チャイにはセイロンかウーロン
チャイの茶葉をいろいろ変えてみた結果、個人的におすすめできるのはウーロン茶だった。健康的でしかも美味しい。
しかしこの後、基本のチャイを飲みなおしたところ、あまりの美味しさに素直に感心した。やっぱりアルフィーには高見沢なのだ(もういい)。先人もきっとこういう実験をたくさんたくさん繰り返した末にセイロンを選んだのだろう。ありがとう、昔の人。
チャイはシナモンやクローブ、カルダモンなんかのスパイスを紅茶と一緒に煮だして、ミルクと砂糖をたっぷり入れた心安らぐ飲み物である。
チャイに使う紅茶はアッサムやセイロンが一般的なのだとか。
まてよ、お茶なら紅茶以外にもいろいろ種類があるだろう。他にチャイに合うお茶はないのか。たとえばウーロン茶なんかどうだろう。
試してみたら美味しかったです。
チャイの美味しい季節がやってきた。
気取った書き出しに後悔しているが、実際チャイが好きだ。できることなら今すぐインドへ行って道端でおっさんが作ってるチャイを飲みたいのだが、なかなかそうもいかないので家でインスタントを飲んでいる。それでも残念な気持ちにならないくらいに、チャイは美味い。
チャイはシナモンやクローブ、カルダモンなんかのスパイスを紅茶と一緒に煮だして、ミルクと砂糖をたっぷり入れた飲み物である。
いままでスパイスから作ったことがなかったのだけれど、在宅勤務になり時間だけはあるのでネットでレシピを見ながら挑戦してみた。
使うスパイスはカルダモン、クローブ、シナモンの3種類が基本。他にもジンジャーなんかを入れても美味しいらしい。
シナモンはおなじみのあれである。カプチーノや京都の八つ橋みたいないいにおいの木だ。
これを鍋にかけて煮だすわけだけれど、その前にカルダモンは皮を割って中身をすり鉢で粉にするらしい。
チャイ、どこまで丁寧に作らせるつもりなのか。
しかしこういう手間がいいんだろうなとも思う。たとえインスタントで同じ味が出せたとしても、だ。いや同じ味ならインスタント買うかおれは。
ちがう今はそういうことではない。まず基本を押さえておこうという段階なのだ。
ここからが本番である。意思をしっかり持って遂行したい。
これらスパイスたちをお湯で煮だしていく。
沸かしたお湯に放り込んだスパイスたちは一瞬で本来の香りを放ちはじめ、家の中をインドの道端へと変えてくれた。窓からのっそり牛がのぞきそうである。旅情、その一言につきる。
しっかり煮出したら一度火を止めてから茶葉を入れる。まずは言われた通り、セイロンを使ってみた。
茶葉を入れたとたん驚いた。
荒々しかったスパイスの香りを紅茶がうまいことまとめ上げてくれたのだ。
うまい。
味も香りも安心のチャイである。
セイロン紅茶のしっかりと濃い味にスパイスの香りが負けていない。それでいてお互いに邪魔をしない。
それぞれが個性的なのでまとまらないかと思いきや、気が付いたら全員のことを好きになっていた、みたいな感じだ。SMAPか。いやそれ古いしもういないな、今だと誰だ、THE ALFEEか。
この奇跡のバランスを誇るチャイから、今回はセイロン部分を他のお茶に置き換えてみたいと思う。
茶葉をセイロンからほうじ茶に変えてみる。スパイスを煮出すところまでは同じなので省略します。
煮出したスパイスにほうじ茶を加えると、急に部屋がインドから日本の座敷に変わった。強い気持ちを持ってミルクと砂糖で仕上げる。
香りとともに味わうと、そこには寺の境内が思い浮かんだ。
けっして不味いわけではない。むしろ美味しい。
でもお寺の本堂でお茶をいただいている気がするのだ。座敷の畳、すぐそこに本尊、誰かが供えたお線香。これは日本の中にあるインドだ。
味も香りもほうじ茶が強い。スパイスの効いたほうじ茶だ。ほうじ茶の味がこんなに強いとは思わなかった。もう一度言うが悪くはない、ただ、ほうじ茶の「ほうじ」の部分が前に出すぎている気もする。
次は中華との融合、ウーロン茶で作ったチャイである。
結論から言ってしまうと、これがすごく美味しかったです。
味としては笑っちゃうくらいウーロン茶なのだ。苦くておいしい。その苦みがスパイスの一つとして機能していて、なんとなく脂を落としてくれそうな安心感すらある。アルフィーの3人はそのままにドラムにYOSHIKIが入った感じだ。
僕は常々チャイにもひとつ苦みが欲しいなと思っていたのだ。答えはウーロン茶だった。これは常用してしまいそうな美味しさである。ぜひ試してみてほしい。
次は日本に戻って緑茶である。
抽出の仕方が悪かったのかもしれないけれど(スパイスを煮出した熱湯にティーバッグをぶち込んでます)、緑茶の苦みがダイレクトに前に出てしまっている。その割に香りはスパイスが勝っていて、一口目で頭が混乱する。
ただ、ミルクとの相性は悪くない気もする。もしかしたら茶葉の選び方とか抽出の仕方とかで改善できるのかもしれない。
ここまで試してきて、明らかに不味かったものはなかった。このあたりでチャレンジ枠を採用したい。
そう思って昆布茶を用意した。
スパイスを煮出したお湯で昆布茶の粉末を溶かす。瞬間、不穏な香りが立ち込めた。
なんと表現したらいいのだろう。真夏の、富栄養化した海水浴場みたいなにおい。水平線に陽炎が浮かんで見える。これはミルクを入れたら終わりだなと思ったので今回はミルク、砂糖を抜いた。
香りは6:4でスパイスが勝つが、いかんせん4は昆布である。味は出汁の味が8割、あとの2割は塩味。ガンジス川が海に出たところをすくってきて温めた、みたいな飲み物になっていた。よく言えば異国、悪く言えば異世界。これはだめだ。
チャイの茶葉をいろいろ変えてみた結果、個人的におすすめできるのはウーロン茶だった。健康的でしかも美味しい。
しかしこの後、基本のチャイを飲みなおしたところ、あまりの美味しさに素直に感心した。やっぱりアルフィーには高見沢なのだ(もういい)。先人もきっとこういう実験をたくさんたくさん繰り返した末にセイロンを選んだのだろう。ありがとう、昔の人。
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