習字をいいものに見せるテクニック
寝ぐせって直されてばかりでなんの役にも立っていない。筆にくらいならないのか。
寝ぐせが付きやすい髪質で毎朝直す作業がストレスである。
面倒くさくて手を抜いて直していた時期があって、その時通っていた会社で「私生活が荒れているのではないか」と心配されていたらしい。そんなにだったか。
ただ直しては付き、直しては付きの繰り返しはもう嫌だと思った。寝ぐせって何かの役に立たないのか。筆にくらいならないのだろうか。
寝ぐせを筆にして書道をしよう。朝起きてすぐ半紙に向かって字を書くのだ。
朝一なのである意味書き初めである。よく考えたら習字って今年に入って初めてなので、本来の意味でも書き初めである。これが書き初めでいいのか。いいだろう。
枕も、頭ではなく首の辺りにセッティングして、髪が逆立つようにして寝た。緊張と無理な姿勢から寝れないんじゃないかと心配だったがすんなり寝た。偉い。寝ぐせ書道家の鏡。
朝の5時ごろ、目覚ましがなる前に起床。寝ぐせはどうだろうか。
常々寝相はいい方だと思っているのだが、これでは説得力がない。縦横無尽な毛先。生きているのかな。しかしとりあえず、筆にならなくもなさそうだ。すぐ半紙に向かう。
分かったことがある。寝ぐせってすごく立体的なのだ。頭を紙につけるが寝ぐせのどの部分が紙に触れているのか分からない。色んな場所で「カサカサッ」という乾いた音がする。耳が近いので音だけは無駄によく聞こえる。
あとすごく眠い。これは夢なのかなと思う。
できた。書道の様子を記録するために、三脚に固定したカメラで動画を撮影していたのだが、僕が10秒ほどこの姿勢で固まっていた。なんだかゾッとしてしまった。なんの10秒だったんだろう。ちょっと寝たのだろうか。
5万円です。
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