使い捨てしないプラチナ触媒カイロって何
プラチナ触媒カイロは、ベンジンと白金の触媒反応を利用したカイロで、現在手に入るものは、ハクキンカイロ株式会社が製造する「ハクキンカイロ」しかない。
ハクキンカイロは、白金触媒の火口と、本体部分に分かれていて、カイロ用のベンジンを本体に入れ、火口をかるくライターかなにかで炙ると、気化したベンジンと白金が反応を始めて、暖かくなるというしくみになっている。
火を使うのは、最初に炙るときぐらいで、反応が始まってしまうと、白金が熱をもって反応しているという状態なので、炎がついているというわけではない。
ハクキンカイロの使い方は以下の通りだ。
火口を取り外し、付属のカップをとりつけ、ベンジンをはかって入れる。このカップについているメモリ1杯で12時間。2杯入れると、24時間持つということになっている。
ベンジンと白金を反応させるために火口をライターの火であぶる。
火口に直接炎を当ててしまうと、火口がすぐにダメになってしまうので、5秒ぐらい軽く近づけるぐらいでいい。
※などと、エラそうなことを書きましたが、ハクキンカイロ公式の方からご連絡を頂き「火口に3〜5秒直接火にあててください」というのが正しいのだそうです。直接火が当ってもよいようです! とはいえ、あぶりすぎるとやはり火口の劣化が早まるそうなので、そこは気をつけてください。とのことでした。ありがとうございます!
火口が反応を始めたかどうかは、本体の蓋を火口に当てて、うっすら曇ると反応が始まった合図なので、そのまま蓋をしめて使う。ということになる。
使うための準備はこれだけでいい。
カイロは反応が始まると、数分でホカホカになる。そうなると、素手で持つと「熱っ」となるぐらいになるので、カイロはフリースの袋に入れて使う。
ぼくは、百均で買った化粧用のポーチに入れていて、同じく百均で買った携帯用のストラップの紐を使って、寅さんのお守りみたいに、カイロをぶら下げて使っている。
気のせいとは思うけれど、みぞおちあたりが温かいと、全身が温かくなるような気になるので、こうするのが一番いい気がしている。
手の先や足が冷たくなったときは、取り出して握ったり、冷たいところにあてたりして温まるという使い方だ。
ハクキンカイロのなにがいいのか
まずは長所をいろいろ挙げてみたい。
①熱の持続時間がすごい。
ちゃんと反応していると、かなりのアツアツの状態になるけれど、中に入れる燃料(ベンジン)の量によっては、丸一日、24時間ホッカホカの状態が続く。
だんだん温度がさがるということはなく、反応している間はずーっと暖かくて、燃料がなくなったら急に冷える。
少なくとも20時間以上はもつので、朝、燃料を入れて反応をはじめたら、その日1日持ち歩いて、夜寝るときに布にくるんで布団の中にいれて一緒に寝ると、次の日の朝ぐらいまでは温かい。こうなると、もはやペットの犬や猫みたいな感情が芽生えてくる。
②熱量がすごい。
インターネットを検索してみると、ハクキンカイロは使い捨てカイロの13倍の熱量があると紹介する記事がヒットするのだけど、本当だろうか。
ただ確かに、発熱中は、本体は持てないぐらい熱くなる。あつすぎる場合は、布でくるむか、適当な袋に入れて温度を調節して使うことになると思う。
一点気をつけなければいけないのは、反応するために、空気(酸素)が必要なので、ジップロックのような密閉される袋に入れると反応が止まってしまうらしい。(それを利用した、反応止め袋みたいなアイテムもあるらしい)
ちなみに、そんな事する機会や人はなかなかいないと思うけれど、高濃度の酸素が充満しているところ(酸素カプセルなど)に反応中のカイロを持ち込むと、かなり危険らしいので、気をつけてほしい。
③ゴミがでない
使い捨てカイロと違って、ゴミにならないのがいい。ただし、火口は、1シーズンか2シーズンごとに取り替えが必要になる。
じっさいに、ぼくが先シーズンに使っていた火口は、保存して今シーズン取り出して反応させようとしたところ、うんともすんともせず、新しい火口を付け替えることになった。
とはいえ、毎回取り替えるわけでもなく、丁寧に扱えばもう少し長持ちすると思われる。
人にも長所短所があるように、超万能のように思えるハクキンカイロにも、残念ながら使いづらい点はある。
別に企業案件とかではないので、こういう感想も書いてしまおう。
①ベンジンが手に入れづらい
これはどうしたことか、カイロ用のベンジンを売っている場所がなかなかない。
ドラッグストアか、ホームセンターで売っていると思われるが、うちの近所(東京都中央区)のドラッグストアではまず取り扱ってない。
とはいえ、Amazonで注文すれば手に入るので、Amazonが使える人は特に問題ないだろう。
実は、ハクキンカイロはカイロ用ベンジンだけでなく、ジッポライターのオイルも燃料として使える。
ジッポライターのオイルであれば、コンビニでも売っているところがあるので、いよいよ手に入らないけど、今すぐ使いたいというときは、ジッポライターのオイルを使うのもありだろう。ただし、ライターオイルはカイロ用ベンジンに比べると価格が倍ぐらい高い。
②飛行機に持ち込めない
これが一番のネックといえばネックである。ハクキンカイロは、飛行機に持ち込めないのだ。預け荷物でもダメで、没収されてしまう。
ということは、飛行機で移動する旅でハクキンカイロを使うことができない。これは大いに残念だ。
ただし、未使用の買ったばかりのハクキンカイロであれば、預け荷物に入れることができることもあるらしい。
新品を買って飛行機で持っていき、燃料は現地で買って使用し、帰るときは旅先で誰かにあげて帰る……というのは可能かもしれない。というか、カイロも燃料も現地で買えばいいのか。持って帰れないけれど……。
いずれにせよ、飛行機に持ち込めないというのはかなりのマイナスポイントではある。ちなみに、新幹線も持ち込みが規制される場合もあるらしいので、気をつけてほしい。
飛行機、新幹線以外の公共交通機関で持ち込んで怒られたという話は聞いたことがないので、多分大丈夫だと思われる。(心配な人は各自確認してください)
③匂いの問題
ハクキンカイロは、人によっては匂いがきついというかもしれない。
どんな匂いがするのかというと、田舎のおばあちゃんちの押入れの匂いといえばいいかもしれない。
ぼく個人の好悪でいうと、そんなに嫌な匂いではない。匂いはたしかにするけれど、普通に使っているぶんでは、まったく気にならない。
新聞のインクの匂いとか、タクシーの排気ガスの匂いが好きというタイプの人だったら、気にならないのではないかと思う。
むかし、家によく遊びにきていた知り合いのおばちゃんが、なんだか独特な匂いするな〜なんて思っていたけれど、ハクキンカイロを使うようになって、あ、この匂いだ! と気付いた。
あのおばちゃんが、ハクキンカイロを使っていたということを、40年越しに気づくことができた。(着物のしみ抜きでベンジンを使っていた可能性もあります!)
というわけで、以上、ハクキンカイロのいいところ、わるいところを解説してみた。
もうシーズン終わりますが、花見で夜寒いときに持っていくのはアリだと思う。
それではよろしくお願いします!
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