特集 2019年9月24日

商店街で野宿する〜東急沿線さんぽ

商店街で一夜を過ごしました。

東急東横線白楽駅にある六角橋商店街。月に一度、ドッキリヤミ市と呼ばれるフリーマーケットが行われている。

先日、商店街に行ったとき、「来月は商店街で野宿がありますよ」と言われた。なんだその楽しそうやつ。

1988年神奈川県生まれ。普通の会社員です。運だけで何とか生きてきました。好きな言葉は「半熟卵はトッピングしますか?」です。もちろんトッピングします。(動画インタビュー)

前の記事:横浜にある謎のラーメン「バンメン」


ドッキリヤミ市のあとに実施されるイベント

以前、この記事でも訪れた六角橋商店街。楽しくてあれから何度か行っている。

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この半年で4回ぐらい来ている六角橋商店街。

毎月第3土曜日には「ドッキリヤミ市場」と言うフリーマーケットが行われ、様々な飲食店が出すおいしい料理や、音楽ライブで最高に盛り上がる。

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ご機嫌なミュージックが演奏されていたり、
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あまりのおいしさに100個ぐらいは食べられそうな食べ物が売っていたり、
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古本が売られていたりと見ているだけで竜宮城ぐらい時間が早く過ぎる。

珍しいものをたくさん見るのは心が沸騰するぐらい楽しい楽しい。そんな中、かなり楽しそうなものを見つけた。

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野宿のイベント。

実は先々月にヤミ市に参加した際、「9月に商店街で野宿をするイベントがあるんですよ」と言われ、それはもう参加するしかないと思い、家に帰ってからすぐに調べてインターネットで申し込みをした。そして迎えた9月21日、イベントの日がやってきた。

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勝ちたいので商店街のお店でカツ丼を食べた。(勝つとかそういう内容のイベントじゃないです)
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野宿イベントに参加する

フリーマーケットを見たあと、ダンスイベントの会場へに行ってみる。すごく盛り上がっているのを遠巻きに見ながら「楽しそう」と「これ、本当に野宿をやるのかな?」と不安になってきた。起きたら狸とか落ち葉とかの世界になってないか。

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熱い夜がずっと続いている。
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これが終わったらみんな帰って、マジ野宿になる可能性があるな。

22時を過ぎるとお客さんも減り、撤収する人たちも多く見かけるようになる。

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商店街のお店もシャッターを降ろし始めた。

そんな中、商店街のはじっこの方でアウトドアっぽいリュックを持っている人たちが集まり始めた。本当に野宿をするイベントはあったのだ。

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アウトドア感のある荷物を見て安心した。

23時になると受付が始まる。参加料の500円を支払い、予約した名前を言うと参加証をもらえるのだ。これがないと本当に野宿している人になる。

参加している人に聞くと、常連の人もいるが、今回初めて参加する人もいるようで野宿のベテランから初心者まで総勢15人ぐらいが参加している。

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こちらが参加証。ぞろ目で縁起がいい。

証明書をもらった人たちは、それぞれ自分の場所を確保し始めた。商店街全て野宿が可能ではなく、営業中のお店にじゃまにならないように決められた一区間で、なおかつシャッターが降りているところが寝てもいい場所である。

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各々、一晩過ごす場所を確保していく。
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参加者たちの装備を見たい

昔、家でなにも敷かないで寝たところ、腰は痛いし寒いし、お腹はピーピーと鳴り響く地獄のカーニバル状態で大変なことになった。今回はきちんとした装備で挑もう。自分のは最後に紹介するとして、参加者の人たちがどんな装備で挑んでいるのか、撮影させてもらった。

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こちらはエアーマット。中に空気を入れることでクッションとなる。これがあれば地面がでこぼこでも安定して寝られ、断熱してくれるので地面が冷たくても底冷えしない。
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こちらはダンボールで断熱をして、寝袋で寝るスタイル。

このほかにもなにも敷かずに寝袋をそのまま使う人、近所のスーパーから段ボールを調達して寝る人など色々な人たちがいる。そんな中、こだわりの自分のやつを見てほしい。

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これが自分の寝床です。

シートは折りたたんで使用できるマットをこの日の朝、ヨドバシカメラでポイントを使い、1000円で買った。お買い物上手。

そして枕は自分の家で使っているのを持ってきた。野宿で安眠をしようとしている。

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もう寝れそうな気がする。
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仰向けになれば商店街の天井が見える。

すぐ近くを車が通る音、人々が喋る声が聞こえてくる中で横になるのは不思議な感覚である。少し緊張しながら横になっている。

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参加者の方からみかんをいただく。

同じ場所で泊まると仲間意識が芽生え、知らない人ともしゃべったり、お菓子をもらったり、とても和やか雰囲気だ。

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ありがたくもらう。みかんっておいしいな。
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会長による商店街ツアー

そして、0時になると商店街会長による商店街ツアーが始まる。この野宿イベントでは毎回恒例で、内容も毎回違うそうだ。

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今回は「安くておいしい居酒屋ツアー」だった。

30分ぐらいでおすすめを店を7~8軒ぐらい紹介してもらう。「ここは1杯でベロベロに酔える量が出てくる」「ここのもんじゃは1枚で3人前ぐらいの量があって最高においしい」と聞いているだけでよだれが出そうな情報を教えてくれる。お店については参加した人だけの情報の秘密だ。

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絶対に行きたくなる情報が盛りだくさんだった。
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六角橋商店街にある「トマソン」も教えてくれた。
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商店街で寝てみる

そしてなんやかんやで1時になり、談笑しながら飲んだりする人もいる中、寝る人も出てきた。

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午前1時だが活気あふれる。

普段とは違った時間が流れている。「明日も会社だから早く寝なきゃ」と忙しさがここにはない。ゆったりしている。普段と同じラジオを聞いていても、やはり外というだけで何かトークライブを聞いているような気分だ。

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でも寝てみよう。1時のできごとである。
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そして、1時間後。午前2時。
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寝れない!

寝れない。もう全然寝れない。寝ようとしたら近くで工事で始まった。商店街の外でやっているようだが、感覚的にはすぐ耳元で工事をやっているぐらい聞こえてくる。これがよく通販であるスピードラーニングだったらきっと英語がペラペラになると思うぐらい聞こえてくる。

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でも頑張って舗装してほしい。それだけが願いです。
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寝るための強めの酒を飲んだ。こないだコインランドリーで会ったベロベロに酔ったおじさんも強めの酒を飲んでいたな。
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寝るための戦いがはじまった

そして、2時間が経過し午前3時過ぎになった。工事も落ち着き、ほとんどの人が寝始めた。大通りの車の音だけが聞こえる。

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夜も更けて参りました。
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みんな寝ている。

ほとんどの人が寝ているようで、寝息を立て熟睡している人もいらっしゃる。さすがベテラン。

そんな中、一人戦う男がいた。

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全く寝れない。

自分でもこんなに寝れないのかと驚いている。いつも眠くて電車に乗ればすぐに寝るタイプの人間なのだが、なんだろう緊張して寝れない。あまりにも寝れないのでポエムを書きました。

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テーマは「寝れない」

以下、考えたポエムです。

「寝れないのはお昼寝をしたからじゃない。きっと君のことを考えていたからだ。お昼寝でも君が出てきた。寝れば君に会えるから寝たい。」

このポエムを書いたとき「いいポエムを書いたな」と思ってよく眠れるかと思ったが、恥ずかしさが勝って寝れなくなった。

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ポエムを書いたあと、お酒を買いに寝袋を着たまま行った。普通に買えた。

朝はラジオ体操から始まる

ウトウトを繰り返しながら過ごす。朝方、夢でトークライブをやったが地球の歴史上一番スベる夢を見た。体がビクンとなって起きた。

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6時になった。

このイベントの起床時間である6時になった。会長のかけ声で参加者たちは起き始める。起きてイベントは終わりではない。みんなでラジオ体操を踊るのだ。

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全員でラジオ体操をする。さわやかな朝の始まりである。
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ほとんどの人がうろおぼえのラジオ体操第二までやった。わからなすぎて笑ってしまった。

小学生以来の朝のラジオ体操である。寝起きで重かった体がスッキリした。このあと、参加証にスタンプを押してもらって野宿は終了である。

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記念スタンプ。8時間のイベントが終わった。

朝になれば、お腹もすく。野宿イベント参加者限定で商店街にある居酒屋さんが200円で具だくさんの豚汁をふる舞ってくれた。温かい豚汁が五臓六腑にしみわたる。

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そうめん入りの豚汁。そうめんが入れ放題だったが恥ずかしくて1玉にした。
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朝に一番おいしい食べ物が決まった。豚汁だ。

他のところでもやってほしいイベント

この野宿イベント、過去に7、8回ほど開催しているそうだ。来年もきっとあると思うのでぜひ参加してみてください。不思議な体験です。

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朝日がきれい。
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