「のの字坂」は田浦駅の近くに
神奈川県横須賀市、JR横須賀線の田浦駅から少し山の方にむかって住宅街を進むと、坂道の隣に小さな公園がある。
ここまではごく普通の光景なのだけれど、問題はこの坂道である。
この坂道、公園をぐるっと周回するようにカーブしていて、一周すると元来た坂の上を立体交差して登っていくのだ。
うまく説明できないので見てもらいたい。
「のの字坂」をわかりやすく説明する写真を撮るためにすこし上まで登ってきた。
公園の直径は50メートルほどである。のの字を描かずに坂を作ると、きっともっと勾配が急になったのだろう。緩やかに標高をかせぐため、公園をぐるりと周回するみたいに立体交差にしてあるのだ。
これ、歩きながら立体交差を体験すると、トリックアートみたいで、なんか笑っちゃうくらい不思議な感じがする。
坂に暮らす
のの字坂が立体交差しながら標高をかせいでいるくらいである、このあたりは急な斜面に張り付くようにして家が立ち並んでいる。
このあたりは坂の町なのである。
僕は今の家を探しているときに、この辺りも見て回ったことがある。急な斜面の途中に建っていて、窓を開けると二階建てのはずなのに遥か下に道が見える家があった。
結局条件が合わずに住むことはなかったのだけれど、友だちを呼ぶときに自慢できるなと思って最後までリストに残していたように思う。この一帯ならさらに「のの字坂」まであるので友だちに自慢し放題だったはずだ。
上から「のの字坂」
坂の上まで登ってくると、先ほどの「のの字坂」をもう少し上から眺めることができたので改めて見てもらいたい。
ちょうど赤い郵便バイクが坂をぐるぐると下っていくところだった。
バイクが排水溝の渦に飲み込まれるようにぐるぐると回りながら降りていくのが見えた。
でかい商業施設の駐車場なんかにこういった建築を見ることがあるが、住宅街にこうした立体ぐるぐる坂があるのは珍しいと思う。
スイッチバックにするには土地が確保できなかったからとか、いろいろな理由があるらしいのだけれど、「のの字坂」を現実社会に登場させた想像力はすごい。
坂の途中には桜の木がたくさん植っていたので、きっと春にはきれいな桜の「のの字」になるんだろう。その頃にまた来たいと思う。


