デジタルリマスター 2023年12月5日

揺れ具合を測定して寝台「北陸」にサヨナラ(デジタルリマスター)

東京と金沢を結ぶ寝台特急「北陸」が、夜行急行「能登」とともに3月末、廃止となる。

寝台列車での旅に魅了されつつあったその矢先に、数少ない寝台列車のうちの一つがなくなってしまうとは。「北陸」、1回しか乗ってない。

最後に一度乗っておきたいと思った。「北陸」での旅を胸に焼きつけ、よい思い出にするのだ…と、危うくいい話になりそうなところ、ハタと思い出した。

確かアレ、揺れがひどかった気がする。寝台なのに、眠れなったんだ。

ならば最後の「北陸」、感動的に終わらせるものか。揺れを測定してからサヨナラだ。

2010年3月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。

1970年群馬県生まれ。工作をしがちなため、各種素材や工具や作品で家が手狭になってきた。一生手狭なんだろう。出したものを片付けないからでもある。性格も雑だ。もう一生こうなんだろう。(動画インタビュー)

前の記事:栓抜きのある列車を探す小さな旅(デジタルリマスター)

> 個人サイト 妄想工作所

頭でカウントするシステムを構築

前回乗ったときの話だ。室内で晩酌を一通り楽しんだあと、さて寝ようかと横になった。

ゴツ、ゴツ、ゴゴゴツ、ゴツ…

列車が横に揺れる。と、線路に対して直角に配置された個室のベッドは、当然頭と足方向にピストン運動を繰り返し、私はほぼ一晩中、頭を壁に軽く打ちつけながら、遠く金沢へと運ばれていったのだった。無論よく眠れず、私は白目をむいたまま金沢観光をした。

いったいあの揺れはなんだ。他の寝台列車(といっても他には2種しか知らないが)も、そんなものかもしれないが、「線路に平行なベッド」でしか寝たことがないので、横揺れ寝台の厳しさは、このときに初めて味わったものなのだ。

今回、その揺れの回数を測定しようと思うのである。まず必要なのは、数取り器であろう。

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今や数取り器は100円ショップに、しかも2種類売っている。
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数取りボタンの感触がやわらかいほうを買った。ボタンが小さい・・・。

「頭を壁に打ち続けた」。そのことが強烈に記憶に残ったので、今回の測定も頭を基準に計って見たいと思う。正確な数値をお求めの方は、地震計などお買い求めください。

初めは、頭にタッチセンサーつけてパソコンにつないでモニタリング…なんて構想して自分に酔っていたのだが、とうとう測定システムの構築が間に合わなかった。よくわかんなくて何となくウダウダしてたら出発日前日になってしまった。こうなったらこの数取り器を「寝台揺れ測定」専用に改造する。頭の、しかるべき部分に取り付けられるように、帽子にくっつけるのだ。

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まず頭のどこにつけるかテスト。夜間でも脱げにくいよう、深めの帽子にとりつける。
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ドリルで取り付け用の穴をあける。カウンターの中枢を傷つけないようにしたい。
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穴に糸を通して、帽子につける。
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動かないよう、いちおう裏地を強化。要るんだか要らないんだかわからない試み。
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本当はスーパーボールつけてもよかったかも

さて最初の数取り器の写真を見てほしい。押すところのツマミ(ボタン?)がかなり小さい。指でカチカチやる分にはいいんだが、車体が揺れるたびにここが必ず壁に触れるようにするにはどうしたらいいだろう。接点を大きくし、しかも多少の弾力があるといいのではないだろうか。接点が壁にあたっても、近隣のお客様の睡眠を妨げるような音を立ててはならないし。

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最初、グルーガンで円盤を作ってボタンを埋め込んだが、取れた。接着面が小さ過ぎる…。
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結局、針金でプラ版に固定し、「家具の扉が壁にあたらないように貼るアレ」を貼った。

とりあえずこれで音も気にならず、寝る時に場所を調整さえすればちゃんとカウントすることを確かめた。さあ明日の夜のために寝るか。汽車は23時過ぎに上野を発車します。

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いつもこういうショットを撮ってはみるが、行き先表示が明るくて白飛びし、どこ行きかわからなくなる、の図。

⏩ 次ページに続きます

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