特集 2024年5月31日

雑誌の図書館「大宅壮一文庫」で約80万冊の蔵書を見た!

世田谷区の八幡山に、雑誌専門の図書館、大宅壮一(おおやそういち)文庫がある。

マスコミ関係のリサーチ業務に携わったことがあるひとであれば、知らない人はいないだろう。

明治時代から現在まで、世に出た雑誌のうち、1万3500種類、約80万冊を収蔵している図書館だ。

そんな図書館のバックヤードツアーが、定期的に開催されているというので、行ってきた。

鳥取県出身。東京都中央区在住。フリーライター(自称)。境界や境目がとてもきになる。尊敬する人はバッハ。(動画インタビュー)

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大宅壮一文庫をざっくりと説明

大宅壮一文庫は、昭和時代に活躍したジャーナリスト、作家であり、評論家でもあった大宅壮一が収集した雑誌や書籍などの蔵書を基として、1971(昭和46)年に設立された。

現在刊行されている主要な週刊誌、月刊誌などの定期刊行物と、休刊や廃刊となった過去の資料もふくめて保存してあり、実際に手にとって閲覧することが可能だ。(※全ての雑誌を所蔵しているわけではない)

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大宅壮一文庫です

ただし、普通の図書館とは違い、入館するのにひとり500円が必要であること、そして資料は閉架式となっているので、目的の雑誌を閲覧するためには、受付に請求し、書庫から資料を出してもらう必要がある。

なお、500円の入館料で資料は15冊まで借りることができ、それ以降は10冊100円の追加料金を支払えば閲覧できる。

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検索システムで必要な資料の請求番号を検索できる

今回参加したバックヤードツアーは、毎月第二土曜日に開催されているイベントで、大宅壮一文庫のぼうだいな量の蔵書が所蔵される書庫を、無料で見学することができるという、かなり太っ腹な企画でもある。(詳しくはこちら「迷宮書庫 探険ツアー」

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今回案内してくださった、大宅壮一文庫の黒澤さん

そして、せっかくなので、デイリーポータルZ編集部の林さんと、古い雑誌が好きそうなライターの唐沢さんにも参加してもらった。

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昔の雑誌を読み込む、ライター唐沢さん(右)と、DPZ林さん(左)

とりあえず80万冊の書庫をみてほしい!

率直にいうと、有料であるうえに閉架式という、図書館としてはいささか敷居が高いしくみではあるものの、大宅壮一文庫が雑誌の図書館として評価されているのは、所蔵の主な雑誌に「雑誌記事索引」がついている……というところだが、それについては後ほど(※次週公開予定)詳しい話をすることとして、まずは蔵書のすごさを見てほしい。

大宅壮一文庫、見た目はけっこう小さな建物だが、地下や二階などに週刊誌、月刊誌などの雑誌がギッチリ詰まっている。いわゆる汗牛充棟というやつだ。ただただひたすらに圧巻である。

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週刊誌が並ぶ棚
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女性ファッション誌が並ぶ棚
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1階書庫に通じる階段。日本の雑誌史に燦然と輝く雑誌たちの表紙が……
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「うわー『噂の真相』が全部ある〜」と、林さん

書庫の中には、バックヤードツアー参加者用に、著名雑誌の創刊号が並べられているコーナーがあり、自由に閲覧できるようになっている。

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雑誌好きな我々3人はもう、そこだけでお腹がいっぱいになってしまうほどである。

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見学者用に、各週刊誌の創刊号が集められている、

先ごろ休刊となってしまった『東京ウォーカー』だ。

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『東京ウォーカー』の創刊号。2020年の休刊間際のころの表紙とは雰囲気が違う
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創刊当時の東京ウォーカーは横組だったんですね

東京ウォーカーの創刊号には、海外旅行情報なども載っており、当時(1990(平成2)年)のバブル景気末期の景気の良さをうかがわせる。

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なぜか、林さんが最近成田空港で買ったアクセサリーが、30年前の雑誌で紹介されていた
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「写真週刊誌」の創刊号も

昭和時代末期の写真週刊誌ブームの火付け役となった『フォーカス』、そして『フラッシュ』『フライデー』の創刊号だ。
『フォーカス』は随分前に休刊となってしまったが、3誌とも「フ」で始まるため、休刊したのがどれなのかいつもわからなくなる。

「当時、たしか『エンマ』なんて写真週刊誌もありましたね」と、話をしたところ、案内してくださった黒澤さんが『エンマ』の創刊号も書庫から出してきてくれた。

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あった『エンマ』だ……

先行の写真週刊誌と違って、差別化を図るためか『エンマ』はけっこうドギツい写真も平気で載せており、この創刊号(1985(昭和60)年)も、今読むとちょっと閉口するような写真と記事が満載だ。当時の写真週刊誌の競争の苛烈さというものを実感することはできる。

⏩ an・anのテスト版、ポパイ創刊号

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