お菓子をたくさん食べると眠い
このあと、この日はなぜか夜までずっと眠かった。お菓子をたくさん食べて血糖値がおかしくなってしまったのかもしれない。
お菓子のロボづくりはあとに予定がない日にやるのがおすすめです。
このあいだスーパーで「お菓子の家を作るキット」を発見した。グリム童話に出てくるお菓子の家は知っているが、お菓子の家を自作することがあり、しかもそれがキット化されるほど一般的なことだとは知らなかった。
この機会に自分も…と思ったが、あいにく「家をつくる」という行為にはそんなにグッとこない。じゃあ何ならグッとくるかといえば……ロボである。
この記事はデイリーポータルZ開設17周年企画「名作カバーまつり」のうちの1本です。カバー元:お菓子のロボ(べつやくれい)
一人で作ってもいいのだが、こういうのは複数人でやってその作家性を比較すると楽しいのだ。
同僚の藤原さんを誘って、それぞれ作りたいロボのイメージ図を描いた。
ガンダム好きと、ロボットイベントの運営者。どちらもロボットには一家言ある2人だ。
藤原さんは人型の二足歩行ロボ。顔も装備もどことなくガンダムっぽい。型に乗っている詰襟みたいなやつはキャノン砲である。
僕はキャタピラタイプ。小さいころに「ショート・サーキット」という映画が好きで、その主役のロボをイメージした。(映画の内容は全く覚えていない)
3段に並んだお菓子の、上の1段が藤原さんが買ったもので、下の2段が僕が買ったものである。
厳選の藤原と、とりあえずいっぱい買ってあとで考える石川。すでに作家性の違いがにじみ出ている。
これらのお菓子を使って、さっそく組み立てていく、
ガンダム的なやつの脚、なんか思ったより華奢(きゃしゃ)だな。
さけるグミが思ったより短いのが誤算だったが、継ぎ目を脳内Photoshopで消せば、そこそこそれっぽく見えるだろう。
2人とも足回りはすんなり完成。次はボディに取り掛かる。
…とそのまえに、お菓子でロボを作る際の重要なポイントに気づいたので、共有させていただきたい。
ロボの素材としてお菓子をとらえた場合、有用なお菓子は4種に分かれるということだ。棒菓子、かたまり菓子、接着菓子、そして装飾菓子である。
棒菓子は長くて硬い菓子だ。脚や腕など棒状のパーツの素材になるほか、ほかのお菓子を2つまとめて串刺しにすれば、固定具にもなる。
棒菓子はバリエーションが多いので、好みで選択する余地が大きい。お気に入りの棒を自由に選ぼう。
逆に選択肢が少ないのが、これ。ロボットのボディなど、体積の大きいパーツに使うお菓子。
考えてみてほしい、あなたの好きなお菓子はどんな形をしているだろうか。たいてい粒状だったり、薄かったり、棒状だったりするのではないだろうか。大きな塊のお菓子って、実はあんまりない。
体積だけならスポンジケーキやカステラでもいけそうに思えるが、柔らかい(=丈夫でない)という致命的な問題がある。4種の中でも、いちばんチョイスが難しいのがこのかたまり菓子なのだ。
せっかくかたまり菓子が出てきたので、ここでボディの制作を見ていこう。残りの2種はあとから説明する。
しかし、これはだめだった。形はうまく保てるものの、バランスが悪く、すぐ前後に倒れてしまう。
うん、ものづくりにおいて、こういう妥協や割り切りって大事だ。
棒菓子であるセブンネオン(粉っぽい砂糖菓子がビニールで巻いてある駄菓子)をようかんに貫通させ、ホワイトロリータ製の腕部を支持。
楯はソースせんべいでできており、ヤンヤンつけボーのチョコで貼り付けている。
結局、麩菓子を使ったボディ。実はショートブレッドをレンガのように積む方法も考えていたのだが、そうするとトッポを挿せないことに気づいてやめた。
素材ごとにいろんな相性があり、それを一つ一つ乗り越えていくのがお菓子のロボづくりである。
さて、ここまでで棒菓子、かたまり菓子につづく残り2種のお菓子素材が登場した。改めてその2種の分類についてご紹介しよう。
お菓子どうしを接着するのに使う、お菓子である。
接着面が広く、接着対象も軽い場合は、チョコクリームをノリにすると簡単に接着できる。
棒菓子を連結したい場合は、マシュマロに突き刺して中継とすることでつなげられる。同じ用途で鈴カステラも買ったのだが、すぐ抜けてしまってイマイチだった。マシュマロは適度な粘りがあり、保持力が高い。
飾りつけに使えるお菓子たち。
ミンティアやソースせんべい、さけるグミなどがそれにあたる。軽くて接着しやすく、また加工もしやすい素材たちだ。
形と配置の自由度が高いので、最終的にはこれらを使って見た目を整えていくことになる。最初に描いた完成予定図スケッチに似せられるかどうかは、これらのお菓子にかかっているのだ。
以上、棒菓子、かたまり菓子、接着菓子、そして装飾菓子の4種が、お菓子ロボの基本素材である。
なお、総合的にみてお菓子ロボ最強の商品がある。それが、ヤンヤンつけボーだ。
4種の素材のうち3つまでを1つのパッケージでまかなえる、ロボ菓子スターターキットみたいなお菓子なのである。あとは麩菓子かようかんさえあれば、キミもお菓子のロボづくりが始められるぞ!
さて、ロボ製作に戻って、完成までの様子を一気に見ていこう。
これまで接着剤としてしか見ていなかったチョコを、顔に!ただでさえバランスの悪い藤原ロボ、これ以上の部品を追加するのは困難だったのだ。チョコなら、重い部品を追加せず顔を作ることができる。見事な発想の転換だった。
ちなみに目と口の白い点は、ヤンヤンつけボーのラムネパウダーである。
手がチョコやらようかんやらでベッタベタだが、手を汚した甲斐のある完成度である。
せっかくなのでロボットバトルでもやりたいところだったが、少しでも動かすと崩壊するのでやめた。
完成後、作ってみて分かった、お菓子のロボづくりのポイントを話し合った。
以上、お菓子ロボを作る際には心得てほしい。
さて、お菓子のロボは作って終わりではない。せっかくお菓子で作ったのだ。食べてこそである。
なお、お菓子ロボを作る場合は食事を抜いておくことを強くお勧めする。(単純に量が多いから)
市販のお菓子を組み合わせているだけなので味は基本的においしいのだが、いかんせんずっと甘い。飽きる。
その点では爪や眉毛に使った柿の種がいいアクセントになった。マシュマロと柿の種を一緒に食べるとうまいという発見。
今回、「味が混ざって不味くならないように」と思って意識的に甘いもので統一したのだが、むしろ適度にしょっぱいものを入れたほうがより美味しいロボットができるのでは、と思った。
このあと、この日はなぜか夜までずっと眠かった。お菓子をたくさん食べて血糖値がおかしくなってしまったのかもしれない。
お菓子のロボづくりはあとに予定がない日にやるのがおすすめです。
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