はい、以上いかがでしたでしょうか、今週の「ネクタイのみならずスーツも嫌い」。ぜひみなさんは着用していきましょう。
最近テレワークなどにより
ネクタイが暇そうなので(謎)
ネクタイアーティストとして(謎)
ネクタイをアニメ化してみたいと思う(謎)。
最近、暇そうなモノ。それはネクタイ。
昨今のテレワークのおかげで、会社員らの首に巻かれる機会を失い
かなりヒマそう。その前のクールビズから嫌な予感はしていたが、家でもかなり片隅に追いやられ、かなり不遇な命運だと言えるだろう。
そんな彼らにスポットライトを当てるべく、我が実家に居るネクタイたちに、陽の当たる場へ集まってもらったところ、
過多。集まりすぎた。何もここまで。そこそこの企業の全社員分ないかねこれ。一本一本だとただの布だが、大量に集まりすぎると、
言い知れぬ圧迫感。もはやグロさすらある。と、そろいもそろって無用の長物と化しているわけだが、実は僕、ネクタイで絵を描く「ネクタイアーティスト」も生業としている(初耳)ので今回は!
今こそネクタイの存在を国民に思い出してもらうべく、ネクタイで、絵を描いてみたいと思うッ!(謎) そしてさらに、せっかくなので、アニメ化までしてみたいと思うよッ!(大謎)
まずは、どうせなので、自分の好きなものをネクタイで具現化、つまりは、ネクタイで描き出そう。一体どういうことなのか、そして
一体何ができるのか、なんとか興味を持ってほしい。では、完成に向けてネクタイを置いていくべく、最初のを手にしているのだが、
喰っている。すでに。愛犬ももが。もも、この部屋で何かしてると、すぐ来るが
喰っている。それゴハンじゃないから。あとであげるから、今はちょっと待っててね。
と、なんとかなだめ、気を取り直し、ネクタイを置いていく。
独特な曲線にて。何これ、ネクタイって、変に角ばった、変に細長い形ゆえ、線としては歪になるのだ。つまりは故障したイラレのよう。
しかし、せっかくのネクタイなので今回は、ネクタイ1本ずつに秘められた各思い出を、語っていこうではないか。
…と思ったが、これ父親のだ。ここ実家だし。それゆえ、特にない。
そもそも自分のであっても、別にネクタイの思い出など、ない。ただ忠僕の象徴として付けていただけ。よってノーコメントだ。
いつしか謎のギザギザもあったりするが、そんな部分は、ネクタイを巧みに裏返しながら、刻んでいこうぜ! しかし一体何ができるのか、いまだ謎だが
粛々と調整しながら置いていく。そりゃ無言にもなる。
と、そうこう情報量はゼロのまま、いつしか完成してしまった、ネクタイアートの、その全貌が、これだ!!
!! ツイッターの! あの鳥!! ツイートを、鳥のように青空に羽ばたかせたい、という企業理念を具現化した(知らない)あの鳥である。
ネクタイで、こんなものを作っていたんだね。個人的にはツイッターへの想いを無事表現できたかと思う。おつかれさまでした。
で今回はさらに! ネクタイの価値をより再確認するためにも、よりによって、コレをアニメ化をしてしまいたいと思う!! ってことで
定点的に撮れるようカメラを設置し、まさにアニメ黎明期のように
各所のネクタイをちょっとずつ動かしていき、それを一枚ずつ撮影。
そしてコマ送りにてアニメ化するという、この時代になんでそれ、
な方法にてやっていく! 面倒!! ってことで、ネクタイをちょっとずつ動かすという、より不毛な作業に打ち込んだ末、
アニメ化を施し、遂に完成してしまったネクタイアニメが、コレだ!
!! 動いた! ネクタイアニメ! 羽ばたいたよ! 鳥がッ!! よく見たら口も開閉して! 何これ!!だが、ヨシとしたいと思う。
というわけで、ネクタイのアニメ化に成功!と、ある程度昇りつめたが、その時。こんな青い空へと羽ばたくネクタイアニメを見たら、
より高度なネクタイアニメも作りたくなってしまったよ。完全にネクタイズハイに陥ってしまったわけだが(謎)、ではこれから、さらにヤバイ、ネクタイ地獄を、繰り返したいと思うよ!
では気を新たに、ネクタイへの思いと勢いで、挑んでみようッ!
いったん初期化して、ネクタイを1本ずつ取り、線を紡いでいく。
なんともさっきより、微細な曲線にて。何ができるかまた謎だが、先ほどよりも大作に挑んでいく。大作の定義がよくわからぬが。
そして、正直もう疲れた。この作業、面倒くさい。が、ネクタイのためにも頑張りたい。しかし、ネクタイにこんなに触れていると、ふと
会社につけていってた頃を思い出すので、今回は珍しく、今まで伏せてきた会社時代の思い出を、いろいろ振り返りってみたいと思う。例えば、1年目の新人時代のことだが、会社でのとある日にて、
…いや、これは言わない方がいい。やはり黙っておこう。なら他には、例えば、3年目の会社でのとある日のこと、だが、
…いや、やはりこれも言えない。自分に緘口令。誰も得しないので、やはり会社の思い出はやめておこう。と、改めて打ち込んでいると
ももが来た。問われても、いかんせん何してるのかは説明しにくい
だからもうちょっと待っておくれ。ネクタイは食べないでね。
返事はよい。でも、たぶんまた来る。
しかし、こんなにもネクタイを手にしていると、なんかワカメでも干しているような感覚になってきた。ワカメにそんなプロセスあるのかは知らない。
そして、飽きてくる、が、あと少し頑張ろう。
では、そうこう情報量ゼロのまま、またいつしか完成してしまった、新たなネクタイアートの、その全貌が、これだ!!
!!? 謎の男性が!? そう、もしやこれは、
渋沢栄一さん!? 大河ドラマ化もされ、そしてお札にもなる、いま話題のあの栄一さんっぽい人が、つい描かれてしまったのであった! よりによってなんで!!だが、
まさに彼こそ、資本主義の象徴!しいては会社の象徴!しいてはネクタイの象徴!と言え、そりゃネクタイで紡ぎ出してしまうだろう。
では今度もまた、ここからさらに不毛な努力を重ね、
こまごまちょっとずつ、各所のネクタイを動かしていき
一枚ずつ、コマ送り的に撮り続けた結果!
またアニメ化してしまった、ネクタイアニメの模様が、これだ!!
しゃべってる、栄一さん! アニメ化により、きっと何かありがたいお言葉を! 栄一さん、ありがとう! まぁアニメ化の意味はほぼ感じられないが、なんかアングル的にも、ほぼマツコではあった。
ってことで、「青天を衝け」な栄一さんの爆誕だが、
先ほどのツイッター鳥がアニメ化し青空へ羽ばたいていったので、それってつまり青い天ってことで、そのまま青天を衝いてしまったのだね。さらにちなみに、作業中
背後にコッソリ見切れて映り込んでいたテレビにおいても、「青天」が! まさかの不毛な伏線回収なのであった。
というわけで、想像以上に不毛だった、ネクタイアニメ化でしたが、これを機に、たまには、こんな不遇な事態に陥っているネクタイに思いを馳せていただけたら幸いです。ではまた。
はい、以上いかがでしたでしょうか、今週の「ネクタイのみならずスーツも嫌い」。ぜひみなさんは着用していきましょう。
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