茨木駅-摂津富田駅間のねじりまんぽ
さて、そうして始まった東海道本線のねじりまんぽ巡りであるが、まず私は大阪府茨木市の中心、茨木駅までやってきた。
この駅と、京都方面への隣駅である摂津富田駅との間に、ねじりまんぽがあるという。
正確な位置こそ調べて来なかったものの、まぁ、それでも茨木駅と摂津富田駅の間にあるということは分かっているのだ。最悪、摂津富田駅まで歩けば見つけることができるだろう。
駅から歩いて十分足らず。私はいきなり一つのトンネルを発見した。外観はまぁ、若干小ぶりではあるが、至って普通のコンクリート・トンネルに見える。
しかしその中を覗き込んでみると、トンネルの奥に何やら蒲鉾状に出っ張った部分があるではないか。それはまるで、トンネルの中に別のトンネルがあるようだ。もしやこれは……
最初はおぉ!と思ったが、よくよく見ると、それはねじれていないただの「まんぽ」であった。まぁ、ねじれてなくとも、煉瓦の時点で十分興奮できる物件ではあるのだけれど。
いきなりねじりまんぽを見つけられてもつまらないし、それにねじりまんぽ以外にも、煉瓦のトンネルがここに現存しているということが分かっただけで収穫だ。
コンクリートトンネルの中に煉瓦トンネルがあるのは、明治時代に東海道本線が敷設された後、線路の拡張が行われた為だろう。ポータルを見ることができないのは残念だが、埋もれた遺跡を発掘するみたいで、これはこれでちょっと楽しい。
この付近は住宅が入り組んでおり、なかなか思うように歩くことができない。線路に対して斜めに歩かざるを得ないのだ。あっちをうろうろ、こっちをうろうろ。少しの距離を歩くのに、思った以上に時間がかかってしまった。
そうして、ようやく二つ目のトンネルを発見。
先ほどの一つ目のトンネルは、おそらく元は水路のトンネルだったのだろう。その水路に蓋をして暗渠化し、人が通れる道としたのだ。故に内部は狭く、歩行者専用となっている。
それに対し、こちらのトンネルはかなりの広さがあり、車も通っている。その為、壁のあちらこちらに車体が擦ったのであろう傷が付いており、少々痛々しい。ドライバーの皆さん、こういうトンネルを通る際は、運転に気を付けてあげてください。
さて、茨木駅を出てこれで二つのトンネルを見つけたが、程なくして三つ目のトンネルも発見した。またもやねじりまんぽでは無かったものの、なかなか面白い形をしていて目を引いた。
それにしても驚いた。ここら辺のトンネルは、どれもこれも内部に煉瓦トンネルが埋め込まれている。昔の東海道本線のトンネルがこんなにも残っているとは思わなんだ。
そもそも煉瓦造のトンネル自体、結構レアな存在だとばかり思っていたのだが……。ここらのトンネルを見る限り、あるところにはあるんだなぁ。煉瓦のトンネルが見たくなったら、東海道本線を当たるべし。
さて、歩くのもちょいとくたびれてきた。そろそろ、目的のねじりまんぽを見つけたいところだが……。
茨木駅を出てから30分強。ようやく私はねじりまんぽを発見する事ができた。ただ、このねじりまんぽ、琵琶湖疏水インクラインのものと比べて、印象が随分と違う。
こちらは天井が高く、より開放的なのだ。天井が高いということは、必然的に垂直部分も高くなるのだが、ねじれているのは天井のアーチ部分のみなので、どうしても非ねじれの割合が高くなってしまうのである。ねじれ部分の角度も緩やで、正直、ねじれまんぽという感じはかなり薄い。
ただ、これだけ広々していると、車が接触する事も少ないようで、状態はなかなか良い。ねじれまんぽであるなしに関わらず、かなり価値の高い煉瓦トンネルと言えるだろう。しかしそれでもやはり、ねじりまんぽとして見ると物足りない感じはする。
一応、例のアレもやってみたが、閉塞感が無いので全く雰囲気が出ない。ただの記念撮影みたいになってしまった。
茨木駅-摂津富田駅間のねじりまんぽ | |
ねじれ度 | ★☆☆☆☆ |
保存良好度 | ★★★☆☆ |
ジェームズボン度 | ★☆☆☆☆ |
茨木駅-摂津富田駅間のねじりまんぽ位置図