っていたある日、ふと思いました。先ほどの写真を見てもらってもわかる通り、たっぷりの油をじゅわじゅわと熱して作るポップコーン。自作してみて気づいたけど、これってジャンルで言うと「揚げ物」なんじゃないの? と。

となると試してみたくなるのが、「ポップコーンは揚げ物の代わりになりうるか?」という実験。

“買いすぎてしまったポップコーンの消費”については斎藤充博さんが当サイトで10年前に書かれていたので(さすが何でもやってるデイリーポータルZ)、今回はポップコーンを揚げ物として料理してみる検証をしてみたいと思います。

カツカレー風

まずは先ほどのバターをラードに変え、より“肉屋の揚げ物”感のあるポップコーンを作っていきます。

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ラードをにゅーっと

そんなできたてポップコーンをたっぷりとカレーに盛りつければ完成。

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ポップコーンはカツカレーのカツの代わりになるか?
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さっそくいただきます!

なるほど、まずはもちろん、とんかつやメンチカツの代わりにはなりません。が、香ばしさとカリカリの食感が加わり、ないよりあったほうが美味しいことは間違いない。たぶん今後も、レトルトカレーなんかを食べようとしたとき、家にポップコーンがあればまたやるでしょう。

というかその後、追いポップコーンをしてみて気がつきました。

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ポップコーンにカレーをかけただけの部分がうまい

これ、ごはんは抜きで、「ポップコーンのカレーがけ」として、かなりいい酒のつまみになりますよ!

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カツ丼風

続いては斎藤さんもやられていたカツ丼風。

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めんつゆで玉ネギを煮て
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ポップコーンを加え
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卵でとじれば完成

食べてみると、先ほどとは打って変わってポップコーンの存在感が薄い。あの独特の白いほわほわの部分が煮ている段階で溶けてしまったのか、「あんなに入れたポップコーンどこいった!?」っていう印象に。ただし黒っぽい殻の部分だけはしっかり残っていて、それが料理として完全に余計。結果、「ちょっと食べにくい玉子丼」という、少し残念な一品になってしまいました。

ソースカツ丼風

ではシンプルに、ソースカツ丼風ならどうだろう? 揚げたてのポップコーンにウスターソースをまぶし、ごはんにのせれば一瞬で完成。

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あんまり見たことのない料理が

ところが、これが思いのほかうまい! 全体に甘酸っぱいソースをまとった熱々ポップコーンが、しかしサクサク感も失っておらず、勢いよくガツガツとかっこんでいると、肉などの実態がないとは思えないほどの満足感。

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ごはんとの相性ばっちり!

突然何もかもが面倒になってしまい、でもお腹はすいた。家にあるのは白メシとポップコーンくらい。もしそんな状況が人生に発生したら、迷わず丼にして食しましょう。

たぬきそば風

カツに続いては天ぷら風。

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こんどはごま油で作っていきます

とたんにキッチンにたちこめる香ばしい香り。できたごま油ポップコーンに塩をかけて食べてみると、ものすっごく美味しい! 油を変えるだけで風味が変わるのもポップコーンのおもしろさだと気がつきました。

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それをそばにオン

ごま油の香ばしさとコク、そしてサクサクの食感。最初はちょっとテンションが上がるほど美味しいです。ところが、ポップコーンがつゆに浸ってしなしなとしだすと事態は一変。先ほどのカツ丼風と同じく、ポップコーンの実体がどんどん消えていきます。

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たぬきそばになろうとする努力だけは認めるけど……

食べれば食べるほど「お前、たぬきじゃないな?」と化けの皮がはがれていく感じ。揚げ玉ならばつゆを吸ってもろもろになった味わいもまたたまらないんですが、ポップコーンはもろもろというかべちょべちょになってしまい、しかも殻だけがどんどん主張を始めます。

斎藤さんも書かれていたとおり、揚げ玉の代用品として考えると、50%くらいのパフォーマンス。今まで何気なく食べており、「天かす」なんて呼んでいた揚げ玉のありがたみがよくわかりました。「かす」なんてとんでもない、これから「天宝」と呼ぶことにしよう。

天丼風

さて、ここまで実験してきてなんとなくパターンが読めてきました。ポップコーン、汁でびたびたにしてしまうと著しくパフォーマンスが落ちる。しかしながら、適度にしめらせつつ、独特の食感も残るようにアレンジすると、なかなか美味しい。

となれば、揚げたてにさっとたれをからめた天丼風。これこそ間違いないのでは!?

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期待しつつ食べてみると……

予想通りこれが最高!

香ばしいごま油の香りとサクサク食感、栗原はるみさんのレシピを参考に作った天丼のたれの濃厚なうまさと七味の風味。食べている途中、「あれ、おれ今何食ってんだっけ?」という疑問がたまに湧かないではないですが、味わいは完全に老舗そば屋の天丼のそれ!

年中お腹を空かせ、「たまには天丼でも食いて〜な〜」が口ぐせの貧乏学生のみなさん(いまどきいるかは別として)、これは朗報ですよ!

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寄りで見るとより天丼

というわけで今回の結論。ポップコーンは時として揚げ物の代わりになりうる。ただし、つゆなどでしっとりさせてしまうと良さが消える。といったところでしょうか。

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その後、スーパーでこんなものを見つけ、しかも美味しいもんだから混乱しました
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