はじめての“お取り寄せ”がこれだ
ボール・ジョイントについて説明する前に、肝心のカニを調達しよう。大きいほうが工作しやすいけど大きくなるとお値段がね…でもせっかくなら美味しいほうが…と、片手を頬にあて晩御飯のおかずを思案するかのごとくネットショップで探す。
三者(大きさ、工作しやすさ、美味しさ)せめぎあった末、お求めやすい価格のズワイガニ(ボイル済のを冷凍したやつ)がうちに来ることとなった。
ネット上で選んだので実物を見ていない。それゆえ、心配だったのは「足などの欠損状況」。そのため2杯入りのものを選んだのだが、それで正解だった。多少の欠損あり。それを補い合うように、殻を採取していこう、いや、食べましょう。
部屋も道具もカニ色に染まって
と、ここまで書いてきて恐縮だが、自分、そんなにカニには強くない。どちらかといえばエビのほうが好きだ、ってことは置いといて、解体には慣れてないので、いちいちおっかなびっくりである。うわー、うわー、ミソってこうなってるのかーーーうわー。
家にあった細かい作業用の工具を洗って、何本も使い分け、肉をあらかた取り出した。全ての道具が、カニくさい。
夕食後から作業を始め、夜中にほじり終わる。でもこういう作業は嫌いではない、いや、好きなほうなので、いや、大好きなので、苦にはならなかった。思う存分、外骨格を堪能できた。
足の位置を間違えないように並べて、そーっとテーブルに運ぶ。いよいよ未知の領域、「関節ボールジョイント埋め込み手術」である。