ほぼ初プラモ、じゃなかったカラモ
ここでついに「ボール・ジョイント」の出番だが、男の子はよく知っていることだろう。プラモを改造するときなどに使う、関節を動かせるようにするための部品である。
最近その存在を模型屋で知ってから、何かに使えないかと頭の片隅に置いておいたのだが、テレビの通販でやたらカニを勧められるにつけ、「そうかカニだ!」と思い至ったのだ。カニに埋め込んで、「生きガニ様」にしよう。
カニの足にグルーを注入して、ボール・ジョイントを先っちょに埋めて乾かせば簡単に取り付けられる。が、カニの足はチューブ状なので、まだ熱いグルーが下のほうに流れていってしまう。グルー節約のため、ティッシュを詰めておくのだ。と、誰からも頼まれてない説明をするのもオツなもんですな。
作業に熱中するうち部品に顔を近づけては、カニ臭にハッとする。
ついついのめり込むうち、力が入って殻を壊しそうになる。ご主人さまのいない、水分の失なわれた殻は、刻々ともろくなっていくようだ。「元・生き物」であることを意識する瞬間である。
そして、いちいち驚くのは「殻同士の見事なまでの整合性」だ。どんなに細かい部品(部位)の関節も完璧な美しい仕組みを持っている。カニがどんどんかっこよく思えてきた。あんた、こんな立派な構造してたんだな。そういえば、あんた美味かったよ。
立派な新しい入れ物も、こさえてやらなくちゃな。