新宿か、八重洲か
都内から仙台へ行く場合、だいたい出発地はバスタ新宿か、バスターミナル東京八重洲となる。
パスタは立地的に便利であるものの、平日でも混雑する傾向にあるため、筆者としては八重洲の方がおすすめ。
今回乗るバスは平日の夜行便。だいぶ早くに予約したので保険をかけても片道3,220円だ。ちょっと心配になるくらい安いが、まあ連休などの特別料金とならされて帳尻が合うものなのだろう。
東京から仙台へ行く場合、途中で栃木の佐野SA、福島の安達太良SAに停車する可能性が高い。10分ほどの限られた時間で真夜中の駐車場に飛び出すのは楽しいものだ。
筆者はかつて、車内に眼鏡を置き去りにしたままSAのお手洗いでコンタクトレンズを外してしまい、どれが自分の乗るべきバスなのかまるで分からなくなったことがある。3回ほど間違えて乗り込みかけ、出発時刻ギリギリになってようやく正解を引き当てた。
夜行バスについて筆者が教えられるTIPSは「眼鏡を忘れない」のみである。
個人的・仙台観光黄金ルート解説
まずは朝食でも食べに行きたいところだが、駅周辺のほとんどの飲食店はまだ開いていない。ではどこを目指すべきか。
宮城県在住の方ならきっとご存じだろう、大衆食堂半田屋。BiViの店舗は24時間営業なので、早朝に着いてもすぐ暖かいごはんにありつける。
半田屋はIKEAのレストランのようなスタイルで、自分で食べたいものを取りレジに並ぶスタイルの飲食店だが、とにかくリーズナブルな上においしい。ビジネスホテルの朝食ビュッフェのような趣がある。
周囲を見たら、出勤前と見られるスーツ姿の人が焼き魚を食べていたり、学生さんと見られる人が大盛りのごはんとフルサイズの豚汁を並べて迫力ある朝食をとっていたりした。パワーだ。
少し甘めの味付けが、夜行バスに揺られた身体に染みる。温かいごぼう茶も飲み放題。
とにかく休憩しつつ腹ごしらえがしたいという方には半田屋直行ルートがおすすめだが、複数人かつ観光目的の方は、仙石線に乗って塩竈市にある塩釜水産物仲卸市場に行くのがいいだろう。
一般の人でも立ち入り自由の市場で、ご飯だけ買って海鮮丼の「具」を求めうろうろすることができる。
雨天でなければ有料で使えるBBQコーナーがあるから、市場で買ったばかりの魚介類を焼いて食べるのもおすすめ。
朝食を食べ終えたところでまだ7時過ぎだ。商業施設の開店を待つには早すぎるので、次なるおすすめスポットをご紹介したい。
足元だけ暖房が効いていてちょっと熱い地下鉄に乗ること十数分、
台原森林公園は、約60ヘクタール(ディズニーランドより少し大きいくらい)を誇る実に広大な公園で、そのうち50ヘクタールが国有林だ。ほとんど自然に近い森林が、仙台駅からわずか10分ほどの位置にこつぜんとある。さすがは杜の都である。
わざわざ仙台まで行って公園に、と思われるかもしれないが、夜行バスを降りてから朝の台原森林公園を散歩するのはたいそう気持ちがいい。陳腐な言い方だが心洗われるというか、溜まったストレスがずるずる流れ落ちて腐葉土に吸われていく感じがする。