特集 2023年12月1日

元地元民による、おおむね1万円で仙台の旅【高速バスツアー】

 

台原森林公園まで来たら、ぜひ足を運んでほしい場所がある。

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公園の中にこつぜんと聳え立つ、コンクリート造りの建築物。幼少期の筆者たちはあれを「悪のアジト」と呼んでいたが……
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その正体はスリーエム仙台市科学館だ。
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無骨な外装と森林公園のコントラストのえもいわれぬ格好よさ。小中学生の校外学習先としてメジャーなため、仙台出身の方は訪れたことがあるかもしれない。
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この日は中学校の生徒さんたちで大賑わいだった。スリーエム仙台市科学館は2024年の4月まで4階フロアが工事中で、3階フロアの生活系の展示のみ公開している。
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錯視が体験できる大型展示や、シャボン玉に入れるアトラクションなどは中学生さんに大人気なのだが……
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「歯車とカムの壁」などはあまり注目を集めていないようだ。あらゆる歯車やカムが連動する様を間近で見られる面白展示だというのに。
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デイリーポータルZライターならここから動けなくなる人続出のはず。
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地震についての研究ブースでは、地震計の仕組みを解説する展示があったり、東北大学と連携してリアルタイムのデータをモニタリングしていたりと非常に興味深かったのだが、振り返ると中学生さんの引率らしき先生方と筆者しかいなかった。 ​​​​大人になってから訪れると視点が変わって面白いのだと思う。
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ちなみに「ロボットのコーナー」では……
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絵に描いたような「ザ・ロボット」が並んでいてちょっと笑ってしまった。こんなにロボットなことってあるんだ。
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ロボットにも休憩時間があるらしい。未来の労働っぽくていいね。

他にも「めちゃくちゃ飛ぶ紙飛行機についての解説」や、「河原の石を分類した展示」など、デイリーポータルZ的な見どころが目白押しである。ぜひ足を運んでみてほしい。

 

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さて、せっかくだから観光らしい観光に出かけたいところだ。
とはいえ元仙台市民の筆者は青葉城跡は何度も行ってしまったし、定義山に油揚げを食べに行くには少々遠い。

八木山動物公園仙台うみの水族館に行くのも楽しいが、今回はかねてから気になっていたスポットに向かってみたいと思う。

地下鉄南北線・旭ヶ丘駅から北仙台駅まで戻り、バスに乗ること約20分。

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ショッピングモールと住宅が立ち並ぶ泉区にあるのは、高さ100mの観音像。

正式名称は大観密寺・仙台大観音といい、牛久大仏(120m)に次いで日本2位の巨大仏だ。

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足元までくると本当に大きい。現在は修繕作業中でロープが張ってあるが、足場を立てずにこのロープにぶら下がる「クライミング工法」で作業を行なっているらしい。作業員さんの状況を考えるとお腹の辺りが寒くなる。 ​​ ​​​​​
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拝観料500円を払うと胎内を登ることができる。入口は龍の口。
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入ってすぐのフロアには三十三観音と十二神将の像がずらりと並び、ここだけでもかなり見応えがある。

筆者は仏教についてほとんど知識がないのだが、仏像を眺めるのが好きだ。(こんなことを言うと罰当たりなのだろうが)造形としてそうとうお洒落だと思う。蓮の花に乗っていたり腕や頭がたくさんあったり、凄腕の造形師が造った大きなフィギュアを観賞するような気持ち。
仏教の用語もなんだか格好いいし、世界観の設定も興味深い。この世に多くある「わかると面白いんだろうな」ジャンルの1つだ。

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上階には、百八胎内仏と呼ばれる108尊の仏像が安置されている。エレベーターで最上階まで上がり、仏像を見ながらゆっくり下まで降りていくのが正規ルートらしい。
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一応外が展望できる窓もあるが、閉所恐怖症の人がパニックにならない程度のものなので、展望台としての期待はしない方がよい(筆者の少し後に上がってきた若者たちが「窓小さくね??」と憤っており、払える煩悩が多くてお得だなあと思った)。
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108尊の仏像の中には、うわー怖!! というビジュアルのものから、
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シンプルに荘厳なものまであって、1つ1つ眺めていくとけっこう時間が溶ける。

それぞれの仏像に説明文が付いているのだが、「手と目が1,000個あるのでメチャ人救えます!」とか、「人を救うための網を持ってます! しかもなんと! 絹でできていますー!」 とか、ありとあらゆる手段で救済してくれるホスピタリティにちょっとほっこりしてしまう。仏様が登場するソシャゲみたいなのが開発されたらいいのに。

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降りて外に出たら、ちょうど修復作業を行なっているところだった。あのロープで地上100mの作業をするのか……(仏のご加護がありますようにと祈らざるを得ない)。

 

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仙台から都内へ戻る昼行バスは、だいたい16時から17時頃が最終便である。昼行便ならばその日のうちに都内の自宅に帰れるため、翌日予定があるならば早めに引き上げた方がいいだろう。 

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遅めのランチに行く場合、仙台駅の1階に入っている仙令鮨が本当〜〜におすすめ。
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この日の筆者は夜に友人と会う約束があったため、いちばんライトなセットの「蔵王」を注文した。7貫に汁物付きで税込1,500円(2023年11月現在)で、ものすごくおいしい。この炙り穴子を食べられる人生に感謝。仙台に来たときのランチは仙令鮨と心に決めている。 ​​​​​

仙台という街、駅周辺だけ見ても飲食店の美味しさがパワフルすぎる。バスに乗る都合で飲めないが、おいしいお酒の宝庫でもある。ご飯を食べるためだけに仙台に行きたいくらいだ。

一万円あったら仙台に行こう

さて、この日の観光に使った金額はこんな感じ。

・東京〜仙台バス料金(往復)……5,440円(今回は保険をかけたため+1,000円)
・朝食(大衆食堂半田屋)……800円
・仙台での交通費……1,140円 
・スリーエム仙台市科学館入館料……280円※
・仙台大観音拝観料……500円
・遅めのランチ(仙令鮨)……1,500円

※スリーエム仙台市科学館の入館料は改装時の臨時料金

バスの保険金を除けば税込9,660円。約1万円で半日以上ゆるい観光ができる計算だ(ただし高速バスの料金は季節や曜日によって大幅に変動するため注意が必要である)。

県外の方から「仙台の観光ってどこに行けばいいの?」と訊かれて答えに窮するのは仙台市民あるある(と勝手に思っている)だが、仙台のいいところは街そのものの雰囲気だったり、食事のおいしさだったりするので、アテもなくバスだけ予約してふらふらするのがいちばん楽しいのかもしれない。

「なんとなく知らない街を散歩してみたい」気分の方は、ぜひいちど仙台旅行をご検討いただきたい。

ちなみに筆者はこのあと「仙台でしか買えない酒を買おう」と酒屋さんをハシゴし、合計4万円くらい散財しています。煩悩、払えなかったみたい。

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おまけ:仙台大観音の裏の大観密寺にいた、たいへん毛並みのいい猫ちゃん(尊い)

 

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