特集 2023年9月5日

テレビから見た自分は野生生物っぽい

最高に気を抜いた自分は怖かったです

なんの遠慮もなくテレビを見る。たまに笑ったり怒ったり、興が乗ると話しかけたりする。

誰も見てないからこそできてしまう言動だが、実はテレビが、真正面からそんな僕たちを見ている。

1987年東京出身。会社員。ハンバーグやカレーやチキンライスなどが好物なので、舌が子供すぎやしないかと心配になるときがある。だがコーヒーはブラックでも飲める。動画インタビュー

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テレビの目線になる

家のテレビの液晶が壊れてきた。10年近く使っているのでそういうこともあるよなと思う。

長く使った家電は暮らしのパートナーである。感情移入もしたくなる。テレビの方は、いつも何を見ているのだろう。

テレビにスマホをセットした

録画ボタンを押して、1時間ほど一人でテレビを見た。番組は録画してあったブラタモリです。 

そして後日再生して確認する。テレビの気持ちで

そこにはすごく野生生物っぽい自分が写っていた。 

ずっと、何考えてるのか分からない

真顔で一点を見つめている、と思ったらたまに眼球だけがキョロキョロ動く。不気味だ。

虫を探すカメレオンを思い出した。

これを真正面から受け止めるのは相当なストレスだ。感情が汲み取れない表情って、段々怒っているように見えてくる。 

いや、表情以前にそんなにジロジロ見ないで欲しい

こんなに無遠慮な視線ってあるだろうか。すごく怖い。

人と話す時も、たまに視線を目から離すだろう。そういう気遣いが欲しい。冒頭で「パートナー」と言ったが、そんなこと全く思っていないのが分かる。 

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反応したらそれはそれで嫌だ

かと言って、反応したらそれも嫌だった。

「へー」
「へー」
「へー」

「へー」と何回も言っていた。ブラタモリはそういう番組である。

そして「へー」の声のトーンをすごく間違えている。

そんなに軽くあしらわないで欲しいのだ。テレビからの情報を。もっとすごいこと言ってるよ、とテレビ目線の自分は思う。そんな受け止め方ではどうせすぐに忘れる。メモとかしなよ。

セリフにも工夫がない。機械のようにずっと「へー」だ。「はー」とか「ふーん」とかも混ぜて、リズムを作って欲しい。 

食べながら見ないで欲しい

おや、何か持ってきた
昨日の残りの玉ねぎの天ぷらと麦茶

ただ見ていることに飽きたらしい。 

思ったよりおいしかったらしい

今までにない生き生きした表情になっている。なんだよ、と思う。 

結局食べ物かよ

このあたりは想像以上にテレビに顔を向ける時間が短くて「本当に見ているか?」と疑った。

見たつもりになっているが、あとでテストしたらこの範囲はボロボロだと思う。 

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自分の動物っぽさ

1時間、全体を通して野生生物のようであった。何を考えているか分からなくて怖い。次の瞬間飛びかかってきそうな雰囲気がずっとあった。

突然ちょっと笑ったり、
頭を振ったりもしていた。全部の行動が怖い

テレビはこんな生き物を毎日相手にしていたのか。なんて包容力のある家電だ。見直した。

長い間こんなものを見せてきたのでもう休んでくれと言いたいが、買い換える予定もないのでまだしばらくこのままだ。ごめんな。

そして自分の動物っぽさを再確認できた。何かの拍子に「俺は頭がいい」と勘違いしそうになった時は、この動画を見直して思い知ろう。

テレビから見た自分
  • 遠慮なく見つめすぎている
  • 表情がないのに目だけ動く
  • たまにしゃべったと思ったら、力のない「へー」
  • すぐ食べながら見ようとする
  • おいしいと嬉しそう
  • 食べている間の話は、理解できていない

⏩ 炊飯器から見た自分

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